当社では企業との面接予定の方の中から希望される方には、面接トレーニングプログラム(通称:面接道場!)を行っています。 ここでは、実際の面接を想定して、10分ほどのやりとりをしてもらい、その後、コミュニケーションという観点からフィードバックをさせていただきます。
今回は出現率の高いフィードバックポイントをいくつかご紹介します。
(1)面接官の質問をちゃんと聞けていない。
面接なので面接官の質問をきいて答える。これ、あたりまえですよね。でもこれがちゃんとできている人はなかなか少ないのです。
たとえば、「大学の就職活動のあたりから現在に至るまでを簡単にポイントだけお話頂けますか?」という質問に対して、いきなり仕事内容から話だして、就職活動の話がなかったり。最初の質問にも関わらず延々と10分くらい話したり。
この質問には、1.就職活動でどんなことを考えて1社目を選んで、2.どんなことをしてきたのか 3.簡単に、ポイントだけ と3つの押さえるべきポイントがあるのですが、たいがいの人は、「あ、職務経歴を話せばいいんだ」と反応して準備してきたものをそのままお話になります。ちゃんと質問を聞けていないですよね。面接官の質問に集中しているのではなく、自分に集中してしまっているのですね。
(2)話が長すぎる。
自分の仕事や成果を分かってもらおうとかなり丁寧にいろんな情報をお話になる方もいます。仕事を理解してもらうには会社のこと、会社を理解してもらうには業界のことや位置づけなど。(1)にも通じますが面接官の聞きたいことを端的に答えれば、あとは面接官が聞きたければ会社のことや業界のことを聞いてくるものです。かといって端的すぎても不親切。「親切に、でも簡潔に」が大切です。
(3)表情がない。
コミュニケーションは言葉だけではありません。顔の表情を言葉に乗せて伝えていかないと言葉に血が通わず伝わる力は半減します。
わざとらしい作り笑顔は頂けませんが、その時々の感情を表情に出していくことはとても重要なのです。難しい質問をされれば困った顔をすればいいし、相手が表情を緩ませて和やかな空気になればやわらかい表情をすればいい。面接だから背筋を伸ばして真面目で固い顔をしなければいけないということは一切ないのです。とはいえビジネスフォーマルな場面なのでしっかり礼儀をわきまえた佇まいは必要ですが。
(4)言ってることがわからない。
現象として話が長くなるのですが、質問に対する答えにいろんな要素が入っていたり、また曖昧だったりして、要は何をおっしゃりたいのかわからないことが結構あります。先ほどの職務経歴の紹介でも、たとえば10年間で要は何を残したのか、何ができるのか、どういうキャリアなのか、がしっかり自覚できていないとダラダラと抑揚のない話をすることになってしまいます。「何が伝えたいのか」これを常に念頭に置きながら話をすることが大切です。とはいえ、なかなか自分ではまとまりがつかないことがあります。そんなときお勧めなのが、これって「一言で言うとどういうことなんだろう」と考えることです。できれば5 秒~10秒くらいで。これができるとメッセージに核ができてポイントを押さえたコミュニケーションができます。
今回は4つご紹介しましたが、みなさん、お気づきですよね。
この4つのポイントは面接特有のものでもなんでもなく、普段の仕事でのコミュニケーションでも大切なことですよね。
面接はフォーマルな緊張感の高い場面ですが、決して特殊なことが行われるのではなく、お互いが理解を深めるコミュニケーションの場なのです。
(2012年9月10日)
今回の教訓&アドバイス
「何を答えようか」に集中するのではなく、「何を聞かれているのか」に集中する。
伝えたいメッセージを明確にする。~一言で言うと~で整理してみる。
表情は口以上にモノを言う。→2分30秒ルール参照
丸山 貴宏
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