キャリアアップコラム vol.156
仕事の質は、なぜこの仕事をしているのか?の問いにかかっている

仕事やキャリアのご相談を受けていると、その方の「仕事観」「仕事の哲学」「信念」のようなものがお話の中に見えてきます。実際、そういったお話が引き出せるように私からもご質問をさせていただいています。大事な棚卸しの時間ですね。なかなか日々のお仕事を自分1人で振り返るのは難しいものです。

と同時に、その方のお仕事やキャリアに関する強烈な思い込みというか「●●せねばならない」だったり「●●でなければだめだ」という「枠」のようなものが見えてきます。

例えば、「転職するのであれば、今よりも年収が上がらなければ意味がない」、「新卒で入った同期たちに負けていてはいけない」「前回の転職は失敗したから今回は絶対に人に自慢できる会社に入らないといけない」などなど、それがいけないということではなく、自分でその枠にがんじがらめになってしまい、動けなくなってしまっているという方々も多くいらっしゃいます。

かくいう私も、もちろん思い込みはいろいろあります(笑)

仕事とは、キャリアとは一体なんでしょう?

「●●企業に勤めて・・・な仕事をしていて、年収はいくら」ということだけではないでしょう。私は「どうしてこのお仕事をしているのか?」という問いに、ご自身なりに、考えていくことが大切なのではないかと思います。仕事観や取り組み姿勢が一致していて、自分の「存在意義」が表現されたお仕事ぶりをしている方だと、きっとこの方はどこに行ってもご活躍され、皆から信頼されるだろうと思うのです。

「存在意義」というと大袈裟にも聞こえてしまいますが同じ職業の方でも、自らの存在意義を見出し、お仕事にまい進されている方と、ただ「するもの」「評価を受けるために」ということだけを考えている方とでは、お仕事の質も、違ってきます。

先日、1人の男性が、ある分野への転職をご希望され、弊社にご相談にいらっしゃいました。実は、6年ほど前にもご相談にお見えになり、その際もご支援をさせていただいたのですが、既に先に進めていた企業に決まりました。

彼は、仮にAさんとします。当時Aさんは地方都市、再生、都市計画というキーワードで、世の中を少しでも住みよく、心地良くしたいと思い、そのためには自分に力をつけたいとおっしゃっていました。未経験でしたがコンサルタントとしてご転職され、様々な国際都市、交通インフラのお仕事をしてきていました。驚いたことに、(驚く必要はありませんね)6年間でしっかりとお力をつけ、その志で、更に、上記のキーワードで、もっと挑戦したいということでした。

私は、感激と同時に、当時、Aさんの希望をかなえるのは無理ではないか?と少し疑念を持った自分を思い出し恥ずかしくなりました。今回は、私もしっかりご支援が出来て、ご希望に叶うところで決定いたしました。

Aさんのように、やりたいことが明確になっている方、そしてそのやりたい理由が自分の存在意義として、強く思っている場合、必ず叶うのだと今は心から思います。そして、これから先は更に可能性も広がるでしょう。

これはAさんだけのことではないと思います。今のお仕事をなぜ選び、どういう心でその仕事に向かい合って努力してきたのか?もしくはこれからどんな姿勢や価値観でお仕事に改めて向かうかを考えてみてほしいのです。

これらは必ず30代以降の仕事人生を変えていきますし、40代、50代で第一線でご活躍されている方々はご自分なりに言葉をお持ちでそれがご経験に現れてくるものだと思います。

(2015年1月20日)

今回の教訓&アドバイス

自分の仕事観、なぜ、この仕事をしているのか?を考えておく

自分の思い込みは自分だけのフィルターであることを知っておく

仕事で「何をするのか」よりも「どうやるのか?」が大事

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
岡田 麗
消費財・サービス業、コンサルティング業界、人組織系の業界。職種は主に事業企画、経営企画、マーケティング等に加えコンサルタント出身の方のネクストキャリア(事業会社)のポジションについてご支援しています。
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