面接官の本音 vol.144   ヤフー株式会社

ヤフー株式会社

公開日:2021.10.11

幅広い領域で約100のサービスを展開するヤフー株式会社。インターネット黎明期から大きな存在感を示してきた同社は、2021年3月に親会社であるZホールディングスがLINEと経営統合。「より大きなフィールドで、より大きく、より便利なサービス創りに挑戦できるようになった。ヤフー創業以来今が最もアセット(資産)が充実している状態だ」という。同社で採用部長を務める大森靖司氏にお話をうかがった。

ヤフー株式会社 コーポレートグループPD統括本部
コーポレートPD本部 採用部長
大森靖司氏

Contents

代表作と言えるエピソードをじっくり聞いていく面接スタイル。

Q

面接で大切にされている事、注目するポイントがあれば教えてください。

大森

インターネット業界はお察しのとおり、変化が激しい業界です。ヤフーで働くと、その変化の中に身を置くことになります。

そのため、採用においては、変化を楽しみながら乗りこなせるか。自ら変化を生み出せるか。たとえ失敗したとしても、やりきる意思や力があるか。それらを重視しています。

そして、変化は一過性じゃありません。常に変化することが当たり前なので、これまでの成功体験はすぐに陳腐化しうるし、ほとんどのことは未経験です。

そうした状況のなかで、学び続けられるか。敢えて学び直していけるか。そうした姿勢も重要です。

Q

貴社の面接で必ず聞く質問はありますか?

大森

「あなたの代表作はなんですか?」という質問をよくします。代表作と呼べるくらいの、これまでの仕事で最も難しい、だけどもやり切った、そう感じられたエピソードをお聞きするんですね。

たとえば、その仕事に関わった背景、なぜそのタイミングだったのか、どんな体制で取り組んだのか、一番難しく感じた点は何か。当時どんなことを考えて取り組んでいたか、自分なりに工夫した点は何か、取り組んだ結果得られた学びは何か。

こんな感じで、質問を深く掘り下げています。

過去の最も困難な場面を伺っているのですから、そこには変化や挑戦がつきものです。それにどう向き合い、何を考えたのか。お話を伺ったうえで、変化が激しい環境に身を置いたとしても、再現性を持って取り組んでいただけそうかを見させていただいています。

Q

過去の面接での印象的なエピソードがあれば教えてください。

大森

それまで放置されていた、または、誰も気にも留めなかったような課題に対して、素朴な疑問や違和感を覚え、自らが言い出しっぺになって課題を解決したようなエピソードは印象に残りますよね。

そういったお話を聞いたときは、「なぜ、ほかの人はその課題に気づかなかったと思いますか?あなたはなぜ気づけたのですか?」とさらに深掘りしたりします。

そのお答えから、考えた痕跡が見えたり、言語化ができていたりする場合は、その方が課題を自分事として捉えていることが伝わってきます。興味深いエピソードを聞けると、面接を担当する自身も、その経験を追体験するような気持ちになりますね。

Q

御社における「優秀さ」の定義について教えてください。

大森

優秀さには、専門性や経験値などのハード面、想いやマインドなどのソフト面があると考えています。キャリア採用においては、募集職種ごとのハード面での優秀さはもちろん大事ですが、ソフト面でヤフーが重視するポイントがあるかも重視しています。

具体的には大きく2つですね。1つは、経験から学ぶ姿勢があるかどうか、です。繰り返しですが、インターネット業界は変化が激しく、過去を振り返っても答えは出てきません。

常に新しいことを模索し挑戦し、実際に経験を通じて得られた失敗や振り返りから学んでいく必要があります。この「経験して学びを得て次に活かす」サイクルを回せるかどうかを重視しています。

もう1つは、変化を楽しむ前向きさ、です。取り組むことのほとんどは未経験です。うまくいかないことももちろん多いですし、技術的・法律的な課題に直面することも、かなりの確率で起こります。そんななかで、前向きな提案があったときに「それ、いいね!」と言えるかどうか。「それをやるとAという問題が起こりまして、Bという問題もありまして……」では遅々として前に進まないんです。

できるかどうか分からないけどやってみよう、という姿勢は大切ですね。

Q

御社の面接を受けるにあたって、どのような準備をしていただくと良いでしょうか?

大森

面接では突飛な質問をすることはありません。

先ほどお話しした「代表作」や「最も困難だったけれども、やり切ったエピソード」をお伺いすることが多いので、これまでの経験を棚卸して、当時何を考えていたのかなどを整理しておいていただくといいですね。

Q

御社ならではの面接の特徴はありますか?

