INTERVIEW

INTERVIEW 036

2025 Oct 30

「良い景気を作る」という最高難度のミッションに最高の仲間と挑む。
これほど贅沢なプロダクト開発環境はない。

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PROFILE

株式会社ログラス 執行役員CPO 斉藤 知明 氏

東京大学在学時にAI研究に従事、動画像を対象としたDeepLearningの研究でICME2016に論文が採択される。在学中同時に英単語アプリmikanを共同創業し、CTOとして従事。その後Fringe81株式会社(現Unipos株式会社)に入社、ピアボーナスサービスUniposを立ち上げ子会社化、代表に就任、グロースさせたのち親会社と合併。「すべての挑戦が報われる社会に」を個人ミッションとしログラスに参画。

ログラスは、プロダクトで世界を変えるという本来の醍醐味が味わえる場。

及川 

まずはログラスという企業についてご紹介いただけますか。

斉藤

ログラスは「良い景気を作ろう。」というミッションを掲げ、企業のお客様に向けてクラウド経営管理システムを提供している会社です。要は経営者のみなさんが、然るべきデータをもとに意思決定できる世界を作りたいと。データに基づいて経営判断を行うのは、当たり前と言えば当たり前のことなのですが、これがみなさん意外と苦労されているんですね。ある上場企業では100人規模のエクセル部隊が管理会計のためだけに存在し、毎月2~3週間かけてガチャガチャと分析して資料を作っていたりと、もの凄いコストをかけているケースもある。逆に、そんなにコストはかけられないので、もうデータドリブンは無理だと諦めてしまい、それでも業績は伸びているので良しとしている企業もいらっしゃる。しかし、変化の激しいこの時代においては、未来を見通して現在位置をきちんと把握した上で、迅速かつ的確な経営判断を行っていくことが非常に重要になっており、簡単な設定でそれをかなえるSaaSのプロダクトを開発提供しています。

及川

設立されてもうどのぐらい経っているのでしょうか。また、現在の事業規模についても公開できる範囲で教えてください。

斉藤

設立されたのは2019年で、現時点で7年目に入っています。社員数は250名を超える規模にまで拡大し、ユーザーのお客様も大手から中堅中小まで数百社に及んでいます。また、資金調達においては2024年7月にシリーズBで70億円のファイナンスを実施し、成長を加速させているところです。

及川

続いて、斎藤さんご自身の経歴をご紹介いただけますか。

斉藤

私は大学時代にAIの研究に取り組み、なかでもディープラーニングを究めようとしていました。在学中の2012年にImageNetを用いた画像認識のコンテストである“ILSVRC”に研究室の面々と出場し、世界2位になったことも。ちなみにその時の1位が、AI研究の第一人者で、2024年にノーベル物理学賞も受賞したジェフリー・ヒントン博士が参画していたチームで、とんでもないイノベーションを生み出して世界を騒がせたんですね。それに触発されてディープラーニングにいっそう傾倒し、画像から動画へと対象を拡張して、野鳥の動画から種類を識別するAI研究に没頭。とても面白かったのですが、このシステムが世の中に与えるインパクトがあまりイメージできず、ちょっと悶々としていた頃、スマートフォンの可能性のほうに惹かれ始めたんですね。当時、スマホのアプリゲームが盛り上がっていて、これからは教育にもICTが活用できるのではと考え、友人と一緒に英語学習アプリのmikanを開発する会社を起業したのが社会人生活のスタートです。

及川

mikanは私もかつて利用したことがあります。UIに非常に優れたアプリだという印象でしたが、斉藤さんが開発されたのですね。

斉藤

うれしいことにmikanは現在も多くのユーザーの方々に利用いただいています。マネタイズするのは大変でしたが、何とか目途がついたタイミングで私は離脱し、Fringe81というベンチャーに参画。そちらでUniposというHR系のSaaSをゼロから立ち上げて子会社化し、その代表を務めました。Uniposはピアボーナスという、従業員同士が感謝や称賛のメッセージとともに少額のインセンティブを送り合う仕組みを実装したプラットフォームで、これを通して感謝・称賛の文化を築くことで人と組織をより良く変えていくことを目指していましたが、最終的に大きな事業の柱となり、Uniposに経営資源を集中する形でFringe81と統合。以降のオーナーシップはFringe81の創業者の田中(弦氏)に委ね、私はまた新たな機会を求めて2023年にログラスにジョインし、現在はCPOとしてプロダクト開発を統括しています。

