キャリアアップコラム vol.115
ポストコンサルの面接でスキル以外の大事なポイント

コンサルファームから事業会社に転職したいという方は沢山いらっしゃいます。実際に転職活動を始めてみると、多数の会社からオファーを獲得される方もいらっしゃれば、なかなか思うような結果が得られない方もいらっしゃいます。今回は面接官のインタビュー内容も交えてお話したいと思います。

コンサルタントは若くして経営戦略、事業戦略策定等の仕事に携わり、クライアントの経営陣から高い要求を突きつけられ、社内では優秀な先輩コンサルタントから手厳しい指摘を受けながら鍛えられていきます。しかも超ハードワーク。
元々ポテンシャルの高い方々がこのような環境で鍛えられる為、コンサルファームでの経験は事業会社の何倍ものスピードで成長できるというような話を聞くこともあり、コンサルファーム出身の優秀な方々を積極的に採用している会社も数多くあります。
ただ、日本にコンサルティングが根付いてから長い年月が経ち、コンサル会社もコンサルタントの数もかなり増えているので、企業側の採用の基準も少しずつ厳しくなってきていると感じます。

先日、コンサルタントを積極採用している事業会社の面接官に、面接時にどのような基準で判断をしているのかを聞いてきましたのでご紹介させて頂きます。
その面接官は、まずコンサルの仕事と事業会社の仕事の違いをよく理解しているか、その上で自社のカルチャーにフィットしているかどうかを見ているということでした。事業会社では戦略を立てるだけではなく、関係者を巻き込んで人を動かせないと仕事をうまく進めることはできません。
従って、上から目線の人であったり、評論家タイプで行動が伴わない人だと業務をスムーズに遂行するのが難しいとのことです。
また、コンサルタントは経営層と仕事をされてきた方も多いですが、入社時点ではいちスタッフとして入って頂くことも多いので、素直で、謙虚で、柔軟な人が望ましく、また愛嬌があって憎めないキャラクターの方なども好まれます。
一方、考え方が凝り固まっていたり、プライドが邪魔してしまうようなところが見えてしまうと、例え優秀であっても、正直なところ自分のチームメンバーにするには扱いづらいと思ってしまうことも多いとお話されていました。

また、コンサルタントの方でよくいらっしゃるのが、話を聞きにきましたというスタンスで面接に臨まれる方です。
事業会社では当事者意識をしっかり持って、様々な困難にぶつかっても自分の力で乗り越えてもらう必要があるので、どれだけ事業やサービスに興味を持っているか、うちで何がやりたいのか、どのような志を持っているのか、その本気度合いみたいなものが伝わってこないと厳しい判断をすることが多いとのことです。やはり仕事を本気で楽しめなければ長続きもしなければ、成功もしないとの考えによるものです。

お話を通して感じた事は、コンサル経験があるという時点である程度能力面は担保されていて、それ以上に人柄やマインド面といった部分をとても重要視しているということです。
京セラ創業者の稲盛氏の有名な言葉に「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というものがあります。コンサルタントの面接では、特にこの中の「考え方×熱意」の部分を非常に大事にされているようです。経験やスキルが求められているものとマッチしていないのであれば諦めもつきますが、そうでないのであれば、事前準備や心構え一つでだいぶ変えられる部分もあるかと思います。
とはいっても、一朝一夕に変えられるものでもないので、いずれ事業会社で働く事を希望されている方は、今から少しずつ意識しておくと良いかもしれません。

(2013年2月15日)

今回の教訓&アドバイス

コンサルと事業会社の仕事の違いをきちんと理解する。

コンサルタントはスキル以外に人柄、マインド面を厳しく見られる。

特に“考え方×熱意”の部分が非常に重要。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
入江 祥之
経営幹部(CXO、マネジメントクラス)、ファンド(PE、VC)、及び、ファンドの投資先ポジション。また、コンサルタント経験者(ポストコンサル)の転職支援を専門としております。
【 CxO専門チーム / ポストコンサルタント専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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