ベンチャーキャピタリストの役割・業務
ベンチャーキャピタリストの主な役割・業務は以下の通りです。
- ファンドレイズ
- 資金調達を伴うファンド組成を行います。
十分な投資資金の確保とリスク分散のため、ファンドの運営責任者(GP:General Partner)が機関投資家、個人投資家、事業会社等の外部投資家(LP:Limited Partner)から出資を募りファンドを組成することが主流となっています。
合わせて、ファンドのコンセプト(投資ステージや業種、地域 等)の決定を行ったり、ファンドのポートフォリオを想定し目標とするファンドパフォーマンスの算定を行います。 - ソーシング
- ファンドコンセプトにそった投資すべき有望な企業を見つけるためのリサーチ活動になります。具体的には、インターネットを用いたり候補企業が参加するイベント等で情報収集するなど自ら動く方法もありますが、起業家・エンジェル投資家・他ベンチャーキャピタリストからの紹介も貴重なチャネルであるため、ネットワーキングも重要な活動になります。
また、投資先候補が見つかった後は、当該企業の経営者との面談やピッチを行い、投資対象となり得るかどうかの判断を行い、最終的には投資委員会で決議されます。 - 投資実行
- 投資先が決定したら、投資契約を締結します。
VCは単独投資を行うことが少なくステークホルダーが多いため、条件の調整などは非常に繊細でタフな交渉になります。フォローオンで追加投資することも多いため、先々のことまで考慮に入れる必要があります。また、VC側が一方的に有利になったり、投資先の成長を妨げるような条件にならないよう注意が必要です。 - バリューアップ
- 投資実行がなされた後は、投資先の経営支援を行います。経営陣のタイプやニーズによって支援の仕方は様々であり、VCの方針によっても異なります。
社外取締役として深く経営に入り込むケース、顧客を紹介したり営業に同行したりするケースもあれば、外部からのアドバイスや壁打ちにとどめるケースもあります。また、HR(人材の紹介、制度構築)やPR(メディアリレーション)など特定の領域の支援を行う専門の人材が在籍するVCも増えています。 - イグジット
- 投資先の株式を売却し、投資資金の回収および利益を獲得します。そのほとんどの手法がIPO(株式公開)かM&A(バイアウト)になります。VCはイグジットの計画と、その成功の支援も行います。
- オペレーション
- アドミ、ミドル・バックオフィスなど、VCによって名称は異なりますが、インフラを担う専門のポジションになります。業務範囲は、「ファンド管理」「ディール実行」「投資先管理」「コーポレート業務」など多岐に渡りますが、投資実行までは投資契約書や株主間契約の契約内容の取りまとめや、KYCやデューデリジェンス等の各種手続き、投資実行後も投資先の業績をモニタリングしたり、LPへのレポーティングなども行います。