及川

斎藤さんはまだお若いにもかかわらず、これまでのキャリアをうかがうと本当に密度の濃い人生を送られていて、少し失礼な言い方をさせていただければ、生き急いでいるようにもお見受けします。何が斉藤さんをそこまで駆り立てているのでしょうか。

斉藤

これまでいろいろなことに挑戦してきましたが、私はまだ何者でもありませんし、まだ何も成し遂げていないという気持ちしかありません。かつて私が衝撃を受けたのが、スティーブ・ジョブズのiPhone発表時のプレゼンでした。電話と携帯音楽プレーヤーとインターネット端末がひとつになる世界が示され、まだ学生だった私はとても胸が躍りましたし、そしてiPhoneは実際に私たちの生活を一気にアップデートしました。そんな人々の暮らしを変えるようなプロダクトに自分が関われたら、どんなにカッコいい人生だろうと夢想するようになり、それがいまの私につながっています。そして、社会に出てからも面白いプロダクトを作ることに打ち込んできましたが、mikanにせよUniposにせよ、自分が掲げたビジョンやミッションに共感してくださるユーザーが現れ、このプロダクトのおかげで人生が豊かになったという声もたびたびいただいたんですね。こんなに素敵な仕事はないと思っていますし、そんな体験をもっともっと得たいといま人生を送っている感じです。

及川

その感覚はプロダクトマネージャー(PdM)としてとても大切なことだと思います。何か新しいプロダクトを世の中に送り出し、ユーザー一人一人が喜んで使ってくれて日々の暮らしがアップデートされ、それが積み重なることで世界は変わっていく。それを夢見ることがPdMの最も大きな原動力ではないかと私も考えており、いまの斉藤さんのお話にはとても共感します。

斉藤

これほど面白い仕事はないと思うんですね。こんな世界を創りたいと自分が描いた絵を実現できる可能性にあふれているのがPdMであり、さまざまな壁を突破して理想をかなえていくことに、この仕事の本懐があると思っています。

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解決すべき課題がきわめて難しいからこそ、変態的な人材が集まっている。

及川

そもそも、ログラスが経営管理という領域に着目してサービスを立ち上げられたのは、どのようなお考えからだったのでしょうか。

斉藤

我々が提供しているサービスは、いわば企業のデータ経営におけるラストワンマイルなんですね。近年、企業の経営はどんどん複雑になり、それを支援するためにITが導入されてきたわけですが、ITによって業務が効率化される一方、いろいろなデータが発生して的確に把握するのが困難になってきました。セールスやマーケティング、財務会計など各々のビジネス領域においては、SalesforceやSAPをはじめ優れたシステムが続々と登場して業務が格段にアップデートされたものの、それらのシステムが扱うデータを統合して経営判断を下すこと、すなわちラストワンマイルの難易度が非常に上がってきた。そうした状況に対応するべく、CPM(Corporate Performance Management )やEPM(Enterprise Performance Management)、あるいはFP&A(Financial Planning & Analysis)といった概念やサービスが注目され始め、界隈が盛り上がってきたんですね。そこに目をつけたのが布川(友也氏/代表取締役 執行役員CEO)で、彼はバンカー出身で当時上場プライム企業の経営企画のリーダーを務めており、データ分析で自分自身がペインを抱えていたこともあって、いままさにこのサービスを立ち上げるタイミングだと判断してログラスを立ち上げたのです。

及川

社内の多様なデータを分析して正しく経営判断する重要性が、以前と比べてはるかに高まっているわけですね。

斉藤

おっしゃる通りです。データに基づいて説得力のある経営判断ができない企業は、もはや市場から認められなくなっています。なぜこの商品開発にリソースを投じるのか、なぜこの事業から撤退するのか、勘と経験で判断しているようでは誰も応援してくれない。当然、どの企業もデータ経営に取り組んではいますが、その粒度が粗かったり、多大な時間とコストをかけているケースがまだまだ多々存在しているので、そこに車輪の再発明なく、エクセレントな意思決定ができる状態を負荷をかけずに作ろうというのが、我々が提供している価値です。

及川

御社が手がけられている経営管理に関するサービスは、一般にはあまり馴染みがなく、プロダクトを作る側も自分ゴト化しにくい領域だと思います。自分の日々の暮らしと関わるBtoCのプロダクト開発を志向する人が多いなか、敢えてこの領域を選び、ログラスに優秀な人材が集まっているのはどうしてだとお考えですか。

