志望度が高い企業のクチコミサイトのスコアが低く、不安になった時
皆さんは、転職先として検討している企業について情報収集している時に、ネガティブ情報と遭遇したらどうしますか?行きたいと思っている企業であればあるほど、余計に気になりますよね。
先日、一部上場のベンチャー企業にご入社決定された30代・男性のMさんもそうでした。無事にオファーが出てあとは意思決定のみという段階になって、他社選考を進めているエージェントの方から「この企業はネットのクチコミサイトでスコアが低いですよ」と言われ、急に不安になってしまったのです。「実際、どうなのでしょうか?」と電話をかけてこられたMさんに、私は自分自身がその企業について抱いている印象、CxOの方のお話を何度も伺っている中で感じている魅力や熱量についてお伝えしました。また、直近で弊社経由にて何名も同社へご入社いただき、活躍されている様子もあわせてお話したところ、Mさんは「よく分かりました。それが聞けただけでもう充分です」と安堵の声でおっしゃいました。
その後、数社獲得していたオファーを検討した結果、本質的にご自身が大事にしたい価値観と一番合致していたこの企業に迷いなく意思決定されました。ご入社後も「とても良い会社で、楽しく仕事しています」との嬉しいご連絡をいただいています。社員の皆さんの満足度も高いようで、「なぜクチコミのスコアが低かったのか?」は謎のままです(笑)。
クチコミサイトをどう活用するか
それでは、クチコミサイトの情報をどこまで参考にすれば良いのでしょうか?
私は候補者の方から聞かれた場合、「一部は当たっている面もあるかもしれないが、鵜呑みにしないほうが良いですよ」とお答えしています。ほとんどの場合、書き込んでいるのは元在籍していた退職済みの社員の方ですので、何かしら当時不満を抱えていた人もいるでしょう。また、良いことよりはネガティブな点の方がクローズアップされやすいものです。
当然ながら個人の主観に基づく一意見ですので、どういう立場の方かによってもその企業への見方は変わってきます。それから、企業や組織は常に変化し続けていますので、そのクチコミ情報がいつの時点のものかという点もポイントです。数年以上前の情報であれば、あまり参考にならないのではというのが私の考えです。ただ、直近の情報でいくつか同じようなコメントが存在するようであれば、多少なりともそういう側面があるかもしれないという参考にはできると思います。
ネガティブ情報に振り回されず、リアルで鮮度の高い情報をもとに本質的な判断を
クチコミサイトに限らず、その企業に在籍している友人・知人からの生の声や、エージェントからの話、様々な噂など、その企業について気になる情報は取ろうと思えばキリがありません。その中でネガティブな要素があれば、当然ながら気持ちが揺れて「この企業に入って大丈夫なのか」と不安になるでしょう。
その時に重要なことは、一部の情報に振り回されるのではなく、落ち着いてご自身がその企業について感じていた印象と照らし合わせて本質的に判断することです。また、どうしても気になることがあれば我々コンサルタントへ率直にご相談ください。私達は、日々直接クライアント企業と向き合って鮮度の高い情報を候補者の方へお伝えするよう心掛けています。それから、実際に入社された方々からお話を伺う機会も多いため、「今どうなっているのか」というリアルな情報もお伝えできるかと思います。ぜひネガティブな情報だけに振り回されることなく、ご自身にとって本当に大切なことは何なのかを見極めて良い決断をしていただきたいと願っています。
(2021年2月22日)
今回の教訓&アドバイス
クチコミ情報は鵜呑みにせず、一面的な内容として参考程度に
ネガティブ情報に振り回されることなく、本質的な判断をすることが重要
日々企業と向き合っているコンサルタントからリアルな情報を得るのも手

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