キャリアアップコラム vol.44
面接の中の気になる日本語

先日、文化庁から「日本語に関する世論調査」が発表になりました。若者の間では「ヤバイ」が「かっこいい!」という意味だそうですね。びっくりです。他にも、「青田買い」を「青田刈り」、「汚名返上」が「汚名挽回」など、ちゃんと考えればそのとおりなのですが、つい曖昧にしてしまって間違って使っている言葉もあり、気をつけたいものです。 さて、今回はついつい使ってしまう面接での「気になる日本語」についてのお話です。

「1社程うけています。」

1社程って何社でしょうね。「5社ほどうけています」。なら4社〜6社くらいかな、ま、すぐには数えられないので即答は難しいよな。という感じで理解できますが、1社は1社ですよね。「程」には答えにくいものを曖昧にするという心理が働くときに使う傾向もあるようですので、「なにか隠し事でもあるのかな」、「そっちが本命かな」、なんて誤解をうけるかもしれません。「1社受けています」。と、はっきり答えましょう。

「営業とかしていた時に・・・」

「営業とか」って、営業以外に何をしていたんでしょうか?もししていたなら「とか」ではなく面接では、「営業など」ですよね。それならまだいいのですが、突っ込んで聞いてみると、営業だけしていたということが多く、「とか」は全く意味がなかったというケースが大半です。これも「程」と同じように、「営業」を曖昧にしてしまいますので、「自信がないのかな?ちゃんとやってないのかな?」という印象を与えてしまいます。

同じような言葉で「営業の方をしてまして・・・」という言い方もあります。これも同じように曖昧な印象と、なにか「胡散臭い」印象を与えてしまいます。(消防署のほうから参りまして・・という詐欺商法を連想してしまうからかもしれませんが・・・(笑))。「とか」や「ほう」は単なる癖であるケースも多いので、しっかり直しましょう!

「今、申されたように・・・」

面接官の言葉を拾って話すときに言いますよね。正しくは、「今、おっしゃったように・・」ですよね。「申す」は謙譲語ですね。「申す」に「〜なさる」という尊敬語をつけるのはおかしいですね。最初は違和感ありますが、使っているうちになんか尊敬語のような感じで定着してしまいそうな、「ヤバイ」言い回しだと思います。若手だけでなく幅広い年齢層でいらっしゃいますので、これも気をつけましょう。

「了解しました。」

面接でのやり取りで、「了解しました」。と答える方は少ないとおもいますが、これがメールとなると結構頻発します。「面接は00時からお願いします」。「了解しました。00時に伺います」。アウト!じゃないですが、人事と応募者のやり取りとしては、なんかちょっと違和感を感じませんか?「了解しました。・・・」、よりも、「かしこまりました。00時に伺います」。この方が、しっくりきますよね。「了解しました」は決して失礼な言葉ではありませんが、相手に礼を尽くすには力不足な気がします。ま、このあたりになると感じ方には個人差があると思うのですが、先日お会いした人事の方も同じように感じていらっしゃったので、注意したほうがいいのかもしれませんね。

最近書店では日本語に関する本が爆発的に売れているそうです。また漢字検定の受験者も増加しているとのこと。言葉に対する意識が高まるのは素晴らしいことですが、そんな中、自分もしっかりとした日本語を使えるようにならないと格好悪いですよね。特に人事の人は言葉に敏感です。日頃から言葉に対する感度を上げて、ちゃんとした日本語を話せるようにしておかないと、面接時間内での「汚名返上」は難しいですよ。(笑)

(2012年4月20日)

 

今回の教訓&アドバイス

「日本語に関する世論調査」は99年から文化庁が行っているもので、毎年この時期(7月)に発表されるようです。年に一度は自分たちの日本語や自分の言葉を確認したりチェックしたりするのもいいかもしれませんね。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
丸山 貴宏
大手就職情報会社の人事採用担当を約7年経験後、クライス&カンパニーを設立。前職からの候補者面談者数は10,000名を超え、その経験と実績に基づいたカウンセリングは業界でも注目されている。単に企業情報の提供に留まらず、「候補者の根っこのエネルギーを発掘する作業が我々の使命」がモットー。 プロフィールをみる
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