キャリアアップコラム vol.177
その成果は「偶然」だったのか、それとも「必然」だったのか?

皆さんが面接で「最も成果を出せた仕事」について聞かれたら、思い浮かべるのはどんなお仕事でしょうか?ちょっと考えてみてください。それから、次にこの質問が来たらどう答えますか?
 
「その成果が出せた要因は何ですか?」
 
…いかがでしたでしょうか。この質問に対して咄嗟に答えられる方は多くないかもしれません。今回は、この2番目の質問について考えてみたいと思います。
 

成果を出せた要因を正しく認識することは、再現性につながる

先日面談でお話を伺ったCさんは、大手企業勤務の海外駐在経験も豊富な40代前半の男性。コミュニケーションも端的で分かりやすく、タフな雰囲気が伝わってくる方でした。トップセールスや同社で初のビジネス成功など目覚しいご活躍をされた後、今年の春からは最高評価を受けて管理職に昇進、と会社からも期待されている優秀人材です。
 
しかし、より詳しくCさんのお仕事ぶりを理解したいと思い、「ご自身ではどうやってその成果をあげられたとお考えですか?」と質問してみると。。。返ってきた答えは「いやぁ、たまたまなんですよね」「何でかわからないんですけどね」「聞いた話では何故か私がトップの評価だったみたいですね」というものばかり。

初めは謙遜されているのかと思い、様々な仕事について質問を重ねてみたのですが、明確な答えは引き出せませんでした。

これはご自身ではあまり意識されていないかもしれませんが、優秀な方だけに非常にもったいないと思います。
その理由について見ていきましょう。
 
よく私達は「成果」という言葉を口にします。確かに、その人の能力や経験のレベルを知るうえで、どのような成果を出してきたかという情報は不可欠です。

ただし、それと同じくらい「どのようにして、その成果をあげることができたのか」ということも重要です。

なぜなら、企業側としてはその方を採用した場合「当社でも同じような成果をあげて活躍してくれるかどうか」が見たいからです。

それをコンピテンシーの考え方では「再現性」と呼んでいます。先ほどのCさんの例で言うと、高い成果を現職であげられていることは事実だとしても、ご自身でその要因を認識できていない以上、それがCさんの能力によるものなのか、それともCさんの言う通り本当に偶然だったのか企業としては判断できず、「再現性」に疑問が残るわけです。

 

成果をあげた一連のプロセスを脳内で追体験してみる

もちろん成果を挙げるうえでは、個人の力だけではどうにもならないこともあります。チームプレイのおかげで、クライアントやパートナーの協力に助けられて。。という要素も大きいでしょう。

ただ、その中でご自身はどういう意識を持ち、どのように行動したのか。それによって何が起こり、どのような結果が得られたのか。その一連のプロセスをご自身で思い起こし、鮮やかに頭の中で思い描いて伝えられるようにすることはとても大切な作業です。

ぜひ皆さんも、休日などお時間のある時にじっくり取り組んでみてください。そこで出てきた内容は、ご自身の強みとして面接で話せるのはもちろんのこと、職務経歴書に記載することで企業に「会ってみたい」と思わせるレベルにブラッシュアップする上でも有効です。

とは言え、なかなか自分ひとりで整理するのは難しいという方も多くいらっしゃるかと思います。

我々コンサルタントもお話を聞きながら「引き出す」お手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

(2016年11月20日)

今回の教訓&アドバイス

成果も大切だが、どのように成果を出せたのかということも重要。

選考では、成果そのものよりも企業での「再現性」が求められる。

成果をあげるための一連のプロセスを思い起こし、要因を明確に!

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
神田 昭子
日系大手グローバルメーカー、ベンチャーの経営幹部、事業会社のIT系ポジション(セールス、データサイエンティスト、企画職等)を主に担当しております。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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