TOPインタビュー   株式会社メルカリ

株式会社メルカリ

公開日:2015.05.29

スマートフォン向けフリマアプリが爆発的な人気を呼び、急成長を続けているメルカリ。2013年7月リリース以来順調に成長し、ダウンロード数は1500万を超えてさらに加速、1日の出品数は数十万品、月間流通額は数十億円と、日本最大のフリマアプリとなっています。そして2014年からはアメリカにも進出し、現地でも事業を軌道に乗せつつあります。今後も大きな可能性を秘めるメルカリのマーケットプレイス事業に、いま大きな注目が集まっています。

株式会社メルカリ 執行役員、ビジネスディベロップメント 掛川紗矢香氏、小野直人氏

Contents

メルカリ求人情報

事業内容

新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る。

工藤

御社が提供しているフリマアプリ「メルカリ」がいま世間で注目を集めていますが、その特徴を教えてください。

掛川

「メルカリ」は、一般の個人のユーザー様同士が商品を売買できるマーケットプレイスです。同様のサービス はすでにいくつか存在していますが、競合が女性やアパレルなどにターゲットを絞っているのに対して、メルカリは男女も年齢も問わず、あらゆる顧客層にアプローチしています。扱う商品も、アパレルだけにとどまらず幅広いラインナップを展開しています。

工藤

ターゲットを敢えて絞らないのは、何か意図があるのでしょうか。

掛川

私たちが掲げるミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」です。スマートフォンを活用し、より多くの方に利用して頂きたいと考えると、ターゲットを絞らず全ての人にとって価値のあるマーケットプレイスでありたいと思っています。メルカリのビジネスは「シェアリングエコノミー」的な考えを持っています。世の中では多くのモノが生産、販売されていますが、せっかく購入した商品を、まだ誰か他の人にとって価値があるのに捨ててしまうなど、資源を無駄にしている行為が世界中で見受けられます。そうした課題を、モノをシェアすることで解決するような、多くの方に利用していただけるプラットフォームを創りたいと考えています。

工藤

描いているビジョンが、そもそも他社とはまったく異なるわけですね?

掛川

「シェアリングエコノミー」というのは、何も目に見える商品だけを扱うものではありません。さまざまなリソースを社会で共有して、利用者が必要な時に利用できる仕組みであり、たとえばヒトの活用なども対象になります。すでに米国でも、そうしたシェアリングエコノミーの思想に基づいたサービスが次々と生まれており、大きな可能性を感じています。私たちも今後、異業種との連携なども積極的に推進しながら、このシェアリングエコノミーという枠の中でメルカリに加えて新たな事業を拡大していきたいと考えています。

工藤

では、現在具体的にどのような事業戦略を展開されているのでしょうか。

掛川

大きく3つのテーマに取り組んでいます。一つ目は、フリマアプリ「メルカリ」のプラットフォーム事業をさらに改善・拡大していくことです。おかげさまで会員数は順調に伸びていますので、今後は既存会員様の満足度を向上させていくことにも、いっそう注力していきたいと考えています。先日リリースした、ヤマト運輸様との提携による新たな出品・配送サービスもその一環です。また、私たちのビジネスはあらゆる顧客層を対象にしていますので、CS(カスタマーサポート)は最重要課題だと捉え、設立当初から内製で運用していますが、そのCSの拡充を図ることも課題の一つと捉えています。二つ目は、グローバル展開です。すでにアメリカに子会社を設立し、2014年9月から現地で米国版の「メルカリ」をローンチしています。米国はマーケットが大きいので、ぜひ獲っていきたいです。日本から出張して米国での事業拡大にあたっている社員も多数います。米国を軌道に乗せた後は、EU圏やアジア、クロスボーダーの取引にも挑戦していきたいと考えています。三つ目は、先ほども触れた通り、シェアリングエコノミーという枠の中でフリマアプリの「メルカリ」に続く新たなプロダクトを生み出していくことです。

工藤

新たなプロダクトやサービスの開発は、社内でどのように行われているのですか。

掛川

プロダクト担当のプロデューサーがそれぞれアイデアを出し合っています。当社のプロデューサーは、技術を理解しながら企画ができる人材が揃っています。まだ小規模の組織なので、役員も交えながら日常的にオフィス内で議論が行われています。

株式会社メルカリ

メルカリの文化

物事の本質を重視する、マチュアな人材が集まる組織。

工藤

メルカリという企業が大切にされていることは何ですか?

