日本初のコーチング・ファームである同社。組織全体の生産性向上に向けた活動をワールドワイドで支援することで確かなビジネスインパクトを生み出し続けている。同社でエグゼクティブコーチとして多数のクライアントの目標達成を支援し、組織開発のプロジェクトを手掛ける執行役員の長田祐典氏にお話を伺った。
株式会社 コーチ・エィ 執行役員 長田祐典氏
【インタビュアー】コンサルタント 神田 昭子
貴社の面接の特徴について教えてください。
候補者の方から「他社の面接では聞かれないことを聞かれます」と言われることが多く、「あなたの物語を教えて欲しい」というスタンスが他社と違うのかと思います。どうしてコーチ・エィなのか、あなたがなぜそれをやりたいと思ったのか。その話が説明調だと、「僕でも言えそうな話ですけど、あなただからこその話って何か無いですか?」と突っ込みます。また、候補者からどんな質問をするのかも面接で大事にしているポイントです。
候補者からの質問の何を見ているのですか?
まずオープンかクローズドなのか、質問が長いか短いかを見ます。質問が長くなる理由の一つは、例えば、「コーチングってお客様に営業するのが難しいと思うんですけど、どうですか?」と前置きをしますが、これは土俵を限定されてしまい面白くない。「営業ってどうやるんですか?」と聞いてくれた方が良いです。また、2択で聞く人もいますね。3つ目あるんじゃないの?と(笑)。他にも不安解消のための質問や、入社した場合を想定した質問など、質問からその人の思考パターンが見えます。以前、面接序盤では正直難しいなと思っていた人が質問タイムで能力を発揮し、合格にしたことがありました。面接の最初と最後で印象が大きく変わる人はあまり多くないので驚きました。
他に質問で見ているところはありますか?
質問が長い人に「一言で言ってもらえますか?」とリクエストしてその場で修正できると、学習が早くフィードバックをもとに軌道修正をかけやすい人だと感じます。一方で「もういいです」と質問できなくなってしまう人だと、フィードバックが受けられない、対話から逃げてしまうんだな、と。
それはつまり、「場の理解」ということなのでしょうか?
コーチングは基本的にこの場で起こっていることを扱うので、そこに意識を向けているんだと思います。難しい質問をした時に取り繕っていると、それはこの場で起きていることなので「あ、取り繕ってるな」と思う。話す内容だけではなく、その場にいる人の反応や、そこから(面接官の)自分がどんな影響を受けたのかを感じて判断していますね。
面接で話していて楽しい人はどういう人ですか?
冒頭にもお話しましたが、説明ではなく、自分の物語を語っている人は面白いと感じますね。説明で話す人は「AさんとBさんがどうした」とすべて客観の話ですが、物語で語る人は「Bさんと出会って私はこう思った」と主観の話が出てきて、もっと聞きたいなと思います。僕らの仕事は1:1で話す関係をつくるものなので、「話していて楽しい」「一緒にいて心地良い」「また会って話したい」というのは、エモーショナルですが大切なポイントです。上から目線だったり逆に遜ったりせず、どんな相手でもフラットな関係性を築けるかどうか。話の長さも大事です。物語なら長くても聞けますが、説明が長いのは聞けない(笑)。配慮のある人は「長くなりますけど」と一言入れる等、相手のことを考えて話せるものです。
面接に向けて、何か準備して欲しいことはありますか?
人と会うことが多い仕事なので、人からどう見られるかに意識が向く人が良いですね。例えば「面接に行くんだけどどう見える?」と家族に聞くという行動もできるわけです。ただ、服装・髪型・メイクが気になったとしても修正できるのでそれだけで不合格にはしません。また、事前に質問を準備いただいてもOKです。
貴社の選考を経て、変化がみられる方もいらっしゃいますか?
1次選考の段階では100%の状態で来られることはまず無いので、最終選考前に個別の面談をよく実施しています。そこでは「ぜひ選考を突破して欲しいので、ここだけは頑張ってくれ」と懸念点も明確に伝えます。そうして入社した人たちは、その時間にとても感謝してくれています。以前ある人に「嘘くさい」と伝えたら、周囲に自分が嘘くさく見えるかを聞いたらしく、最終選考では慣れ親しんだ関西弁で話してとても自然な印象だったそうです。
最後に、貴社への応募を考えている方にメッセージをお願いします。
僕が転職した当時、紹介会社に相談したら「28才でメーカー営業経験のみで、正直言って市場価値無いですよ」と言われましたが、専門的なこの仕事にキャリアチェンジできました。この仕事は大きなキャリアチェンジも叶えられ、入社後に資格を取るサポートまでしてくれる、とてもめずらしい仕事だと思います。人と話せるスキルは当社で活かせますので、ぜひ営業経験のある方などは当社をひとつの選択肢にしてもらえたら嬉しいですね。未経験ですぐにエグゼクティブコーチができるわけではないですが、トレーニング期間を超えた先にある世界は本当に面白いので、ぜひ一緒に見ませんか?「医者は人の病気を扱う、弁護士は人の事件を扱う、コーチは人の成功を扱う」と言った人がいます。クライアントが成功して表彰台に上った姿を僕らはコーチとして見られるわけで、それって素敵なことですよね。
インタビュアー / コンサルタント 武田 直人、コンサルタント 神田 昭子
構成:神田 昭子
撮影:櫻井 健司
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。
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