面接官の本音 vol.163   ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社

公開日:2024.05.10

紙パンツや生理用品など、生活者の心と体をサポートする日用品の大手メーカーとしてグローバルに事業を展開するユニ・チャーム。2030年までに世界一の企業になるという目標を掲げ、その達成に向けて2023年7月に社内で立ち上がったのがMDX本部だ。社長直轄のこのMDX本部では、従来の事業の枠を超え、DXを駆使して顧客のライフタイムバリューを最大化する新事業の創造に挑んでいる。新たな人材も積極的に採用しており、同本部を率いる今川氏にその実情をうかがった。

ユニ・チャーム株式会社 理事 共同CDXO(Chief DX Officer)
兼 グローバルフェミニンケアマーケティング本部長代理 兼MDX本部長代理
今川 高博氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 半藤 剛

生活者の「不」を解消するべく、カオスな状況を自ら切り拓ける人材を。

Q

今川さんが面接時に重視されていることをお聞かせください。

今川

我々ユニ・チャームが企業のミッションとして掲げているのは、「共生社会」の実現です。共生社会というのは、世界中のすべての人が自立し、互いに慈しみ合って助け合い、誰ひとり取り残されることなく自分らしい人生を送れる社会のこと。MDX本部は、まさにその共生社会をDXによって実現するために生まれた組織です。
人材の採用においては、DXのケイパビリティを期待していますが、同様に重視しているのは、我々が目指す「共生社会」に共鳴し、生活者が抱える「不」を解消して社会をより良く変えたいという情熱です。我々が挑んでいるのは未知の領域であり、その中核となる情熱がなければ、業務を遂行するのは難しいように思います。
さらに、MDX本部はまだ新しく、組織のカルチャーも確立されておらずカオスな状態にあります。言い換えれば、柔軟で多才な人材を求めています。単なる企画や自分の得意分野のデータ分析だけにこだわらず、カオスな状況の中で、自ら手を動かして新たなプロダクトやサービスを一貫して創り上げていく、そこに面白味を感じられるかどうかも重視しています。

Q

「ミッションへの共感」と「すべて自らリードするマインド」の2点を重視されているとのことですが、面接の場でどのように見極めていらっしゃるのでしょうか。

今川

一次面接では、候補者の方々と私がほぼフリートークの形式でコミュニケーションをとり、MDX本部が目指していることもしっかりお伝えしています。私は生理用品の“ソフィ”のブランドマネージャーを長く務め、マーケティングに関しては専門家であると自負しています。デプスインタビューによるユーザーリサーチの経験も豊富なので、こちらからもいろいろと質問させていただき、その対話のなかで洞察している感じです(笑)。
とはいえ、こちらが選考しているという感覚はまったくなくて、面接はお互いを理解しあう場だという意識で臨んでいます。私自身、DXに関してはまだまだ未熟であるため、候補者の方がこれまで取り組まれてきたことをおうかがいすると、「なるほど、こういう問題解決手法もあるのか」と勉強させてもらうこともたびたびあります。ときには、会話が盛り上がってMDX本部の戦略についての議論になることもあり、候補者の方から「それは本当に正しいのか」と指摘いただくこともあります。そうした忌憚のない意見をぶつけてくださるような人にお会いすると、テンションが上がりますね(笑)。

ユニ・チャーム株式会社

なぜユニ・チャームでDXを担いたいのか、その人なりの答えが聞きたい。

Q

逆に、今川さんがMDX本部になじまないと思われるのは、どんな人材でしょうか。

今川

他責思考に陥りがちな人でしょうか。MDX本部は、私が指示を下ろして動いてもらうのではなく、メンバーがそれぞれ関心のある課題を設定し、それを解決するための手法を自分で考えて実行していくスタイルなので、他責思考では通用しない。自らの意思で、自らの責任のもとで物事を成し遂げられる人でなければ、MDX本部では活躍できないと考えています。面接でのコミュニケーションにおいても、候補者の方にこれまでの実績をおうかがいした時、「手触り感」がないケースがあるんですね。やはり主体的に関わっていないと「手触り感」は生まれないので、面接の中でそれを感じられない方は、MDX本部には合わないんじゃないかと判断しています。