掛川

私たちは、自らが掲げるミッションを達成していくためには3つのバリューが必要だと考え、社内に示しています。その3つとは、“Go Bold(大胆にやろう)”,“All for One(全ては成功のために)”,“Be Professional(プロフェッショナルであれ)”です。これらはメルカリのコアな価値基準であり、社員の評価や人材の採用も、このバリューに照らし合わせて行っています。

工藤

設立されてまだ2年ほどですが、御社はどのようなカルチャーを持つ企業だと掛川さんはお感じですか。

掛川

マチュア(成熟した)な会社だと思います。スタートアップのベンチャーというのは、20代の若いメンバーが24時間全力で働いているようなイメージをお持ちかもしれませんが、当社にはそうした気風はありません。社員の平均年齢は30歳前後で、時間外も少ないです。中途採用がほとんどで、参画しているメンバーは自分の専門性を持ちつつ、他の領域にもマルチに関われる人材が多いです。先ほどお話しした3つのバリューのひとつである“Be Professional”を体現できている社員が多いと思います。また、家庭を持っているメンバーも多いので、効率的に仕事をして早く帰るというのが当たり前の風潮で、みなオンとオフの切り換えがうまいと思います。

工藤

働く環境づくりに関して、貴社ならではの取り組みや文化があれば教えてください。

掛川

社員が楽しく気持ちよく働けるような環境づくりには力を入れており、そこにも当社ならではのカルチャーが表れていると思います。たとえば、当社にはいわゆる「会議」というものがほとんどありません。メンバー同士がオフィス内でコミュニケーションを密に取っているので、わざわざかしこまって会議する必要がないからです。先日、六本木ヒルズに本社を移転しましたが、常にコミュニケーションが取れるような配慮をしたオフィス空間に仕立てています。 また、毎週定例で全社ミーティングを実施し、経営に関する数字などもそこで全員にシェアしています。さらに、年に1、2回は全社で合宿を行い、日常の業務から離れて色々なテーマで議論し、経営にプレゼンして事業に反映させていくという場も設けています。評価についても、年に4回評価面談を実施し、結果の振り返りと今後の目標を定めるとともに、あわせて360度評価も行っています。当社の規模としては、体制はしっかりしていると思います。

工藤

話をおうかがいしていると、社内でのコミュニケーションをたいへん重視しているようですね。

掛川

当社の役員は、会社の規模が拡大すればするほど、社内でコミュニケーションがとりにくくなることでもたらされる弊害を理解しています。そうした大企業病を避けたいという経営陣の意思が、コミュニケーションを大切にするカルチャーにつながっています。本当に働きやすい環境を整えているので、キャリアアップしたい方には格好のフィールドだと思います。

工藤

掛川さんご自身は、御社でキャリアを積む魅力をどう捉えていらっしゃいますか。

掛川

私は、まだメルカリが社員10人にも満たない頃に参画し、米国での事業立ち上げなどにも携わりました。企業のダイナミックな成長過程に当事者として関与していくのはなかなか経験できないことだと思いますし、それがメルカリに身を置く最大の醍醐味です。基盤を作る、整える、という部分に目処がつき、今後は会社が大きくなる過程で、GoBoldに新しい風を吹かせられるか、というステージに移行していきます。新しいことにチャレンジしていくことにワクワクしています。

