面接官の本音 vol.54   株式会社アクセル

株式会社アクセル

公開日:2012.09.20

株式会社アクセル シニアマネージャー 石原明美氏

Contents

Q

面接で重視されるポイントをおしえていただけますか?

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若手社員の場合は、聞く姿勢、話す姿勢、表現力を通じて、相手との信頼関係を作れるかどうかの知力や素養を見ています。学生時代から転職を考えるに至るまでの、意思決定の基準や志望動機などを参考にしながら、面接仕様ではなく、あくまでもご本人の思考力や表現力を見ているのです。

転職を決心するのは、必ずしもポジティブな理由だけではないでしょう。でもしっかりと考えたことを、「自分の言葉」で話していれば、少なくとも面接官である私との間に信頼関係が築けますし、それも重要な判断基準になります。なぜなら初対面でこういったコミュニケーションが取れるということは、顧客企業や取引先をはじめ同僚、先輩、後輩とも信頼関係を築けると推察できるからです。

Q

必ずお聞きする質問はどんな質問ですか?

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面接の冒頭で「今日は弊社を理解していただく場です」とお伝えした上で、弊社の事業やビジョンについて説明します。説明しながら候補者からの質問を受けるスタイルをとっているので、話しやすい雰囲気が自然に作られます。前職での実務経験や転職の理由はもちろんですが、その他に「今までであなたが一番輝いたと思う瞬間は?」といったポジティブ・アプローチのひとつであるAI(Appreciative Inquiry)の手法を取り入れた質問もしています。驚かれる方も多いのですが、その反応や質問の捉え方も回答同様に参考にしています。中には仕事で輝いたときの自分を思い出せない方が、一瞬、暗い顔になってしまったものの、学生時代の話で、途端に生き生きと話されたケースなんかもありました。

私の役割は、自分自身について生き生きと語る言葉や姿から候補者のポテンシャルを引き出し、見極め、次の面接プロセスにつなげることです。候補者のみなさんは面接に臨む前に、ご自身の経験をさまざまな視点で整理しておくと質問の意図することを解釈しやすいと思います。

Q

今までの面接で印象に残っていることはどんなことですか?

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そうですね。HPの内容や弊社に関する資料を独自で集めて、予め質問を考えてくる候補者と面接することがありますが、良い印象として記憶に残ります。事前に弊社のことを学習してその場に臨んでくれたことをとてもうれしく思いますし、それ以上にコンルタントという職種には事前調査は欠かせない姿勢ですから、次の選考プロセスでも期待が持てます。

逆に「転職先はコンサルティング会社に絞っています」という候補者で、コンサルティング業界のことを殆ど知らない方もいました。有名コンサルタントを輩出しているようなコンサルティングファームについての話に及んだときに、「そこは知りません」と言われたこともありました。勉強不足ではすまないですよね(笑)。少なくとも転職先の業界についての基本的な知識をインプットしてから面接に臨むのは最低限のマナーだと思います。

Q

御社が求める人物像を教えてください。

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まずは弊社の事業の根幹である「知的資本経営」に共鳴し、顧客に価値提供し続けていく意欲を持っていることが求める人物像のベースとなります。その上で、若手社員に求めるのは、チームワーク、問題解決力、そしてそれを支えるコミュニケーション力です。

まず第一に、チームでの成果の最大化に向けて、自分の貢献できる領域を意識して仕事を進める方。仕事はプロジェクト単位で行いますので、欠かせない要素です。第二に、顧客企業の断片的な情報を構造化し、洞察力や創造力を駆使しながら問題提起と仮説構築する素養を持っている方。これはコンサルタントとしては必須です。そして最後にそれらを支えるコミュニケーション力です。

冒頭でも申しましたが、「聞く、話す、まとめる」ことをそのときどきの状況に合わせてできることは、経験が伴っていけば、相手の懐に入り込むための武器になります。特に弊社のコンサルタントは顧客企業の経営層と仕事をさせていただきますので、選考の際には重要視します。

Q

転職者へのアドバイスをお願いします。

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弊社と同じような、成長ステージにある企業への転職を志望している方が増えているとよく聞きます。職種よりも会社の規模やステージで、「活躍の場を探したい」というタイプですね。大企業の組織では味わえない仕事の幅広さがあり、同時にいくつもの役割が求められますから、活躍の場が増える環境に身を置くことになります。いわば自分自身への挑戦ですよね。

一方で、入社してから大企業では当たり前のことが仕組み化、組織知化されていないことに気づき、愕然することもあるかもしれません。それをも挑戦の機会と捉え、会社づくりへの参画を楽しむことがうまくいくコツかもしれません。まずはご自身の適性や志向を、職種のほかに何で活躍できるタイプなのかを確認することが転職を成功させる鍵だと思います。

インタビュアー / クライス&カンパニー

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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