キャリアアップコラム vol.179
キャリアは自分で創るもの

「どこでやるか」よりも「何をやれるか」

転職先を考えるうえで、企業の規模や知名度を重視する方は少なくありません。大手企業、上場企業、有名企業に転職すれば、「安定して働ける」「次の転職を考えた時に有利になる」「市場価値が高くなる」といったお考えを伺うことがよくあります。確かに、ひとつの考え方だと思いますし、企業のブランドにより、第一印象に下駄をはかせることはできるかもしれません。ただ、それが市場の評価となることはありません。大事なのは、どこでやってきた方なのかよりも「何をやってきた方か」「何ができる方か」です。
 
実際に、大手企業や有名企業にいらっしゃる方は転職の場面で書類選考が比較的通りやすいという傾向はあります。ただ、面接で苦戦する方が以前に比べて多くなりました。企業も「○○に在籍している方だからこれ位はできるはず」といったイメージで判断するより、「何をどの程度やってきたか、できるのか」といったことを細かく確認するようになりました。小さい会社でも幅広く責任と裁量を持ち、ご自身で具体的な実績・成果を残してきた方が欲しい、といった声を聞くことも多くなっています。
 
もちろん、環境によりできる仕事が変わってくることもあります。そういう意味では、どこでやるかというのも重要な要素のひとつですが、いずれも大事なのはそこで何ができるかです。

「どこでやるか」よりも「誰とやるか」

一緒に仕事をするうえで相性が大事なのはもちろんですが、考え方や能力・スキルをはじめ、優秀な方々と刺激を受けながら仕事をするのは非常に重要です。同じ業務をするにしても、誰とやるかによって身につくものが大きく変わる可能性が高いと考えます。
 
最近、改めてこの点を感じることが多くなりました。
あくまでも、その一例ですが…
 
少し前に、総合商社の方と続けてお会いすることがございました。お話を伺うと、現状に対して大きな不満をお持ちという訳ではありません。活躍されていることもあり、やりがいをもって仕事に取り組んでいます。ただ、不安や危機感を感じていらっしゃいます。
その多くは、リスクを取らずに上を見て仕事をしている周囲の方々に対する違和感、ミスや失敗を恐れてチャレンジしない環境に対する物足りなさといったものです。
 
人間関係も良好で居心地が良いだけに、ずるずると今の環境に居てしまう。しかし、このままだとこの環境から抜けられなくなってしまう。茹でガエルになってしまい、取り返しがつかなくなってしまうという不安をお話される方が多かったのが印象に残っています。
 
他にも、ロールモデルとなるような方が居ない、といったお話を聞くことがあります。
人は人によって成長し、組織はその人によって作られ、成長するのだと思います。
 

キャリアは自分で創るもの

もちろん、「会社の規模や上場の有無などは関係ない」というつもりはございません。不確実性が高まる中、長く安定して活躍する為には、会社の中だけではなく市場の中で自分のポジションを創ることが大事です。そのために手に入れたいスキルやキャリアを身に着けるため、規模や上場などがポイントとなることもございます。大事なのは、そのために組織・人・環境などのリソースを使って何をするのかを自分の中で明確にし、それが実行できるイメージを持てるかどうかです。
大手やベンチャーを問わず、どのような企業であっても目的意識を持ち、自ら動いていかなければ望んだキャリアを実現することはできません。そして、「会社」がキャリアを創ってくれることはありません。
 
今後のキャリアにとって重要なものは何か。今の環境にそれはあるのか。定期的に点検するのもよろしいかと思います。その際は、是非ご相談ください。
 
(2017年1月20日)

今回の教訓&アドバイス

「どこでやるか」より「何をやるか」

「どこでやるか」より「誰とやるか」

キャリアは自分で創るもの 会社がキャリアを創ってくれることはない

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
半藤 剛
コンサルティング業界・IT業界の方々のキャリア支援(キャリアアップ・キャリアチェンジ)、およびコンサルティング・IT企業への転職支援、経営幹部(CXO、マネジメントクラス)のキャリア支援に豊富な実績を持つ。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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