キャリアアップコラム vol.220
未経験の仕事に興味がめばえたら「助走期間」を設けよう

やりたいことが見つからずに悩む人も多い中で、興味関心を持てる領域が明確にある人は幸せかもしれません。それでも、新しい未知の領域に踏み出すことを恐れてなかなか動き出せない方も多いものです。そんな時、私は転職活動をスタートする前に「助走期間」として「まずは興味がある世界に触れてみること」をお勧めしています。

転職活動の前に、興味のある世界を体感してみる

以前お会いした20代の女性・Lさんは、プライベートで友人の相談に乗る機会も多いことからキャリア支援やコーチングに興味を持っていましたが、本当にその仕事が良いのかどうか悶々と悩み、動き出せずにいました。Lさんが見せてくれたノートには、毎日自身と向き合い、想いや興味のあるキーワードをびっしり書き綴ったメモが・・・。それでも答えが見えてこないと嘆くLさんに、私は「コーチングに興味があるなら、まず自分がコーチングを受けてみてはどうですか?」とご提案してみました。

それは当時ちょうど私自身もコーチングを受けていて、そこで得られる気づきが大きいことを純粋にお伝えしたかったというのもありますが、プロのコーチを仕事の選択肢として考えるなら、まず自分が体験してみるのが一番!だと思ったからです。Lさんは、とにかくすぐに転職活動を始めることを勧められると思っていたようで意外な展開に驚いていましたが、「早速コーチングを受けてみます!」とのことでした。

大手からベンチャー企業に転職するときは、生の言葉や考えに触れてみる

同様に、大手企業に勤めていて「ベンチャーに興味はあるけれどもどういうものなのか実際のイメージがつかない」という方には、いきなり選考を受けるのではなく、まずはベンチャー経営者の生の言葉や考えに触れてみることをお勧めしています。

どうすれば接点を持てるかという一例を挙げますと、活躍されているベンチャーやスタートアップの経営者の方であれば、様々なイベントに登壇していますので、直接そこで話を聞くことができます。

手前味噌となりますが、弊社で不定期に開催している「汐留アカデミー」(https://www.kandc.com/event/)に参加いただくのもひとつの方法かと思います。物理的な距離等の理由でリアルイベントへの参加が難しい場合でも、最近はオンラインで誰でも参加可能なイベントも増えてきましたので、興味がある方はぜひ探してみてください。

また、経営者の方が著書を出版されているケースも多いですし、メディアのインタビュー記事などもネットで検索すれば多数見つかるでしょう。それから、もちろん経営者という人の側面だけではなく、ベンチャーが提供しているサービスをユーザーとして使ってみるのも良いですね。要はどのような手段でも構わないので、興味関心のある世界が実際どのようなものなのか、まずは触れてみる・のぞいてみる・体感してみることが大事です。

「助走期間」のプロセスは、結果がどうあれ意義のある時間に

そうやって自分なりの「助走期間」を設けてみた結果、ますますその領域で仕事としてチャレンジしたい想いが強くなり、軸を定めて本格的に転職活動をスタートすることもあるでしょうし、逆に思い描いていたものと違うということが明確になったり、その世界にあこがれはあるものの自分には向いていないなと感じたりすることもあると思います。

いずれにせよ、今後のご自身のキャリアをしっかり歩んでいく上で、そのプロセスはとても有意義な時間になるのではないかと考えています。特に20代などの若手の方や、初めて転職をお考えの方などはぜひ参考になさってみてはいかがでしょうか。

(2020年6月22日)

今回の教訓&アドバイス

興味がある領域に踏み出せないなら、まずはその世界に触れてみること

イベントや書籍・インタビュー・サービス等、生の情報を得る手段は多い

「助走期間」は今後のキャリアにとって有意義なプロセスとなる

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
神田 昭子
日系大手グローバルメーカー、ベンチャーの経営幹部、事業会社のIT系ポジション(セールス、データサイエンティスト、企画職等)を主に担当しております。
デジタルプロフェッショナル専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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