大森

応募者ファーストを心がけています。

例えば、とある分野でのエグゼクティブ層の方とお会いする際は、役員などその採用活動のリクルーティングオーナーがカジュアルに面談させていただいたうえで本選考に臨んでいただくかどうか判断を委ねるなど、フレキシブルに対応しています。

ヤフー株式会社

「UPDATE JAPAN」、世界で一番便利な国を目指す。

Q

弊社は、志のある企業様に志のある候補者の方をご紹介することが大切だと考えております。貴社にとって『志ある人材』とは、どのような方でしょうか?

大森

当社のミッションである「UPDATE JAPAN」、ビジョンである「世界で一番、便利な国へ。」に対して、共感を持って取り組める方ですね。

事実として、志のある人がヤフーにおいて活用できるアセットが、今ほど充実しているときはありません。親会社であるZホールディングスがLINEと経営統合し、PayPayやZOZO、ASKUL、一休といった企業ともグループ関係にある今、グループ全体のサービスの数、リーチできるユーザーの数は大きくなりました。

でも、ビジョンである「世界で一番、便利な国へ。」はまだまだ実現できていない。日常のなかで、先のことが分からなかったり、選択するうえでの情報が足りなかったりして「もっとこうなれば便利なのに」というシーンはまだまだたくさんあります。

正しい情報を知りたい。多くの選択肢から1つを選びたい。そんなとき、情報がリッチで、選択がしやすくて、困ったらと思ったら欲しい情報がある。ヤフーはそういう存在でありたいですし、その領域で常に一番信頼されるサービスを目指したいです。

正直、まだまだやりたいことだらけですし、もっとやらなければいけない。そのために、仲間が必要です。

Q

「大手企業だから裁量がないのでは」というイメージをもたれやすいと思うのですが、実際はどうですか?

大森

環境、実際起きていること、の2つでお話します。

まず、環境です。結論、「こうしたい」「ああなりたい」という希望は割と言えます(笑)。意外かもしれませんが、仕事の経験デザインにおいて、ヤフーはボトムアップの文化があります。

代表例は1on1ですね。上司と週一で1on1のミーティングがあり、足元の業務課題の解決や目標達成支援だけでなく、職業人生としてのキャリアについても話しています。その場では、「こうしたい」「ああなりたい」という希望をいつでも言える環境なんですね。

また、「人財開発会議」というものがあります。直属の上長に加えて関連部署の役職者が複数人集まり、社員1人ひとりに対して、どんな経験を積んでどう成長してほしいかという議論の場です。

対象の社員が望む仕事も認識したうえで、今後どのような経験を積むのが良いか、一人一人に自身の可能性の気づきを与えると同時に、成長を促す経験の提供や研修の提案につなげています。

次に、実際起きていること、の話です。先に述べたとおり、当社は「こうしたい」「ああなりたい」を伝える機会はあるんですが、じゃあ「やりたいことはありますか?」と聞かれて「あります」「これをやってみたいです」と全ての人が答えられるわけではありません。

加えて、変化が激しい環境では、一定の希望や予想があったところで、現実が想定を上回ってきます。現実はそううまくはいかないこともあるし、もっと面白いことが起きたりもするんですよね。

結局、そういう場合は「目の前のことを一生懸命やる、期待以上に取り組む」ことが重要です。そこでの1つ1つの成果が信頼になり、その先の変化において新しい挑戦機会が生まれる。

この流れで、先程触れた環境の話と接続するんです。「1on1でこういうことをやりたいと言っていた」「人財開発会議で話した経験の方向性にも合うなど環境とから任せてみたい」。こうやって裁量をもって取り組んでいる社員が多いですね。

Q

貴社を志望する候補者の方へのメッセージをお願いします。

大森

ヤフーが挑む変化、創り出す変化のスピードは速いです。

最近の事例では、PayPayを核としたFintechへの取り組みもそうですし、2020年春からのコロナ禍の環境においても、ユーザーに役立つ90以上もの機能やコンテンツをリリースしていました。

サービスだけでなく企業体としても、親会社のZホールディングスがLINEと経営統合し、より大きなフィールドで、より大きく、より便利なサービス創りに挑戦できるようになりました。

自ら創り出す変化はスピード感があり、もちろん大変なこともありますが、その変化に向き合うからこそ携われる機会や出会える仲間がいて、やりがいがあります。

今はまさに、メディア、コマース、金融、その他あらゆるサービスがインターネットを通じてグッと身近になる可能性があるタイミングです。そして、ヤフーは全てに対して「もっと便利に」できる可能性を秘めています。

情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。

このミッションに対して共感いただき、変化を前向きに楽しめる仲間のご応募を心よりお待ちしております。

インタビュアー / クライス&カンパニー

構成: 久保 佳那

撮影: 櫻井 健司

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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