情報通信事業をコアに、昨今急速に進化するテクノロジーを駆使した新たな事業の創造にも注力し、世界規模でいっそう攻勢を強めるソフトバンク。新規事業開発領域で人材採用を推進する神田氏にお話をうかがった。
ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 組織人事統括部 組織人事4部 部長 神田直記氏
【インタビュアー】コンサルタント 棚澤 啓介
面接の場で必ずされる質問はございますか。
キャリア人材の採用ですので、まずは候補者の方のこれまでの経歴についておうかがいしています。その際、私が意識しているのは“SBO”です。Sは“Situation”Bは“Behavior”Oは“Outcome”のことです。すなわち、具体的にどのような状況でどのような行動を取り、どのような成果を上げたのかを一連の流れで確認させていただいています。たとえば何か大きなプロジェクトを成し遂げた経歴をお持ちだとしても、自ら手を挙げて参画したのか、たまたまアサインされたのか、さらには、そこでご自身がどのような役割を務めたのか、結果に至るプロセスもしっかり把握させていただきたいと考えています。
そうした話をうかがいながら、ソフトバンクにふさわしい人材かどうかを判断されているかと思いますが、神田さんが「ぜひ採用したい」と思われる方に共通項はございますか。
我々が仕事を進めていく上で大切にしているのが「努力って、楽しい」というソフトバンクバリューです。なかでも行動指針として特に重視するのが「NO.1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」の5つのバリュー。弊社を取り巻く経営環境は激しく変化しており、その中で勝ち抜いていくためにはこの5つを実践することが不可欠であり、私たちが是非採用したいと思う方に共通していることは、こうした資質を持っていて、これまでに様々なビジネスに自ら挑戦し実績を残してきていることです。
ここ1年ほど振り返っていただいて、ソフトバンクに応募されてくる方に何か傾向はございますか。
私はいま新規事業を立ち上げる部門の組織人事を主に担当していますが、なかでもここのところ「フィンテック」「サイバーセキュリティ」「パブリッククラウド」の3つの新規事業領域での人材採用に力を入れています。最近は、こうした領域に通じ、ぜひ自らの手で事業を起こしてみたいというコンサルティング業界出身の方がエントリーされてくるケースが増えています。こちらとしてもコンサルタントの立場でいろんなプロジェクトに関わった経験は魅力的ですし、コンサルタントの方のなかにも、事業会社に身を置いて自分が立ち上げたプロジェクトを最後まで見極めたいという方が結構いらっしゃるようです。その点、ソフトバンクであれば、様々な事業の企画や事業推進、事業運営に関わることができますし、新しい事業へチャレンジする機会もありますから、そうした志向をお持ちの方に向いていると思います。
キャリア入社後、神田さんの期待値を超えて活躍されている社員の方はいらっしゃいますか。
一例を挙げると、ソフトバンクは先日、フィンテックの領域でみずほ銀行とスコア・レンディングを手がけるジョイントベンチャーを新たに立ち上げました。弊社はこれまで情報通信をコアビジネスにして成長を遂げてきましたので、ITに精通した社員は多数抱えていますが、こうしたフィンテックなどの新領域に知見を持つ人材はまだほとんどいないのが現状。そこで即戦力として金融業界出身の若手を採用したところ、入社後すぐこのジョイントベンチャーに出向し、現在コアメンバーとして事業をリードする活躍を見せています。また、既存の業界の常識や枠組みを超えて、ソフトバンクならいままでにないビジネスを実現できるのではないかという思いを抱いて異業種から転職されてこられる方も多く、そうした志をこちらも大いに歓迎します。
面接の際、候補者の方々に事前に準備しておいてほしいことはございますか。
我々が掲げる経営理念は「情報革命で人々を幸せに」であり、それを実現するために現在の基盤である情報通信だけではなく、他にもさまざまな事業に取り組んでいます。今後注力していくビジネスのキーワードは「AI」「IoT」「ビッグデータ」「ロボット」「フィンテック」「サイバーセキュリティ」などであり、こうしたテーマを扱ってソフトバンクで何を実現したいのか いままでのキャリアを活かして具体的にどのような価値を提供していただけるのか、それを考えて面接に臨んでいただきたいですね。たまに残念なケースとして、ソフトバンクが手がける新規事業で経験を積むことで自分を成長させたいという方がいらっしゃいますが、それは我々が期待していることではありません。
では最後に、候補者の方々へメッセージをお願いします。
我々を取り巻く環境は激しく変化しており、そのスピードについてきてくれる高い志を持った方を求めています。自ら挑戦し、自ら果敢に行動できる方なら、ソフトバンクにはいくらでもやりたいことを実現できる機会があります。社内公募制度であるジョブポスティングやフリーエージェント、さらに新規事業提案制度であるソフトバンクイノベンチャーなど意欲ある社員を支援する環境も整っており、こうした制度も活用してぜひソフトバンクで大いなるチャレンジを重ねていただきたいですね。
インタビュアー / コンサルタント 棚澤 啓介
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。
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