採用コラム

Column Vol. 73

候補者を見る目が腐っていないか注意せよ

前回、採用には会社を劇的に変える力があると述べました。
ただし、採用にはそれだけパワーがあるだけに間違った人を採用してしまうと
マイナスの方向に作用し、下手をすれば会社を倒産に導く場合すらあります。
力不足でミスの多い人を採用してしまったら、ミスのたびに周囲がカバーしなければなりません。
大きなクレームが入ればマネージャーの業務は1週間くらいストップしてしまうでしょう。
損害賠償が求められるケースもあり得ます。
こういう人は往々にして自分の力量が不足している自覚がないので学習しないし、
かといって簡単に辞めさせることもできません。
こんな採用の間違いがなぜ生じるかを観察していると、言葉は悪いですが社長や人事の
「目が腐っている」ことが多い。
目が腐るとはどういうことか。
現在のようになかなか優秀な人材を採用できない市場環境においては
求人に対する応募数も少なくなります。
すると、少ない応募のなかで良い人を探し出そうとするようになります。
「この人もダメ。あの人もいま一つ……」
そうやって一定水準に届かない人材ばかり見ていると、だんだん目がその水準に慣れていきます。
「目が腐る」というのはこの現象のことで、水準に足りない人ばかり見ていると
自然に判断基準が下がってしまい、その結果、従来なら絶対に採用しなかった水準の人を
採用してしまうのです。
人材に限らず、何でも水準の低いものばかり見ていると判断基準が下がってしまい、
ちょっと良いものを見ると「めちゃくちゃ良い!」と感じるようになるものです。
質の悪い食事ばかりしていると、ちょっと良いものを食べただけで「すごく美味しい」と
感じるのと同じです。
私自身、リクルートの採用担当時代に上司から「お前、最近目が腐ってきたんじゃないか」
と怒られたことがあります。
なんとか数を確保しようとして水準の低い人たちにたくさん会っていたら、自覚のないまま
自分の判断基準が下がっていたのです。
目が腐る現象を避けるには、まず複数の目で判断すること。
社長や人事だけでなく、役員や部門長も交えて確認することです。
ただ、複数の目のすべてが腐っている場合があるので、出会いの数を増やし
良い人材とたくさん会うことが一番の対策となります。
いつも身体に良いものを食べていると、質の悪いものを食べたときに
違和感を覚えるようになります。
採用においても良い人材とたくさん会っておけば、これと同じ効果が生まれるわけです。
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これはと思った候補者を口説き、適切な水準の給与を用意し採用にこぎつけたものの、
期待したほどの活躍ができず短期間で退職してしまうことがあります。
 
その原因は候補者自身の問題が大きい場合もありますが、
候補者を受け入れる自社の体制に問題がある場合も多々あります。
 
はっきり言うと新しいチャレンジをしようとする候補者の足を引っ張る人物や
出る杭を打つ職場の風潮が存在したため、せっかく良い人材を獲得したのに
宝の持ち腐れで終わってしまうケースがあるのです。
 
このような事態を避けるには、優秀な人材が活躍できる環境を整える必要があります。
 
最近、私がお手伝いした事例をご紹介しましょう。
 
当社がご紹介した候補者を「どうしても欲しい」と気に入り、直接自社のビジョンを
語って口説き、良い条件のオファーを出して採用した社長がいました。
この候補者を入社させて、自社をガラリと変えたいと考えてのことでした。
 
しかし採用プロセスを傍から見ていた私には懸念が一つありました。
 
この会社には非常に保守的な考えの持ち主でネガティブな発言が多く、
他人の揚げ足を取りたがる役員が一人いたからです。
 
「せっかく候補者が入社しても、この役員に足を引っ張られるんじゃないか……」
 
しかし、私の懸念は杞憂に終わりました。なんと社長がこの役員を解任したからです。
 
「丸山さん、役員の○○は3月末で退任してもらうことになりました。
懸念をお持ちだったとおうかがいしていますが、どうかご安心ください」
 
社長はそうおっしゃっていました。もちろん候補者に活躍してもらうためだけではなく、
他にも諸々の要因が解任の背景にはあったとは思いますが、
こうした問題をうやむやにする経営者も少なくない中で素晴らしい決断をされたと思いました。
 
保守的な役員を解任したこの会社がその後、どうなったかというと、
1年半の間に売上が2倍以上になり、新たにCTOとCFOを採用し、上場準備に入りました。
 
社長の目論見通り、一人の優秀な人材が入社することによって劇的に会社が成長したのです。
 
やはり会社をガラリと変える力を持つのは採用です。
教育研修も大切ですが、効果が表れるまでには長い時間がかかります。
 
会社を伸ばすも転ばすも採用次第であり、このケースでは既存の役員を解任してでも
優秀な人材に活躍してもらうという社長の意思と情熱が飛躍につながったのだと思います。
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