面接官の本音 vol.70   株式会社ディンプレックス・ジャパン

株式会社ディンプレックス・ジャパン

公開日:2013.10.01

ディンプレックス・ジャパンはアイルランドに本社を置く世界的な暖房器具メーカーの日本法人である。エアコンのような強い風を起こさず、輻射熱を使ってポカポカした心地よい温かさをもたらすのがディンプレックス製品の特徴で、温水暖房システムや電気パネル暖房器、割安な深夜電力でレンガに熱を蓄え日中に放熱する蓄熱式暖房器がラインナップに並ぶ。寒冷地域の多いヨーロッパの豊かな暖房文化を日本に持ち込み、豊かな住環境の提案を行っている同社が必要とする人材像について新改敬英部長に話をうかがった。

株式会社ディンプレックス・ジャパン 経営企画部 部長 新改敬英氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 奈良 元生

変化に適応する柔軟性とプラスのエネルギーを重視

Q

御社で求めている人材はどんな人でしょうか?

新改

まず、柔軟性の有無を重視しています。現在のように突然不況に陥ったら、攻撃型から守備型へ素早く体制を転換する機動性が会社には必要です。当社自体も過去、住宅設備の専門商社としてスタートしましたが、途中でグレン・ディンプレックス・グループの資本参加を受けて外資系メーカーの日本法人になるという大きな変化がありました。
 このように会社がさまざまな環境変化に直面し、対応を迫られているときに社員だけ何も変わらなくていいというわけにはいきません。強い生物ではなく変化に適応できる生物が生き残る、というダーウィンの説は会社にも当てはまると思います。

Q

転職者が新しい会社で活躍するためにも、柔軟性は欠かせませんね。

新改

中には「前の会社では……」、「普通は……」とおっしゃる転職者の方がいらっしゃいます。お気持ちはわかるのですが、会社にはそれぞれ異なる文化があります。もちろん前職で培った経験を存分に活かして活躍していただきたいのですが、そのためには同時に新しい会社の文化に適応する柔軟性も兼ね備えていないとご活躍は難しいと思います。

Q

柔軟性の他にはどんな要素を重視されていますか?

新改

プラスのエネルギーを持っているかどうかが大切です。たとえば体験談を話してもらったとき、まるでテレビの再現VTRを見せられているかのような感覚をおぼえる候補者がいます。当事者としてイキイキと、自分の言葉で話されるからそうなるんですね。こういう人に出会うと「ディンプレックス・ジャパンでも何かやってくれそうだ!」と感じます。逆に借り物の言葉を使い、悪い意味で評論家的な話し方をする人にはそれを感じません。

Q

前向きなエネルギーを発しているかが重要、ということですね。

新改

結局、会社は人の集まりですから、前向きなエネルギーが蓄積されていくと雰囲気も良くなると思うんですよ。柔軟性とプラスのエネルギーの有無。私が候補者を見るときのポイントはこの二点です。スキルは職務経歴書を見ればわかりますし、現場の人間も面接しますので。

突然の質問に的確な切り返しができるか?

Q

面接の際に必ず行う質問はありますか?

新改

特定の質問はありません。話を転がしながら柔軟性とプラスのエネルギーについて判断する材料を引き出していくようにしています。これら二つのポイントを重視するのは、候補者と我々の価値観が合うかどうかを判断する材料になるからです。当社は自由な社風で、年齢が若くても自分から手を挙げて結果を出した者にはチャンスを与える柔軟性やプラスの志向性が強いんです。実際に私自身、まだ三五歳で社歴も浅いのですが、大変重要な役割を担当させてもらっています。

Q

柔軟性やプラスのエネルギーは面接のなかでどう判断されていくんですか?

新改

たとえば「英語が得意です」と言った方がいたのでその瞬間、会話を英語に切り替えて質問を行ったことがあります。「本当かなぁ?」と思って(笑)。質問した内容は自分の強みと弱み、そして将来の希望についてでした。そのときに確認しようと思ったのは別に英語の上手さでも返答の水準の高さでもなく、質問に対して一生懸命英語で話し、かつ論理的に答えられるかという点です。果たして、この方は質問した項目に対し英語で一つひとつ的確に答えてくれました。もちろん採用となり、この方は現在、当社の要職を務めています。

Q

最後に、御社への入社を希望する方にメッセージをお願いします。

新改

まずお伝えしたいのは「青い鳥はどこにもいません」ということ。転職を現状の不満を解消する手段にしようとする人をたくさん見かけますが、どうせ転職しても不満は必ず出てくるんです。今、自分のいる立場でベストを尽くせるかどうかを他責ではなく自責で考えて、それでもダメだという場合にはじめて考える選択肢が転職です。  その上で、面接に臨む前に自分の強みと弱みをきちんと整理し、レジュメをできるだけ具体的に細かく記述してほしいですね。その人の強みや経験が現在の当社にない、あるいは今いる社員と比べ圧倒的に優れていることをアピールしてくれないと、我々もそれに気付けません。面接でもレジュメでも、もっと自分を表現してほしい。我々が理解できるよう自分を表現していただければ、採用の確率は自ずと上がると思います。

インタビュアー / コンサルタント 奈良 元生

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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