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INTERVIEW

INTERVIEW 028

2023 Aug 21

大手企業のDXパートナーとして、
新事業創出のためのプロダクトマネジメントに挑む。

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PROFILE

株式会社ROUTE06 Co-Founder / Director 松本 均 氏

株式会社ベイカレントコンサルティングを経て、楽天株式会社およびヤフー株式会社にて、ECシステム/DMP/全サービスのログ統一などデータプラットフォームを中心とした開発およびPdMを担当。その後、株式会社ストライプデパートメントの執行役員CTO、株式会社Welbyの執行役員/開発部長を経て、ROUTE06を共同創業。

複雑なビジネスを営むエンタープライズ企業がターゲット

及川

まずはROUTE06(ルートシックス)という企業についてご紹介いただけますか。

松本

私たちROUTE06は、大手企業のビジネスモデル変革を支援するDXパートナーです。リアルなアセットを持つ大手のお客様に対して、我々がデジタルをかけ合わせることで新しい事業価値や事業機会を提供することをミッションに掲げ、2020年に創業しました。すでに社員は50名を超え、現在も成長を続けている最中です。

及川

いま、松本さんのお話の中で“DX”というキーワードが出ましたが、ROUTE06では、お客様にもたらす“DX”をどのように定義されているのでしょうか。

松本

端的に言えば、お客様のトップラインを上げる仕組みを構築して提供することが、我々の“DX”です。単純に業務をデジタルで楽にするという観点ではなく、お客様の売上拡大や、お客様の市場価値向上のための支援をすることが、我々が果たすべき“DX”だと捉えています。

及川

ご説明ありがとうございます。では、実際にどのようなプロダクトを開発し、どのようなサービスを展開していらっしゃるのでしょうか。

松本

現在、自社プロダクトとして“Plain”というAPIプラットフォームを開発しています。これはヘッドレスなバックエンドのシステム基盤であり、このシステム基盤を当社のプロフェッショナルサービスによって、お客様が望むビジネスを実現できる仕組みにカスタマイズして提供する事業を展開しています。いま我々は、売上高1000億円以上のエンタープライズ企業をターゲットにしており、お客様はそれぞれ非常に複雑なビジネスを営まれています。この“Plain”は、大手のお客様の複雑なビジネスに合わせてUIをフルカスタマイズすることができ、それが大きな特徴のひとつです。さらに、大手のお客様はすでにSalesforceやSAPなどのSaaSを導入されているケースが多く、そうしたシステムと容易に連携できることもこのプロダクトの強みです。

及川

この“Plain”の上で、エンタープライズ系のお客様に向けて具体的にどのようなサービスを提供されているのでしょうか。

松本

いま我々が注力しているのは「クラウドEDI」です。これはBtoBの商取引のプラットフォームであり、例えばお客様のバイヤーの方が商品や原材料を仕入れる際、見積書をやりとりして発注して契約を結び、納品されるまでの一連の企業間取引をデジタルで実行し、ワンストップで管理できるサービスを提供しています。

及川

御社がいま提供しているサービスは、どちらか特定の業界にフォーカスされているのでしょうか。

松本

特に業界を絞ってはいませんが、いま我々がおつきあいさせていただいているお客様の例を挙げると、三菱商事様や三菱マテリアル様をはじめとした大手企業が中心であり、商社や製造業のBtoBの業務を重点ターゲットにして顧客を開拓していきたいと考えています。また、現在は「クラウドEDI」の領域でサービスを創っていますが、これをひとつの大きいバーティカルSaaSとして捉え、今後はまた別のドメインでバーティカルSaaSを創り上げ、それを積み上げていくことで事業を拡大していきたいと考えています。

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本質的な議論を重ねて、顧客の事業を成功に導いていく。

及川

御社のプロダクトマネジメントについておうかがいする前に、松本さんご自身の経歴を教えていただけますか。

松本

私はROUTE06の創業から関わり、現在取締役を務めています。もともとはSIerのエンジニアからキャリアをスタートし、そこから上流工程に携わりたいとベイカレントコンサルティングに転職し、ITコンサルティングに従事しました。そのうちに事業にどっぷり浸かってみたいという思いが湧き、楽天に転職してビッグデータ関連の企画開発を担当。そしてデータサイエンスをもっと究めたいとヤフーへ移り、そちらでは広告システムの構築やYahoo!全体のロギングの統一などの大規模なプロジェクトを経験しました。その後、縁あって「ストライプデパートメント」というECモールの立ち上げに参画し、システム開発から営業、カスタマーサクセスまで一気通貫で担う機会を得ました。その後、医療系のWelbyというベンチャー企業を経て、ROUTE06の代表の遠藤(崇史氏)から誘いを受けて一緒に創業したというのがこれまでの経歴です。