斉藤

端的に言えば「難しいから」だと思います。いろいろなPdMの方とお話しさせていただくなかで、この人は面白いなと感じるのは、だいたい変態的な思考をお持ちなんですね(笑)。まだ誰も答えを見つけていない問題を解きたい、まだ誰もかなえていないことを自分の力で成し得たいと、そんなパッションにあふれていて明らかに常人とは違う。イーロン・マスクなどはその最たる存在で、火星に移住して都市を創るというとんでもないビジョンをぶち上げ、莫大な資金を集め、必要なタレントを募り、実現に向けて突っ走っている。少し語弊があるかもしれませんが、イーロン・マスクのように高い理想を掲げて、そこに何とかして辿り着こうとする方が優れたPdMだと思っています。そうした方々にとって、解けそうな問題って面白くないんですよ。自分が解かなくても、誰かが解いてくれるだろうと思える問題は世の中にたくさんあって、解決に取り組んでいる素敵な企業も多数存在していて、でもそこでは物足りない。この問題は難しいからこそチャレンジングしがいがある、きっと自分にしか解決できないんじゃないかと、そんな思いを秘めた人にログラスは選ばれているように感じますね。

及川

確かに、解決する課題の難易度が高いというのは、優秀なPdMの方ほど魅力に映るように思います。

斉藤

PdMが惹かれるのは、課題の難易度が高く、それを解決する意義について非常に共感できて、一緒に取り組んでいく仲間たちが最高であるという、この3つの条件が揃っていることだと思うんですね。ログラスはまさにこの3つを十分に満たしていて、PdMにとっては魅力しかない場だと私は感じています。

及川

いまお話のあった通り、課題の難易度が高いことに加えて、解こうとしている課題へ共感も非常に大切なことだと思っています。御社は以前、ミッションを変更されたとうかがいしましたが、その狙いと効果についても教えていただけますか。

斉藤

以前のミッションは「テクノロジーで経営をアップデートする」でした。そのコンセプトはいまでも変わらないのですが、ミッションにすると少しHOW寄りで、その先にどのような世界が実現されるのかがあまり見えず、自分の中に落とし込みづらかったんですね。なかなか共感しづらいミッションであることを代表の布川が問題視し、アップデートを図って新たに掲げたのが「良い景気を作ろう。」であり、私もこのミッションに魅せられて参画した人間のひとりです。「テクノロジーで経営をアップデートする」のままであれば、自分の人生を賭けてまで取り組もうとは思えませんでしたが、「良い景気を作ろう。」ならば賭けるだけの価値があると。社内にも変化を及ぼし、それぞれが作りたい「良い景気」について語り合うようになりましたし、もの凄い高みを目指していこうとしているので、仲間集めにも有効に働いています。我々のこのミッションに本気で共感する人間だけが集まってくるので、結束力が高く、困難も果敢に乗り越えようとするチームが築かれつつあると感じています。

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ログラスならではの4つのフェーズを経て、新規事業を生み出していく。

及川

続いて、ログラスのプロダクト開発について具体的におうかがいできればと思います。
御社はいまPdMを何名抱えていらっしゃるのでしょうか。

斉藤

いま当社でプロダクト開発に携わっているのは70~80名ほどで、そのなかでPdMを務めているのは10名です。いま、プロダクト開発のあり方がすごく変わってきていると思っていて、AI時代が到来し、プロダクトが単なるツールから、有能な秘書のようなパートナーになると再定義されるなか、ディスカバリーの難易度やフィジビリティの重要性がいっそう高まっています。プロダクトそのものを設計することよりも、課題の抽出や解決策の立案、さらにそれを検証・評価するフェーズの比重が大きくなっており、ログラスにおいてもPdMのリソースが不足している状況です。我々は2027年4月までに、現在の倍となる20のプロダクトラインナップを設けることを表明しており、すでに新規事業の開発が7~8件並行して進められています。それこそPdM一人にエンジニア二人というチームを組んで最速での開発を図っており、そのスピードを維持するためにもPdMの強化が目下の課題です。

及川

これからPdMをさらに増強されていくとのことですが、いま斉藤さんからお話があったように、AI時代で非常に難易度が上がっているプロダクトマネジメント全体を担うことを期待しているのか、それとも開発のフェーズごとに役割を分けていらっしゃるのか、どのような組織体制になっているのでしょうか。

