Column

「【ITコンサルから事業会社へ】転職するならマネージャーになる前?なった後?」イメージ画像

【ITコンサルから事業会社へ】転職するならマネージャーになる前?なった後?

「このままコンサルとして残り続けていいのか?」と立ち止まったあなたへ

日々忙しくプロジェクトをこなす中で、ふと頭をよぎる。
「このままコンサルタントとしてキャリアを積み重ねるだけでいいのか?」
「もっと事業に深く関わる立場で、何かを“創る側”に回りたい」

そんなモヤモヤを抱えたとき、「ITコンサルタントから事業会社への転職」という選択肢が浮かびます。特に、マネージャー昇進を目前に控えたタイミングでは、
──いま動くべきか、それともマネージャーになってからか。

この「タイミング問題」は、キャリアの方向性を大きく左右する分岐点になります。

「有名ファームでマネージャーを務めていれば事業会社転職もすんなり決まるだろう」
そんな風に思っていらっしゃる方が、希望するような事業会社から理想のオファーをいただけずに思わず苦戦することがあります。

今回はITコンサルタントの方がマネージャーになる前に事業会社に転職すべきか、マネージャーになった後に事業会社に転職すべきか、事業会社への転職のベストなタイミングについて考えていきたいと思います。

マネージャー前後で転職市場の評価はどう変わる?

事業会社へ転職する場合、マネージャーになる前と後でいくつかの変化があります。

・業務内容
・企業からの期待
・年収
・役職

これらのいずれも相関しているものですが、マネージャーになる前と後では、まず転職先企業から求められる期待が明確に変わります。
マネージャー未満のポジションであれば、ポテンシャルや成長性に期待し、育成を前提とした受け入れが一般的です。シニアコンサルタントクラスであればいわゆる主任層としての採用が期待できるため、求人数もそれなりに多いでしょう。

一方、マネージャー以上での転職では、「即戦力性」が前提。
企業側から見ると「新たなチャレンジをしたい」だけではなく、「これまでの経験を活かしてどのように成果を挙げるか」が厳しく問われます。役職としても課長待遇での目線で採用することになるでしょう。

具体的には、金融系のレガシーな大規模基幹システムの基盤刷新プロジェクトでPMやPMOを務めてきたマネージャークラスの方に、モダンなアーキテクチャでできたモバイルアプリのアジャイルPMをいきなりお任せするのは、企業としてはリスクの高い意思決定になります。

また、新卒ITコンサルの方は30歳前後ぐらいでマネージャーになることが多いですが、大手事業会社の課長は大体40歳ぐらいから。いきなり部下持ちの立場で採用すると、年上のメンバーのマネジメントも含めてお任せすることになり、年功序列色の強い企業では敬遠されがちです。加えてコンサルティングファームと事業会社ではメンバーマネジメントの考え方も大きく異なります。大手事業会社の多くが新卒で総合職採用をして、IT部門もジョブローテーションの中で異動してきた方が多く、キャリア志向やモチベーションや年齢も様々です。そのような中で個人個人が生き生きと働けるようにするには高いマネジメント能力が必要です。

また、年収面でも違いがあります。
マネージャークラス以上では、現実的には1,000万円~1,500万円クラスの年収帯を希望される方が多く、ライフステージ的にも年収を下げづらくなってきます。
事業会社でこの金額はよほど待遇のいい企業でない限り提示が難しく、高年収の管理職ポジションを狙うにしても募集が常にある訳ではないため、常時最新の求人情報をチェックしておく必要があります。(参考:35歳で年収1500万円を超えるITポジションは?

このように、転職における選択肢の幅や難易度がマネージャー前後で大きく異なってくるのです。
ここまで聞くと、マネージャー以上で事業会社へ転職するのはあまり現実的では無いようにも感じられてしまうのではないでしょうか?

ここからは、実際の転職例を元に、どのような方が転職に成功しているのか、具体的な成功事例を見ていきましょう。
①20代シニアコンサルタントから自社サービスのプロダクトマネージャーへキャリアチェンジした事例
②30代シニアマネージャーから社内ITへ転職し、年収維持とWLB改善を実現した事例
③40代シニアマネージャーから取締役CDOとして、経営層へのキャリアチェンジを実現した事例
をピックアップしています。

【転職成功事例①】シニアコンサルタントから事業会社のプロダクトマネージャーへの職種チェンジ

29歳のシニアコンサルタントだったAさんは、新卒で日系大手コンサルティングファームに入社し、金融系ITコンサルタントとして大規模システム開発に従事。自社事業に関わりたい想いで事業会社を志望していました。