株式会社メルカリ

今後の展開・求める人材

ともに新しい歴史を創り出すような仕事を。

工藤

小野さんはビジネスディベロップメントを担う立場とのことですが、特にこの領域で新たな人材を求めているとうかがっています。小野さんの現在のミッションを教えていただけますか。

小野

ビジネスディベロップメントは文字通り、メルカリの事業拡大のための、さまざまな施策を企画実行していくポジションです。既存事業に関して言えば、いま展開しているプラットフォームの機能向上やプロダクトラインの拡張を図っていくことがミッションであり、また新規事業についてもさまざまな切り口を模索しているところです。メルカリというプロダクトは、社内の優秀なプロデューサー、エンジニアによって日々ブラッシュアップされています。一方で、私が担っているのは、社外のパートナーとのコラボレーションによる新しい機能や事業の創出です。メルカリのビジネスにとって価値のあるリソースを有した外部企業とのアライアンスを推進したり、将来的にはM&Aも果敢に仕掛けていきたいと考えています。

工藤

そうした外部とのコラボレーションにおいて、最近ではどのような実績を上げていらっしゃるのでしょうか。

小野

2015年の春にヤマト運輸様と提携し、利用者の方々がより容易に出品・配送できる「らくらくメルカリ便」というサービスをリリースしました。また、支払い方法にC2Cアプリで初めて携帯キャリア決済を導入しました。いずれについても、社内の各ファンクションと横断的に関わってプロジェクトを進めていきました。

工藤

小野さん自身はいま、仕事にどのようなやりがいを感じていらっしゃいますか。

小野

私は過去、国内と海外の大手企業でビジネスを経験し、メルカリに参画したのですが、前職と比べると自由度がきわめて高いです。大きな要因の一つに社内のコミュニケーションコストの低さが挙げられると思います。また、良い意味で「自己責任」が徹底され、個人の裁量が非常に大きいので、とても働きやすいです。私たちが取り組んでいるのは、経済の仕組みそのものを変えていこうとする壮大なチャレンジです。それを自分のスキルとナレッジで実現できる感覚があります。トラクションがかかっていて、空走感が無いんです。これは本当に素晴らしい事だと思っています。

工藤

持てる能力を存分に発揮して、世の中を変えるような仕事ができる機会があるということですね。では、ここで活躍するために必要なスキルは何だとお考えですか。

小野

ミクロとマクロの両方のスキルを持っている方が望ましいです。まだまだスタートアップなので、泥臭い仕事も多くあります。フィジビリティスタディのための細かな数値の分析や、外部との協業においては相手先企業の現場との折衝も必要になります。これらの実務遂行能力を備え、泥臭い仕事を厭わず楽しめることも、ここで活躍するには重要な資質だと思います。一方で、ビジネス全体を俯瞰し動かしていくための大局観も求められます。特にいま私が携わっている外部との提携案件は、当社と相手先企業との「回転数」が異なることがあります。その差を吸収し、関係者を説得しながら案件を前に進めていくことができる方を期待しています。置かれた環境に満足せずにさらなるキャリアアップを図りたいという意欲のある方を、歓迎したいと思っています。

工藤

では最後に、候補者の方々へ向けてのメッセージをお願いします。

小野

私たちが手がけるビジネスが、世の中に新しい流れを作り出そうとしているのは間違いありません。PC上でのオークションビジネスなどのモデルは古くから存在していますが、スマートフォンの普及に伴い「個」により紐付いたCtoCの商流が生まれてきているのです。インターネットが秘める力を真に開放できるサービスが「メルカリ」であり、この大きな力を使って社会を変えていくことも、けっして絵空事ではないと思っています。私もそれを感じとったからこそ、メルカリに参画しました。今ますますその可能性を強く感じています。メルカリに参画するには今が絶好のタイミングだと思います。私たちが掲げるミッションやバリューに共感していただける方と、ぜひ一緒に新しい歴史を創っていきたいです。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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