及川

ありがとうございます。お話をうかがうと多様なキャリアを積まれていますが、いつからプロダクトマネージャー(PdM)としての役割を担われるようになったのでしょうか。

松本

楽天やヤフーに在籍していた時からPdM的な役割を務め、企画と開発を両方まとめて担っていました。ROUTE06創業後は、私はプロダクトマネジメントに専念し、開発はCTOの重岡(正氏)が統括する形になっています。

及川

それでは、ROUTE06のプロダクトマネジメントについてお尋ねします。プロダクトマネジメントに対する考え方は企業によってかなり異なっていますが、御社ではPdMのミッションをどのように定めていらっしゃるのでしょうか。

松本

ROUTE06のPdMのミッションは、顧客の事業を成功に導くことです。そのために、お客様に新たな収益をもたらすビジネスモデルを考えるところから関わり、“Plain”上で実現するための仕組みを構築し、リリース後のグロースまで一貫して担っていく。こうして幅広い役割を担うことが当社のPdMの大きな特徴だと思います。

及川

いま松本さんがおっしゃった、御社のPdMがコミットする「顧客の事業の成功」というのは、具体的に何をもって「成功」とみなしていらっしゃるのでしょうか。

松本

事例を挙げてご説明させていただくと、すでにプレスリリースして公表している、そごう・西武様との協業で進めている新事業開発があるのですが、ここではメディア型OMO(Online Merges with Offline)ストアというチャレンジングなビジネスモデルにトライしています。この案件では、単純に売上だけではなく、先方とともに設定したKGIを達成することがPdMに求められています。そのKGIも、リリース直後の時点とリリースして1年経った時点では指標が変わっていくと思われ、それに応じて事業をしっかりと成長させることが「成功」だと考えてます。

及川

いまお話しいただいた事例はきわめて先進的ですが、お客様によっては顕在化された課題が解決できれば成功だと捉えるケースもあるかと思います。でも本当に解決すべき課題は水面下に潜んでいて、それを探り出して長期的な成長のためのゴールを設定することも大切です。お客様にとってあるべき「成功」を、御社ではどのように模索されているのでしょうか。

松本

まさにおっしゃる通りで、近視眼的な課題解決は一時的にお客様に利益をもたらすものの、本質的な成功ではないと思っています。冒頭に申し上げた通り、我々は“Plain”をプロフェッショナルサービスでカスタマイズして提供していますが、このプロフェッショナルサービスの中で、お客様の事業がどうあるべきかという議論から入っています。お客様と一緒に根本的な課題提起からご支援させていただき、成功への方向性をきちんと固めることに我々はこだわっています。

及川

とても素晴らしいと思います。そのプロフェッショナルサービスに関わってお客様とともに目標設定することも、PdMの役割に入るのでしょうか。

松本

そうです。ですから他社のPdMよりも、関われる領域は本当に広いと思いますね。

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BIZ/TECH/UXの3つをすべて究め、お客様と向き合っていく。

及川

ROUTE06は現在、社員数が50名ほどとのことですが、PdMは何名いらっしゃるのでしょうか。

松本

現在5名です。当社にはプロダクトマネジメントのポジションが二つあり、PdMともうひとつ「プロダクトオペレーションマネージャー(POM)」という役割があります。PdMは最初の立ち上げからリリースまで関わるポジションで、POMはプロダクトの立ち上げの途中から参加し、リリース後のグロースまでを担います。なぜ二つに分けているかといえば、我々のプロダクトマネジメントの肝は、お客様のドメインを理解し、お客様が望むビジネスに応じたプロダクトを創り上げていくこと。そこには0→1のスキルセットが求められますが、一方、プロダクトが立ち上がって目標が定まり、そこに向けてグロースしていくフェーズになると、アナリティクスなど別のスキルセットが求められる。採用時にも、それぞれ必要なスキルセットが明確にしたほうが候補者の方々が応募しやすいと考え、こうした形をとっています。

及川

それぞれのポジションで採用されるとして、入社後はどのようなキャリアを積んでいただくお考えですか。

松本

PdMもPOMも入社後はまず両方の業務を経験していただきます。新規の立ち上げに参加して、そのままグロースまで関わっていただき、両方を経験して一気通貫でプロダクトマネジメントを理解した上で、最終的にどちらのポジションに就きたいのかを本人と相談して決定しています。本人が志向し、能力があれば両方のポジションにまたがって業務を行うことも可能です。

及川

御社のPdMに求められる資質についてもおうかがいしたいのですが、一般的にプロダクトマネジメントにはBIZ/TECH/UXの3つを機能させることが重要だと言われています。御社の場合、この3要素でどれを最も重要視されているのでしょうか。

