キャリアアップコラム vol.159
自分の弱みを堂々と答えられる人、そうでない人の違いは?

仕事に自信を持っている人ほど、弱みを自ら話せる人が多い

弊社では最近コンピテンシー面談というものに力を入れています。目的としては、面談の際に成果をあげる行動特性をきちんと理解して、その上でよりフィットするポジションをお探しするのと、企業に推薦させていただく際に候補者の方の強みを正確にお伝えするためです。
 
このような背景から我々はこれまで以上に面談の際に候補者の方の強みにフォーカスしてヒアリングさせていただいています。そこで気づいたことの一つに、実績がありしっかりキャリアを築かれている方こそ、強みだけではなく、弱みや苦手なことまで話してくれることが多いということです。我々の面談は面接ではないので、こちらから弱みを聞くことはほとんどないのですが、自ら苦手なことをお話ししていただけると、一気に相手に対する信用度が増すものです。
 
自ら弱みや苦手なことを話していただける方に感じる傾向としては、まず、自分が成果をあげやすい仕事とそうでない仕事をきちんと認識されていること。また、自らアピールされなくても自信がおありなのだと思います、肩の力が抜けていてとても自然体で、堂々とされています。
 

面接で弱みを話すとマイナスか?

本番の面接でも、強み・弱みは定番の質問項目の一つです。では、なぜ面接官は弱みを聞くのでしょうか?先日ある面接官に弱みを聞く意図を聞いたところ、以下の回答でした。
 
・募集ポジションと照らし合わせてフィット感を確かめる
・自己認識を確かめる
・弱みを認識した上でどのように仕事をしているかを確かめる
 
また、合否にどの程度影響があるかを聞いてみると、例えばデータ集計を行う仕事なのに数字が苦手、となると、さすがに致命的な懸念となってしまうので、こういう場合はお見送りとさせていただきますが、そうでない限り、決定打になることはほとんどないとのことでした。
 
なんでもできる完璧な人はいません。苦手なことがあるのは当たり前なので、苦手なことを正直、且つリアリティを持って話されると、かえって評価が上がるようです。また一方で、強みの裏腹を弱みとして答える方がいらっしゃいます。例えば、「私の欠点は完璧主義なところです」といった風です。この中には、面接官の知りたいことは一切なく、誤魔化されてしまった、流されてしまった、という印象を持ち、一気に醒めてしまいます。
 

面接に合格することだけがゴールではない。

P・ドラッカーは以下の言葉を残しています。
「マネジメントの役割は、人が共同して成果をあげることを可能にし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。これが組織の目的である。」
 
要はマネジメント職の面接官は、個人の強みと弱みをしっかり把握した上で組織として成果を最大化するにはどうするかを考えているのです。
 
改めてになりますが、大前提として完璧な人はいません。もちろんやりたい仕事に就けることがベストですが、その前に自分がその会社なり組織に対して貢献できるところを探すべきです。面接を通じて相手が合わないと感じるのであれば、育成も含めて今の組織の状態では受け入れは難しいという判断が入っているはずですので、その場合は入るべき会社ではないのです。
 
転職活動の初期段階では、「次に何がやりたいのか」ばかりに意識が向いてしまいがちですが、自分の強みと弱みの両方をきちんと棚卸しすることもとても重要です。そして、弱みを聞かれたら堂々と答えましょう。面接に合格することだけがゴールではないので、自分の弱みもきちんと理解してもらった上で、「是非一緒にやりましょう」、と言ってもらえた方が断然安心だと思います。その上で、入社後に自分の強みを思う存分発揮して成果をあげることが大事であり、これが転職成功の大きな鍵になるのです。
 
(2015年4月20日)

今回の教訓&アドバイス

強みと弱みをきちんと把握することで入社前後のギャップをなくす

弱みを正直に伝えることは決してマイナス評価にはならない

逆に弱みをリアルに堂々と話すことで印象は良くなる

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
入江 祥之
経営幹部(CXO、マネジメントクラス)、ファンド(PE、VC)、及び、ファンドの投資先ポジション。また、コンサルタント経験者(ポストコンサル)の転職支援を専門としております。
【 CxO専門チーム / ポストコンサルタント専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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