キャリアアップコラム vol.191
共通言語の落とし穴?

普段使っている言葉の意味が通じない?

普段から特に意識することなく使っている言葉が話す相手によって伝わり難くなる、そのような経験をしたことはありませんか?これまで特に詳しい説明をする必要もなく、容易に理解を得られていた言葉が、なかなか相手には通じずにコミュニケーションがチグハグになってしまう。もしかすると、面接の場面でこのような経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。ではなぜ「普段使っている言葉が通じない」ということが起きてしまうのでしょうか?それは、普段使っている言葉が、いつしか自身の身の回りのみで通用する「共通言語」となって、詳しく説明する必要のない使い勝手の良い言葉に変わってしまっているのかもしれません。

面接の場では、共通言語は非共通言語

普段からコミュニケーションをしている人物と話す時の言葉は、最初は使用する人達の間でお互いの認識が多少ズレていても、コンセンサスをはかりながら、使われる度に徐々に修正されていき、遂にはその都度意味を加えたり細かな説明をしなくても、お互い理解し合える便利な共通言語へと成長していきます。この共通言語を醸成する関係性そのものはとても良いことではあると思うのですが、一方で、この共通言語によるコミュニケーションに慣れ過ぎてしまっている、もしくはその自覚がない場合、自身の身の回りの「外」にいる人とコミュニケーションをする際に苦労するだけでなく、本人が意図しない意味で相手に伝わってしまうリスクが生じることがあります。

世間一般で通用する共通言語のように思えても、使用するシチュエーションによって、それぞれが指す意味合いは違いますし、その言葉によって伝えたい意図も必ずしも一致する訳ではありません。例えば、「マーケティング」という言葉一つとっても、プロダクトマネジメント、プロモーション、ブランディング、さらにはインターネットマーケティングやダイレクトマーケティングなど、「マーケティング」が指すものはまだまだあります。これら複数の意味を持つ言葉が、ある環境内で使用される際、いつしか「あるものを指すときに使い、それで皆が理解できる」共通言語になっていることがあるのです。

では、このことを意識せずに面接に臨んでしまった場合、どのようなことが起こるのか?面接の場は、その言葉の持つ意味や背景など「詳しい説明の必要がない共通言語で理解が得られる環境」ではありません。よって、会社では問題なく通じていた言葉が面接官に伝わらない。となると、理解を得るためには説明が必要。しかし、この詳しい説明など必要ないコミュニケーションをしてきているため、いざ人に説明するとなると・・・、どうしよう。。ということが起こるかもしれません。

相手は「何でも知っている訳ではない」という前提で準備する

これまでお付き合いのなかった新規取引先に対してプレゼンを行う時など、初めて会う人に対して何かを説明する際は、身内と会話している時のように『共通言語で相手の理解を容易に得る』ことができないため、「知らない相手に説明する」ということを前提に、資料を作成したり適切な言葉を選んだり、様々な工夫をしているのではないかと思います。このスタンスこそ、面接に臨む際の重要なポイントになります。普段使っている言葉が、説明不要で便利な共通言語になっていないか、その言葉によって伝えたいことが伝わるかどうか、今一度確認した上で面接に臨んでみましょう。そうすればきっと面接官と有意義なコミュニケーションが出来るはずです。
 
(2018年1月22日)

今回の教訓&アドバイス

自分の身の回りでしか通用しない言葉を使っていないか自己チェックをする。

その言葉によって伝えたいことを伝えるための説明ができるかを確認する。

自身が関わっている仕事をスムーズに説明ができるよう工夫し練習する。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
武田 直人
CXOをはじめ、経営幹部から事業責任者、そしてPdMなど、企業の「要」となるポジションへの転職支援が強み。注目のスタートアップから大手企業まで、Web・インターネットサービス業界が最も得意とする領域。
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