面接官の本音 vol.147   株式会社みんなの銀行

株式会社みんなの銀行

公開日:2022.02.10

銀行らしくない銀行。国内初の「デジタルバンク」がつくる銀行の未来。

従来のネット銀行とは一線を画す「デジタルバンク」として、“すべてのサービスがスマートフォンで完結する銀行”を日本で初めて立ち上げた株式会社みんなの銀行。150年に及ぶ長い歴史とドメスティックな環境で閉ざされてきた銀行の世界に風穴を開けようとする「銀行らしからぬ銀行」である。同社の創業メンバーであり、代表取締役 副頭取を務める永吉健一氏にお話をうかがった。

株式会社みんなの銀行 代表取締役 副頭取 永吉健一氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 丸山 貴宏

デジタル起点・デジタル完結を前提とした銀行をゼロから構築。

Q

まず初めに、貴社の事業について教えてください。

永吉

『みんなの銀行』は2021年5月にサービスの提供を開始した国内初の「デジタルバンク」です。銀行の三大業務(預金、融資、為替)とその裏側にある三大機能(金融仲介、信用創造、決済)に最先端のDXを融合させて、ビジネスを「Re-Design(再デザイン)」し、機能そのものを「Re-Define(再定義)」していくことを目指しています。

個人向け金融サービス(BtoC)事業とBaaS(Banking as a Service)事業を核に、“銀行にしかできないこと”の優位性を最大限に発揮し、銀行とユーザーの双方向でコミュニケーションしながら新たなサービスを共創していく。そういった新しい銀行の在り方をカタチにしています。

Q

従来のネット銀行とデジタルバンクはどう違うのでしょうか?

永吉

ネット銀行とは、誤解を恐れずに端的に申し上げると、リアル銀行のチャネルがインターネットに移ったものだと言えます。店舗を持たずサービスや機能等をオンライン化している一方で、その裏側の仕組み、例えば商品やサービス、システム、業務プロセス、オペレーションなどは店舗を有する銀行と基本的に同じです。

それに対して『みんなの銀行』は店舗を持たないという点ではネット銀行と同じですが、それ以外の銀行としての一切合財を“すべて”、“ゼロから”、“スクラッチで”構築しています。すべてがデジタルで完結することを前提に構築していますので、例えば口座開設の際も、ネット銀行では書類のやり取りなどで、開設までに数日から1週間ほどかかるケースが多いのですが、『みんなの銀行』ではそういった煩雑な手続きも必要なく、スマホひとつあれば最速で8分後には口座が開設でき、バーチャルデビットカード等のサービスも利用できるようになります。

人間が仲介するプロセスを取り払い、デジタルネイティブ世代に親和性の高い「スマホ完結型」のサービスで、ユーザーの声を取り込みながら成長していく。それが、“みんなでつくる『みんなの銀行』”です。

Q

つまり、既存のビジネスをデジタル化するのではなく、デジタルありきでビジネスを構築するということでしょうか?

永吉

そうですね。銀行はすでに顧客との取引履歴など膨大なデータを蓄積していますが、これらを漏れなく、何の支障もなく、新しい基盤に乗せ換えるには膨大な時間と労力がかかります。また、障害が発生して情報が消失したり流出したりというリスクを考えると、移行のハードルは極めて高いのが実情です。

ですから我々は、まだ顧客がいない段階から、デジタルありきでゼロから構築することにしたのです。さらに、最新のテクノロジーに強みを持つエンジニアなども自社で採用し開発を内製化することで、いわゆる「2025年の崖(壁)」の問題もクリアしています。

Q

組織もゼロからつくったということでしょうか?

永吉

設立準備段階では母体である福岡銀行(ふくおかフィナンシャルグループ)からの出向メンバーが大部分を占めていましたが、170名ほどとなった現在では、過半をキャリア採用のメンバーが占めるようになっています。エンジニアを始め、ビジネスストラテジストやマーケター、データサイエンティスト、デザイナーなど全方位的に迎え入れてきました。

金融以外のバックグラウンドを持つメンバーも多く、銀行として守らないといけないことをがっちり守りつつ、新しいカルチャーとの融合を進めてきました。

Q

カルチャーはどのように醸成しているのでしょうか?

