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Turning Point 転機をチャンスに変えた瞬間~ビジネスの現場から~

好きなことに向かって、真っ直ぐに生きる。大切なのは、どれだけ責任感をもって役割を果たせるか。 ブルーボトルコーヒージャパン合同会社 取締役 井川 沙紀 好きなことに向かって、真っ直ぐに生きる。大切なのは、どれだけ責任感をもって役割を果たせるか。 ブルーボトルコーヒージャパン合同会社 取締役 井川 沙紀
2002年にアメリカで創業し、サードウェーブコーヒーという新潮流を巻き起こしている「ブルーボトルコーヒー」。2015年より日本に進出し、現在店舗を順調に拡大しているが、その事業を率いているのが井川沙紀氏だ。さまざまな企業で経験と実績を積んできた井川氏に、その生き方とキャリア観について詳しく話をうかがった。
ブルーボトルコーヒージャパン合同会社 取締役 井川 沙紀

井川 沙紀氏

1980年兵庫県生まれ。
新卒で大手人材派遣会社に入社。その後、ベンチャーインキュベーション会社を経て、2010年に米国のソフトプレッツェルブランド展開に従事。日本展開におけるPR、販促、採用などを担う。13年に日系外食企業にてハワイでのレストラン事業展開に参画。14年11月にブルーボトルコーヒージャパン合同会社に広報・人事マネジャーとして入社。15年6月に取締役に就任。16年11月には6店舗目となる品川カフェがオープン。

ビジネス志向は皆無。たまたま20代で新規事業の立ち上げを経験。

ご経歴を拝見させていただきましたが、好奇心と行動力の高さに驚きを隠せませんでした。そんな井川さんはどのような幼少期を過ごされたのですか。
ずっとクラシックバレエに打ち込んでいました。2歳の時に始めて、大学を卒業するまで続けていました。かなり厳しい指導のもとでレッスンを受けてきて、プロになりたいと思ったこともありましたが、大学を受験する頃に自分の限界を感じまして。それ以降は少し熱が下がり趣味でバレエを楽しんでいました。
かなり本格的にバレエに取り組まれていらっしゃったのですね。その経験は、いまのご自身に何か影響していますか。
バレエというのは、みんなで協力して一つの舞台を作り上げていくものなんです。ひとつの演目のなかで、自分に与えられた役回りをそれぞれ最大限に演じて、ひとつの完成形を作る。ですから「勝ち負け」という思想がないんですね。

個人的には負けず嫌いな性格ですが、バレエをしている時は「誰かより秀でよう」という意識はまったくなく、とにかく自分の役割を果たすために自分を高めていかなければという思いで取り組んでいました。そうした環境にずっと身を置いてきたからか、社会に出てからも自分の役割をとにかく果たそうという姿勢で仕事に取り組んできたように思いますね。
大学を卒業されて社会に出る時は、どのようなキャリアをイメージされていらっしゃったのですか。
正直に言えば、特に何がやりたいということもなく、就職に対してネガティブでした(笑)。ビジネス志向でもありませんでしたし……

ただ、働くことは好きでした。大学時代はアルバイトを7つ掛け持ちして、土日もフルタイムで働いていましたし、やるべきことをきちんとやって、それで周囲から感謝されることにやりがいを感じていました。きっとそこに自分の存在意義のようなものを見出していたんでしょうね。
あまりビジネス志向ではなかったというお話ですが、新卒で入社した人材サービス会社では、新規事業などを担っていらっしゃいますよね。
帰国子女だったこともあって、留学や旅行のサービスを手がける子会社に配属になり、いきなり新規事業の立ち上げに関わることになりました。1年目に新しいサービスをひとつ任されて、2年目にはパリで中長期滞在者向けの民泊事業をやるという話になり、たまたまフランスに留学した経験があったので、お客様の開拓から、現地でのお客様のアテンドまで任せてもらって……毎日めちゃくちゃハードに働いていました。
そうした状況を井川さんは自然に受け入れていたのですか。
いえ、「なんでこんなに働いているんだろう?」と思っていましたし、かなりストレスも感じていました。フランスでの民泊事業を手がけていた時など、もう辛すぎて毎日泣いていましたし(笑)。まあ、当時はあまり深く考えず、とにかく自分のもとに来た球を必死で打ち返していた感じでしたね。

そして3年目、今度はオランダとの合弁で新しい人材紹介会社を設立することになり、そこに関わることになりました。とにかくずっと大変でしたけど、次第に新しいビジネスを創ったり、サービスをローンチすることが楽しいと感じるようになってきて、それで新規事業を立ち上げるノウハウをもっと学びたいと4年目にインキュベーション会社に転職しました。
そのインキュベーション会社では、どのような仕事を経験されたのですか。
最初は人事アシスタントとして、投資先に送り込む人材の採用に携わっていたのですが、上層部が「投資先の価値を高めていくためにはPRが重要だ」という認識になり、それまで社内でPRを専門に手がける人材がいなかったので、PR業務を任されることに。まったく経験はなかったのですが、外部のPR会社の力もお借りして、本体と投資先あわせて6社の事業広報をそれから4年間ほど担当。そこでPRの仕事にとても魅せられたのです。