面接官の本音 vol.67   株式会社ドワンゴ

株式会社ドワンゴ

公開日:2012.11.15

ドワンゴは着メロ・着うた・デコメ・大相撲サイト等のモバイルコンテンツの配信やニコニコ動画の運営、また子会社ではゲーム事業も行うネットワーク・エンタテインメント・カンパニーである。インターネットが普及する以前にパソコン通信を通じて知り合った仲間で設立された同社は高度な技術力と発想力、そして徹底したこだわりで独自性の高いサービスを開発し、ユーザーの高い支持を集めている。ニコニコ動画の人気の高まりと並行して入社志望者も増加の一途。ただし、自社サービスのファンが必ずしも求める人材とは限らない難しさがあるという。

株式会社ドワンゴ 業務本部 人事部 人事セクション 人事グループリーダー 清水章人氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 入江 祥之

求む、「思考停止しない、予知する、やり遂げる」人材

Q

ユニークなサービスを提供している御社で求める人材はどのような人でしょうか。

清水

社内で「ドワンゴ社員に必要なもの」としている三つの要素があります。一つ目は「思考停止しない」。物事には終わりがないので、常に疑問点を追求し、結果に対して妥協せず常に考え続けるという意味です。二つ目の「予知する」とは何かを生み出したり変革したりする時、「これをやったらこの先どうなるか?」「自分の行動が周囲にどう影響するか?」などを常に予測し、考えること。
三つ目の「やり遂げる」は考えたことを実行すること。いくら良い案を出しても実現できなければ意味がありません。

Q

この三つの能力を兼ね備えた人の集団だからこそ、独自性の高いサービスを生み出せるわけですね。

清水

私たちは他社の追随ではなく、常に全く新しいことに取り組もうとしています。つまり、いつも先例がないことに取り組むので、こうした能力が必要になるのです。客観的に見て、ドワンゴは非常に珍しい会社だと思います。仮に技術を真似できたとしても、ニコニコ動画を真似できる会社はおそらくありませんよね。(真似ようと思う会社もないと思いますが・・・笑)当社のサービスは収益の前にまず「面白いかどうか?」が議論されます。それから収益を考えるというスタンスで始まることが多く、新奇性の高いサービスに挑戦する実行力を持つ会社と言えるでしょう。

Q

ニコニコ動画の人気もあって、御社を志望する転職希望者が増えていると聞きます。

清水

おかげさまでニコニコ動画の登録者数は1100万人超となったこともあり、ニコニコユーザーがたくさん受けに来てくれます。しかし、当社の求める人材と必ずしも一致するとは限りません。

Q

「この会社のサービスが好き」であることは大事でも、それだけでは採用するのに不十分、というケースが多いのですね。

清水

もし当社への入社を希望していただけるのであれば、当社の風土やビジネスについても理解して欲しいと思います。もともとドワンゴはパソコン通信を通じて知り合った人間が集まってできた会社で、ネットを「人間同士のコミュニケーションの場」と考えています。実際、草創期のネットコミュニティには喜びや悲しみといった人間の感情が溢れていました。しかしインターネットが爆発的に普及し出すと、ネットは巨額のお金が動くビジネスの場へ変貌して無機質なサービスが多くなり、やがてネットバブルが起きました。そんな中でドワンゴはネットを本来の「人間同士のコミュニケーションの場」へと再構築したいと考えており、それがニコニコ動画等のサービスにつながっています。そんな当社の姿勢を知り、共感できるかどうか。そこが非常に大事だと思います。

本音でキャリアパスについて対話する重要性

Q

面接で注目するポイントはどこですか。

清水

基本的に面接では形式ばらず、対話するよう心がけています。注目ポイントはどれだけ仕事を深掘りして取り組んでいたか、ですね。例えばWebサイトの制作者であれば、そのサイトにはどんな目的があり、それを実現するにはどんな工夫をすればよいかを考え抜いてサイト作りをしてきた方は、当社が欲しい人材です。
逆にクライントの指示を忠実に再現してこられた方は、当社のような自社サービスを運営している会社ではなく、制作会社のほうがパフォーマンスを発揮できるでしょう。

Q

常に新しいことに挑戦する御社では、スピードや自発性も重要では?

清水

確かに、社内は全てにおいてスピードが早いですし、どうすれば早くできるかを自分で考え、また上司の指示がなくても動ける自発性も大切です。同時に、当社では会長や副社長自ら現場のプレーヤーにトップダウンで指示する事が多いのも特徴です。それに対して的確な判断と行動ができることも重要な要素ですね。難しいことかもしれませんが、当社ではそういった能力、柔軟性が求められます。

Q

最後に、入社を志望する方たちへアドバイスをお願いします。

清水

全般的に、ご自身のキャリアパスをもっともっと考えた方がいいと思いますよ。一度出した答えでも、「本当に自分が目指すのはこの方向か?」「実はこっちの方向もあるのではないか?」まさに当社が求めるところですが、“深く掘り下げて考える”必要があります。また、面接でドワンゴの求める人材になろうとする人がいますが、当社に合わせた受け答えをする必要は全くありません。当社が第一志望でなく第二、第三志望でも構わないのです。ただし、当社が”どんな”事業を行っていて”どんな”方向に向かっているのか?その中でご自身の”どんな”経験・スキルが“どのように”生かせるのか?そしてドワンゴで”どう”なりたいのか?そんなキャリアパスを具体的にイメージして望んでいただきたい。もちろんまだ入社していませんから、そのイメージが正しいか正しくないかはさておいても、ご自身のキャリアパスについて本音でお話ししていただければ、私たちも「そのイメージなら当社ではありません」、あるいは「それならドワンゴが一番です」と言うことができ、お互い実りのある時間になると思います。

インタビュアー / コンサルタント 入江 祥之

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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