シニアコンサルタント・900万という年収から少しダウンにはなるものの、未経験職種でありながら800万円でオファーをもらい、プロダクトマネージャーとしてのキャリアチェンジに成功しました。

ポイント:
● マネージャー昇進前の20代のタイミングに転職したことで、ポテンシャルを評価されやすかった
● 自社事業に携わりたい強い想いや、転職先企業の企業研究を熱心にやっていたこと、コミュニケーション能力の高さなどが評価ポイントとなった
● 希望職種へのキャリアチェンジを最優先に、年収面の大幅ダウンを避けつつも数年スパンで見れば現職を超えられるメガベンチャーを選択した

【転職成功事例②】シニアマネージャーから事業会社ITポジションへ1700万円オファー(詳細はこちら

外資総合コンサルティングファームで34歳のシニアマネージャーだったBさん。主に大手金融基幹向けのITプロジェクトに参画し、IT中計策定支援から要件定義~導入テスト、導入後の支援といった、超上流から下流まで一気通貫した経験をお持ちでした。

転職先に決まったのは大手小売企業の社内ITポジション。働き方の改善と、1700万円という高額オファーで年収水準の維持も実現しています。

ポイント:
● 若くしてシニアマネージャーまでプロモーションしており、責任ある立場で上流から下流まで幅広い経験をお持ちだったことが業種の垣根を超えて評価された
● 過去の内定者の働き方と年収データを元に、希望を実現できる企業を厳選して選考に進んだ
● 入社時に部下マネジメントを優先せず、転職軸を絞って活動した

【転職成功事例③】シニアマネージャーから事業会社の取締役CDOとして経営層へ(詳細はこちら

45歳のシニアマネージャーだったCさんは、複数のコンサルティングファームにてIT/DX戦略・PMO・DX推進などの支援実績があり、特に金融系のご経験が豊富でした。

ファンドの投資先案件で金融系企業の取締役CDOの募集があり、ご経験がマッチしたことで2100万円という高額オファーで入社に至りました。

ポイント:
● IT戦略・DX戦略という超上流のコンサルティング経験と金融系の業界経験を有しており、即戦力が高いこと
● ファンドが投資している企業の幹部ポジションであるため、高待遇であったこと
● 経営に近い立場で意思決定したいという転職軸を優先しながら中長期的な情報収集を行い、希少性の高いConfidential案件が出たタイミングで転職活動を行ったこと

キャリア志向によって最適な転職活動のタイミングは異なる

上記の事例から分かる通り、シニアコンサルタントであってもマネージャー以降であっても、ITコンサルタントから事業会社への転職は可能です。

ただし、タイミングによって活動のポイントは異なります。

● 職種や業界などキャリアチェンジの幅を大きくしたいならシニアコンサルまで
● 築いた経験・実績を武器にするならマネージャー以降でしっかりと実績を積んだ後
● 事業会社で高年収を提示する企業は限られているため、自分のスキル・経験と転職軸に合った企業を厳選して選考を進める必要がある
● CIO・CDOをはじめ、役職の高いポジションは求人数が少ないため、中長期的に情報収集を継続し、案件が出たタイミングで活動する必要がある

シニアコンサルタントまでの転職に比べ、役職が上がれば上がるほど転職活動の難易度は上がっていきます。マネージャークラス以上の転職活動には、中長期的なキャリア支援の受けられるエージェントから継続的に求人情報を入手することが有効と言えるでしょう。ファームのパートナー・MDになった後に、縁あって事業会社のCIO・CDOに転職した方もいらっしゃるため、マネージャーになった後もキャリアチェンジは十分可能です。いずれにせよ、自分のキャリア志向と転職軸をしっかり決め、現職で高い成果を挙げられるよう努力することが何よりも大事です。

(参考)以下の「CIOインタビュー」にて、CIOの方々のキャリアに関するインタビュー記事を掲載しています。
https://www.kandc.com/digital/dx/column/

クライス&カンパニーでは候補者の方との中長期的なお付き合いを大事にしています。今すぐ転職したい方も、中長期的に情報提供を希望される方も、是非一度ご相談ください。

(担当コンサルタント:和田 智行

こんなお悩みや
お気持ちはございませんか?

  • 魅力的なハイクラス求人に
    なかなか出会えない…
  • 事業会社に転職したら、
    年収が下がるのでは…
  • コンサルとしてキャリアを歩むなら
    何を意識すべき?
  • DXやIT領域のキャリアについて、
    誰に相談すればいいの?

DX・ITに精通したクライスの
コンサルタントが転職サポート

まだ転職を決めていない方も大歓迎
DX・IT領域のプロがサポート 転職・キャリア相談

CLOSE