斉藤

大前提として、私は難易度の高いプロダクトマネジメントを全員ができるようになってほしいと思っています。せっかくプロダクト開発に関わるのですから、そうでなければやはり面白くない。それこそ機械的にできることはAIで自動化し、いちばん難しいことに我々は力を注ぐべきです。組織も機能別ではなく、プロダクトマネジメント部も当社には存在しません。プロダクトごとに事業オーナーを一人配置し、その人の下にPdMやエンジニア、デザイナー、QAが集う体制で、全員がプロダクトの未来を考えていく。チームをできるだけ小さな単位にして、コンテキストシェアリングを最小限にして一体化し、役割ごとの概念を溶かすような取り組みを進めています。

及川

そうした小さな組織でプロダクトづくりを進められていくなか、御社の場合、ひとつの機能が企画されて形になってお客様のもとに届くまで、どのようなプロセスをたどっていくのかご紹介いただけますか。

斉藤

チームのサイズによっても異なりますが、スモールな新規事業のチームでご説明しますと、我々は新たなプロダクトを4つのフェーズに分けて開発しています。まずフェーズ0は、事業オーナーが解決したい課題と、それを解くためのプロダクトのコンセプトを広くお客様に示し、理想を共有してくださる仲間を集めること。目標は3社で、まだモノはできていないものの、契約を結んで利用料金を前もっていただくことがフェーズ0突破の条件です。そして、我々を信じて仲間となってくださるお客様が集まれば、フェーズ1に移行して開発チームが組成されます。そこでは、事業オーナー、PdM、エンジニア、デザイナーとお客様で、どのようなプロダクトにすべきかを議論。単なる御用聞きに陥ることなく、開発チーム側できちんと仮説を構築し、それをお客様にぶつけて徹底的にディスカッションし、プロダクトが提供する価値を握っていきます。それを果たすとフェーズ2に進み、プロダクトの実開発に入っていく。ここでもチーム内で意見を戦わせ、スプリントレビューにお客様に参加いただくこともよくあります。フェーズ2突破の条件はシンプルで、このプロダクトを使ったお客様が、パッと華やぐような笑顔になるシーンが想像できるかということ。お客様の反応が「ちょっと便利になりました」ぐらいでは、プロダクトを作る意味はない。その後、CPOである私がレビューするフェーズ3を経て、お客様が本当に利用できる状態にあると判断されればマーケットにリリース。この4つのフェーズで我々は新規事業を起こしています。

及川

既存事業におけるプロダクト開発の流れについても教えていただけますか。

斉藤

既存のプロダクトの機能追加に関しては、すでにユーザーのお客様がいらっしゃいますので、有力なお客様をユースケースにして開発に取り組んでいます。我々が提供するクラウド経営管理システムは、管理会計からお客様に有益な知見を導き出すものですが、業績数値を処理するルールが明確な財務会計とは異なり、企業によって管理会計の手法は千差万別なんですね。財務会計は会社ごとの公約数が非常に大きいのに対して、管理会計の最大公約数は本当に小さいので、我々が作るプロダクトは一定のセグメントを絞った上で最小公倍数を追求すべきだという仮説を持っており、これは新規事業、既存事業に共通するログラスの大きな方針です。既存事業で最小公倍数を作る時、PdMが最も意識しなければならないのは、顧客の経営の成功イメージで、それをしっかりと踏まえた上でお客様と今後の経営のあるべき形について議論し、そこで明らかになった価値ベースのエピックに取り組んでいきます。たとえば、為替を加味して未来を予測しなければ、正しく利益創出ができないという課題が浮かび上がれば、為替変動を見越した利益構造をフォーキャストし、その内容を改善するというアジェンダが設定され、これを解決するためのプロダクトを生み出していくことになる。こうしたエピックを管理し、それをベースに価値別ロードマップを設ける一方で、エピックから生まれる価値を普遍化していくために、広くユーザーのお客様から話を聞かせていただき共通的に機能させる仮説を立て、機能別ロードマップを敷いて開発を進める体制をとっています。

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経営の“As Is”と“To Be”を全員が理解し、最強のプロダクト開発組織に。

及川 

御社のプロダクト開発の流れをおうかがいすると、やはり最初のフェーズでいかに質の高い仮説を構築するかが重要ではないかと思います。個々のPdMが質の高い仮説を作り出していくために、ログラスならではの秘訣のようなものがあるのでしょうか。