松本

結論から言うと、3つともすべてキャッチアップしてもらっています。当社のPdMはBIZ寄りではあるものの、我々のポリシーとして、お客様の前に立つのはプロダクトをきちんと作れる人間であるべきで、お客様からの要望をその場で実現可能かどうかを判断できないとPdMの資格はないと考えています。ですから、TECHについてはエンジニアと、UXに関してはデザイナーと連携しながらキャッチアップし、プロダクトマネジメントを進めてもらう体制にしています。

及川

よくプロダクトマネジメントは総合格闘技に例えられますが、御社はまさにそうですね。いまお話のあった「プロダクトをきちんと作れる」というのは、どのぐらいのレベルを要求されているのでしょうか。

松本

当社のPdMのなかにはエンジニア出身ではないメンバーもいます。最初からプロダクトを作れる能力を期待しているわけではなく、業務の中でスキルを磨き、ローコードなら自分でプロダクトを組み上げられるようになってほしい。そして、エンジニアやデザイナーときちんとコミュニケーションができて、彼らと連携しながら仕様書を作成し、設計ができるレベルまでとにかく経験を積んでほしいと思っています。

及川

もう少し御社のPdMの業務を理解させていただく上で、どうお客様と関わり、どうプロダクトを開発し、どうグロースしていくのかという、一連の流れを具体的に教えていいただけますか。

松本

まず最上流のフェーズである、お客様の事業をどのように成功させ、そのために何を作るべきかという議論の段階では、PdMと一緒に私も関わって課題の抽出などを進めていきます。そこで方向性が固まったら、エンジニアやデザイナーが加わって三人一組のチームで、それを具体化するためのプロダクトの要件定義に入ります。そして、要件定義に対して“Plain”をどうフィットさせていくかを開発チームと連携しながら考え、PdMが仕様書を作成しつつ、デザイナーが実際にモックアップを制作し、さらにお客様と議論を重ねて完成度を高めていきます。リリース時、必要であればPdMがお客様のもとでプロダクトの研修を実施し、しっかりとオンボーディングできるところまで徹底して関わっていきます。リリース後は、POMやデータアナリストが加わり、解決すべき課題の優先度を決めてプロダクトの改善を図っていくのが、当社における一般的なプロセスです。

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プロダクトマネージャーとしての能力をいくらでも高められる場。

及川

続いて、求める人材についておうかがいします。御社のPdMは、どんなスキルやマインドセットを持っている人が向いているとお考えですか。

松本

私がPdMに求めている資質は、プロダクトを作ることが本当に好きかどうかということです。また、PdMとして自分が力を発揮できる領域を広げていきたいという志向が強い方のほうが当社に向いていると思います。あと、我々はエンタープライズ系のお客様の難易度の高いプロダクト開発にトライしているので、大きな目標にチャレンジすることを好むマインドを持つ方も当社にフィットすると思いますね。

及川

そうした資質を備えつつも、まだキャリアの浅いエントリーレベル、ジュニアレベルのPdMを採用された際には、どのように育成されていく方針でしょうか。

松本

基本的には、案件を動かしているPdMの下にサブとして入っていただき、OJTで業務を学んでいただく教育体制をとっています。新たなビジネスモデル構築などに関するお客様との議論にも最初から参加して、ビジネスやテクノロジーの知見をどんどんキャッチアップしていただくとともに、議論のために必要な情報のリサーチなども早いうちからお任せするなど、チャレンジの機会をたくさん与えるように意識しています。人材の育成にはしっかりと投資していく考えなので、たとえば外部の先進的な教育プログラムに参加したいとか、そうしたリクエストにもすべてお応えしてスキルアップを支援したいと思っています。

及川

それでは最後に、御社でPdMとしてキャリアを積む魅力を、ぜひ読者の方にお伝えいただければと思います。

松本

ROUTE06のPdMは、顧客の事業を成功させるために必要なことは何でもやるというスタンス。ですから、本当に幅広いことにチャレンジできる場だと思いますし、自分自身でプロダクトを作り出せる力も得られる。いまビジネス開発に携わっていらっしゃる方が、テクノロジーの領域までキャリアを広げたいとか、逆にシステム開発を究めてこられた方が、その知見をもとに新事業を創ることに関わってみたいとか、ご自身をレベルアップする機会はいくらでもご提供できる企業です。また、個人の生産性を上げるためには、本人のモチベーションがいちばん大切だと考えていますので、社員がやりたいことはできる限り尊重しています。こうした環境に大いに魅力を感じられる方とともに、ROUTE06をさらに進化させていくことができればと思っています。



構成:山下 和彦
撮影:波多野 匠

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※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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