転職することを勧めるのではなく、転職活動のすすめ
総務省統計局の統計データによると、2017年の転職者数は311万人。これを総就業者数6,522万人で割った転職率は4.8%。日本で就業している人の100人に5人弱が転職したことになりますが、個人的にはこの数字を見て意外に少ないと感じました。
技術革新の進展や新たなビジネスモデルの誕生に伴い、人材の流動化が進むことは自然な流れだと思いますし、停滞は国力にも影響が出るのではないかと心配になります。勿論、転職をしてハッピーにならなければ意味がありませんので、とにかく転職をすればいいとは全く思っておりません。
ただ、今のように先が見えにくい世の中にあって、このままでいいのだろうかと思い悩み、転職に関心を持つものの、なかなか行動に移せない方が沢山いらっしゃるのではないかという気がしてなりません。
誤解のないように申し上げておきますが、ここでお伝えしたいことは、あくまでも「転職活動のすすめ」であって、「転職のすすめ」ではないということです。何故転職活動を勧めるかというと、より良いキャリアをつくる上で得られることが多々あると考えるからです。
転職活動で得られること
それでは、転職活動を通じて、どんないいことがあるか考えてみたいと思います。
先ずは職務経歴書の作成。やってきたこと(事実)を事細かに書き出し、最終的にはA4サイズで2~3ページにまとめて頂きます。この作業だけでも、過去の仕事を振り返る機会となり、色々な気付きを得られるでしょう。
次は、私たちキャリアコンサルタントとの面談です。求人動向や個別の企業情報・求人情報を得るということに加え、キャリアコンサルタントからの様々な質問や投げかけに応じることで、新たな発見に出会うことがあります。弊社では、毎月コミュニケーションのプロによるコミュニケーショントレーニングを受けております。そのトレーニングで身につけたスキルを使って、候補者から大事なものを引き出すよう心掛けています。一例として、人が自らのキャリアを選択する際に捨てることのできない最も大切な価値観や欲求(キャリアアンカーと言います)を引き出し、それに照らして転職先を検討して頂きます。
また、担当業務や達成事項にフォーカスした質問にお答え頂くことで、それがどの程度アピールできるものなのかを明らかにしたり、表現の仕方についてアドバイスをさせていただくこともあります。場合によっては、現職でもっと成果を出してから動くことをお勧めすることもあります。
そして3つ目は企業への応募です。ここからが本格的な転職活動と言えます。実際に企業に応募することで、果たして他社で通用するのかどうかを感じることになります。自信を深めることもあれば、その逆もあります。たとえ後者であったとしても、それに気づいたということを前向きに受け止め、その日から仕事への向き合い方を変えれば良いのです。
実際の面接における事例
普段から自分の仕事を客観視し、数字の裏付けを持ち、論理的に説明出来るようにしておかなかったからです。目の前の仕事を、ただがむしゃらにやってきてなんとかなったAさんは目からうろこが落ち、今日から仕事との向き合い方を変えると宣言し別れました。
このままでいいのか悩んでいる方、まずは一歩踏み出してみませんか?
今回の教訓&アドバイス
転職活動で必ず得るものがある
まずは動いてみることが大事
日々の仕事における意識を見つめ直す

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