斉藤

大きく2つあると思っています。ひとつは経営戦略に基づいて、ログラスが市場で勝ち抜いていくために必要なプロダクト群を明確にしていることです。我々が解くべき大きな課題の枠があって、それを満たすために備えるべきプロダクト群について仮説を置き、基本的にその中からピックアップして新規事業に取り組んでもらっています。何でもやっていいという状態にはしていません。ただし、結構大きな課題の枠を設けており、20~30個の候補の中から仮説を作っていく形にしています。もうひとつは、ログラスで最強のプロダクトを作り出せるのは顧客企業の経営ができる人材であり、これはPdMに限らずセールスやCSにもあてはまることです。顧客を理解するための投資は惜しまない方針であり、私自身も過去、あるお客様のもとで3カ月間、業務委託インターンとして経営管理業務に携わらせていただいたことがあります。お客様の経営数値を集めて、現場の事業部のみなさんと対話し、経営会議の資料を作成するところまでを実際に体験して “As Is”を理解。さらに、あるPEファンドにお願いして、投資先企業の経営を改善するための手法などを教授していただき、“To Be”についての知見も深めました。こうして“As Is”と“To Be”をともに備えることで質の高い仮説が立てられるようになり、メンバーに向けてもこの2つにこだわったマネジメントをしています。

及川

素晴らしいですね。みなさんがそうして顧客の経営を理解できる人材になれば、本当に最強の組織になると思います。ちなみに、いま在籍されているPdMの方々は、どのような経歴をお持ちなのでしょうか。

斉藤

さまざまですね。私のように経営経験のある人間もいれば、エンジニア経験者やマーケティング経験者、あるいは元デザイナーや元戦略コンサルタントの人もいます。ログラスのPdMは経営に対する理解を顧客並みにするという、非常に難易度の高いミッションを課せられるので、まずはそれを担えることが前提になります。逆にプロダクトマネジメントの能力に関しては、いまや習得できるコンテンツがいろんなところにありますし、後天的に獲得しうる変数として捉えています。一方で、経営に関する強い興味関心であったり、事象から仮説を構築する能力というのは、やはりその人にもともと備わっているものだと考えており、採用にあたってはそちらを重視しています。ですから、戦略コンサルタント出身の方などはマッチしやすいですし、新たなチャレンジの舞台になるのではと思っています。

及川

これも公開いただける範囲で結構ですが、御社はどのような採用プロセスをとっていらっしゃるのでしょうか。

斉藤

すべての職種でワークサンプリングテストを実施しています。これは、候補者の方々がジョインした後に期待されている役割と、ほぼ同じワークを短期間で取り組んでいただき、その内容をもとにディスカッションするというものです。ただ、先ほども申し上げた通り、PdMの採用にあたって、このワークサンプリングテストでプロダクトマネジメントの実務能力を計っているわけではありませんので、臆せず臨んでほしいと思っています。そして最終選考でミッションマッチ、カルチャーマッチを非常にシビアに確認させていただいており、その点は妥協せずに選考しています。

及川

PdMとして入社した後、ログラスではどのような形で成長の機会を提供されているのでしょうか。

斉藤

野生でたくましく育っていただく感じでしょうか。ここにはチャレンジに値する最高の課題があり、それを解決するために協力してくれる最高の仲間がいますので、早々に難しい課題をお渡しして仮説構築から取り組んでもらっています。まだジュニアのポジションにある方も、わかりやすい簡単な業務から始めていただくようなことはしませんし、きっとそれだと本人も面白くない。最初から難しい課題に向き合い、社内の優秀な人材と一緒に挑んでいただくことになりますが、逆にこれほど贅沢な成長環境はないとも思っています。

及川

では最後に、ログラスでPdMを担う魅力について、あらためてアピールいただけますでしょうか。

斉藤

再三申し上げている通りですが、我々は「良い景気を作ろう。」という、本当に実現できるのか信じられないぐらいの大胆なミッションを掲げ、AI×経営で日本の企業を変え、日本の経済に良いインパクトを与えていくことに挑んでいます。それはまだ誰も解き明かしていない最高難度の課題であり、だからこそ面白いし、それに対する仮説をログラスのメンバーはみな持っています。もし興味をお持ちなら、面談の場で私の仮説を存分にお話ししたいと思っていますし、我々との対話の中でログラスが秘める可能性を大いに感じていただければうれしいです。

構成:山下 和彦
撮影:波多野 匠

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※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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