キャリアアップコラム vol.227
続・退職交渉のコツPart2

退職交渉はいつ切り出すべきか、いつまでに言うべきか

前回のキャリアアップコラムvol.226にて「ついに内定!退職交渉のコツ」をお届けしましたが、今回は実際の候補者の方からご質問いただいた“疑問”をベースに、退職交渉のコツの続編をお届けしたいと思います。

「退職交渉はいつ切り出すべきか、いつまでに言うべきか」という質問を、選考中、もしくはオファー前後で聞かれる場合が多いです。結論としては、「次行く企業が確定したら」が無難な進め方になります。一方で、1日も早く現職を去りたいという方においては、「オファーレターを受領後以降であればOK」とお伝えしています。

なぜなら、最終面接直後や口頭オファー(レターは出ていないが、社長等から「うちにきてよ!」と口約束で言われるケース)の段階では、オファーが確定しているわけではないので、このタイミングで退職交渉を始めてしまうと万が一オファーが取り消しになった際に大変面倒なことになってしまうためです。ですので、どんなに急いでいても、レター受領後に退職交渉を始めることがベターです。

ただし、現職よりも確実に行きたいオファーであることが前提であり、迷うレベルのオファーであれば決断を下す前に交渉する必要はありません。なお、複数社での選考が進んでいて、かつどちらも志望度が高いのであれば、片方のオファーが出た段階で話してもいいかもしれません。

一方で、「いつまでに?」という問については、「できる限り早く。1日でも早く」となります。前回のコラムにもありましたが、退職とは現職に少なからず迷惑がかかるものであり、そこは覚悟しなければなりません。組織再編や人事異動、クライアント対応にも関わる事象ですので、後回しにせず、すぐに話し始めることが結果として最も迷惑がかからない結果につながります。

 

退職交渉(報告)は誰から言うべきか

初めての転職活動の場合、誰から交渉(報告)していいかもわからないものです。結論としては「直属の上司 → その上の上司 → ○○の上司 → お世話になった方々への報告」という流れが良いと思います。なお、切リ出す際には、できる限り対面で(コロナの影響で出社がなければせめてオンラインで)の報告が望ましいです。電話やメールは避けましょう。

また、一人ひとり直接お伝えする形が望ましいため、報告時には「○○さんや他の人には自分から説明するのでまだ黙っていて欲しい」とお伝えする形がよいでしょう。退職の噂が先に広がってしまうと、「俺は直接聞いてない」と悲しむ同僚の方もいるかもしれません。非常に体力の使う時間になりますが、時間をかけてでも一人ひとり丁寧にお話ししていくことをおすすめします。

 

転職先の情報はどこまで言うべきか

次の会社名を言うべきかどうか、など何を話すべきか迷う人も多いかと思います。基本的には「包み隠さず、全て正直に伝える」というのが良いと思います。社名を出すことで「そんなところに行くのか」、「だったらうちに残ったほうが良い」といった強烈な引き止めや反論に合うケースもありますが、情報を伏せてしまうことによる不信感や信頼関係への悪影響は取り返しのつかないことにもなりえます。

長いキャリア人生、その方とどこでどう出会うかもわかりません。クライアントやサプラヤーになるかもしれないし、もしかしたら同僚になる場合も珍しくありません。再会する時に強固な安心感から関係を築けるように、できる限り誠実かつ正直にお話しするのがよいと思います。

 

(2021年1月20日)

今回の教訓&アドバイス

退職の伝達はオファーレター受領以降、できる限り早めに

報告先は直属の上司から。対面で一人ひとりに伝えましょう

情報開示は誠実かつできる限り正直に

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
山本 航
戦略、総合ファームなどのコンサル転職を主な専門領域としています。その他、コンサル経験者(ポストコンサル)の転職支援として、ベンチャー/スタートアップ、事業会社などの幹部採用支援にも注力しています。
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