永吉

銀行という世界はともすると“お役所的”というか、“お堅い”とか“スピード感が遅い”、“やりたいことができない”というようなネガティブなイメージを持たれることがあります。我々がゼロからすべてを立ち上げてきたのはそういったネガティブな「銀行らしさ」から脱却を図っていくためであり、それを明確にするためのミッション・ビジョン・バリューを掲げています。

例えばその中で「銀行らしさからの脱却」というバリューがあるのですが、この“らしさ”というのが今ご紹介したネガティブなイメージや固定観念、既成概念を指しています。

我々は金融庁からライセンスを得ている銀行業ですので、銀行であることは間違いなのですが、だからといってすべてが“銀行らしく”ある必要はないのでは、という考え方です。ときに非常識と言われるようなことを追い求め、他とは違う何かをカタチにするために「ユニークであること」にもこだわる。そういった価値観にコミットするメンバーによって、銀行らしからぬ独自のカルチャーが醸成されています。

株式会社みんなの銀行

「信用」から「信頼」へ。信じて頼られる方とともにチャレンジしたい。

Q

採用面接において、カルチャーとのフィット感はどのように確認するのですか?

永吉

カルチャーを支える行動指針、“仕事の流儀”とも呼んでいる「INSIGHT」という7つのルールを掲げているのですが、その中から質問を投げかけ、「どう捉えるか?」ということをお聞きします。

<INSIGHT(7つの行動指針)>
Into the Customer 顧客起点・未来志向
-顧客が「次に」欲しいと思うモノを誰よりも先に創ろう。

Nothing is Impossible チャレンジ
-「できない」ではなく、どうしたら「できる」かを考えよう。

Stand United with Compassion チームワーク
-常に「思い遣り」の精神を持とう。

Inclusion & Diversity 一体性と多様性
-みんなちがって、みんないい。

Give Many “Likes” 共感
-「いいね!」をたくさん口に出そう。

High Heat! こだわり・情熱
-「熱量」の高さで結果に差をつけよう。

Take the Lead 自発性・自立性
-思い立ったら、やってみよう。

過去の経験や実績を踏まえた上で、「未来をともに共有できそうな方か」という点を確認したいという思いからです。過去の実績の蓄積による「信用」は大事ですが、それ以上に、未来に対する期待を「信頼」したいと考えています。お互いに「信じて頼られる」関係を築けるかどうか、という点を面接でディスカッションしています。

Q

これは絶対に聞く、という質問はありますか?

永吉

特に決めてはいないのですが、7つINSIGHTのうち持ち出す頻度が高いのは「High Heat!」ですね。“やらされ仕事”というか、100の要求に対して100の成果で返すのは、ただの業務でしかない。100を期待して120のものが返ってきたときに、「この人に仕事を任せると期待以上の成果が返ってくる」という信用となり、その積み重ねが信頼になっていくと思います。

ですから、今までの仕事の中で、「自分はこれだけやるんだ」という熱量とか、「上司からできないと言われても自分が強いパッションをもって形にした」とか、「形にならなくてもすごくこだわってやった」というエピソードをお聞きできると、こちらも熱量が高くなりますね。

Q

そういった選考方法も銀行らしくないですね。スタートアップっぽいというか。

永吉

スタートアップ企業の方々の熱量とか、マインドというのはリスペクトしていて、とても刺激を受けています。応募してくださる方もスタートアップ企業と並行して面接を受けているというケースが少なくありません。

その中で我々の特徴の一つと感じるのが、国内トップクラスの地方銀行である「ふくおかフィナンシャルグループ」の一員であるということです。我々は独立した銀行としてブランドを違えているので、例えばプロダクトをPRする際にもふくおかフィナンシャルグループとは名乗りませんが、その“後ろ盾”ともいうべき存在が安心感に繋がり、それが決め手となってジョインすることを決めたというメンバーもいます。

そういった“安心して思い切りチャレンジできる”という環境があるのは、我々ならではかもしれません。

Q

最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

永吉

我々は九州・福岡発の事業ですが、そのマーケットは全国で、150年に及ぶ銀行の歴史に新たな1ページを開くことを目指して日々邁進しています。その可能性に魅力を感じた優秀な方が全国から集ってくれていますが、我々が目指す頂は高く、まだまだ仲間が必要です。

福岡で働きたいという方はもちろん、東京オフィスやリモートワークでのジョインを希望される方もウェルカムです。レガシーからの脱却や“ゼロイチ”フェーズへの志向が強い方にとっては、とてもチャレンジングな環境です。ぜひ我々とともに歴史をつくっていきましょう。

インタビュアー / 代表取締役社長 丸山 貴宏

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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