あとは、DXを担うことでその方が何を求めているのか、ということですね。たとえば、プロダクトやサービスを次々と世の中に送り出すことだけを志向されている方や、あるいは最新のテクノロジーに絶えず触れていたい、という方はきっとユニ・チャームのMDX本部にはなじまない。たぶんスタートアップに身を置くほうが、求めるキャリアは手に入ると思います。MDX本部で堪能できるのは、アウトプットではなくアウトカム、すなわち、プロダクトやサービスをただ世の中に出すことではなく、そのプロダクトやサービスによって世の中を変えていくことです。「この課題を解決して社会にインパクトを与えたい」と自らが掲げることを、1から10、そして10から100とずっと関わって実現していく。それがMDX本部で得られる醍醐味だと私は思っています。

Q

MDX本部にとって、『志ある人材』とはどのような方でしょうか。

今川

やはり社会の「不」に向き合って、それを何とか解決したいという想いにあふれる方ですね。そもそも、組織の名称であるMDXというのはMarketing by DXの略であり、DXは手段に過ぎない。いま当本部で特に注力しているのは、女性が生活する中で抱える「不」を解消していくことです。そこに実感値をもって社会のために取り組みたいと強く志す方に、ぜひ参加していただければと思っています。
そしてユニ・チャームは、本当に社会にインパクトを与えられる力を持つ企業です。メーカーとして当社が築き上げてきた資産は、とてつもなく大きい。女性の「不」の解消にあたっても、生理用品の“ソフィ”という強力なブランドを持っているからこそ、社会に対して影響力を発揮できる。ただ、これはメーカーでDXを担うことの難しさでもあるのですが、新しい事業を創る時はMDX本部内だけで完結することはなく、社内のさまざまな部門と協業しなければならない。また、強力なブランドを抱えているからこそ、変な事業を起こしてブランドイメージを毀損するようなことがあってはならない。ユニ・チャームは挑戦と変革を応援してくれる企業文化ですが、それでも、やりたいことを実現する上で障壁を乗り越えなければならない場面もあり、それを突破する原動力となるのもやはり「志」だと思います。

Q

最後に、MDX本部を志望される候補者の方に向けてメッセージをお願いします。

今川

先ほども申し上げましたが、MDX本部はまだ立ち上がったばかりであり、これから組織を作っていく段階です。今回採用させていただくのは、まさにスターティングメンバーとなる方であり、いま参画すれば自分のやりたいことに挑戦でき、自らの手でカルチャーを築いていくことができます。また、MDX本部は社長直轄で「必ずやり切るように」と命を受けているので、やりたいことを上げればきちんと投資してくれる。自分の手で社会をより良く変えていきたいと願う人にとっては、絶好のチャンスだと思いますので、志のある方にぜひ仲間に入っていただきたいですね。

インタビュアー / コンサルタント 半藤 剛

構成: 山下和彦

撮影: 波多野匠

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

担当コンサルタントから

コンサルタント 半藤 剛

ユニ・チャームが掲げる企業のミッションは「共生社会」の実現。この共生社会をDXによって実現するために立ち上げたのが、社長直轄のMDX本部です。MDXはMarketing by DXの略ですが、Mutation by DXという思いも込めていると伺いました。インタビューを通して、DXによって組織自体の変化・成長を実現したいという経営の本気度、そして生活者が抱える「不」を解消して社会をより良く変えたいという情熱をとても強く感じました。MDX本部は組織のカルチャーも含め、まさにこれから作り上げていくフェーズです。自ら社会の「不」を解決したい、社会をより良く変えていきたいという志をお持ちの方には、とても魅力的な組織・ポジションだと思います。
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