採用コラム

「ネット転職」で軽薄化する候補者に気を付けろ!

先日、私が行きつけにしている和食店が「一見さんお断り」になりました。
ここは高級料亭と同じ水準の料理を半額以下で出す、グルメには有名なお店です。
積極的に宣伝してはいませんが、いまは勝手にネットの口コミサイトに掲載されてしまいます。
そこから予約がたくさん入るようになったのはよいのですが、そうしたお客はドタキャン率が非常に高く、
しかも連絡先に連絡しても電話口に出てこない。
あてにならない予約客のために常連客も入りにくくなる。
そんな出来事が積み重なった結果、ご主人の堪忍袋の緒が切れて
「もう知り合いしか入れない!」となったのです。
これと似たような事態がネットを通じた採用活動でも生じるようになっています。
高額の料金を支払って求人情報サイトに募集広告を出稿したものの、応募者は集まっても
自社の採用基準には程遠い水準の人が多く、せっかく面接のアポを設定しても
ドタキャンされることがしばしばあるのです。
新卒採用で大企業がエントリー制限を行うのも、こうした事情があります。
ネットの普及は人々の生活を便利にした反面、手軽にアクションをとれることが
軽薄で無責任な行動を誘発しているのかもしれません。
そうした無責任な人たちがたくさん応募してくるうちに慣れてしまい、
以前このコラムで触れた採用側の「目が曇る」現象が生じると、採用の失敗を起こす可能性も高くなります。
もちろんネットを介して応募してくる人たちが全員ダメというわけではありません。
合格水準にまったく達していない人たちから大量に応募があったり、
無責任な行動をとる人たちが少なからず紛れ込んでいたりするので注意が必要だということです。
また、同じネットでも自社サイト内の求人に直接応募してくる人は、
よい人材の割合が比較的高い傾向があります。
ところが企業のサイトを確認すると採用ページをきちんとつくっていないところが目立ち、非常にもったいないと思います。
少し前にお客様から求人のご依頼があったとき、その場で企業サイトの求人ページを拝見したところ、
やはり中身の乏しい内容になっていました。
「これでは自社サイトからの応募がないでしょう。まず求人ページをしっかりつくり、アップしてから
当社にオーダーを出したほうがよいですよ」
そうアドバイスしたところ、後日連絡がありました。
「アドバイス通り求人ページをつくったら、とてもよい人が採用できました!」
我々にとっては良かったのか悪かったのかわからない結果になりましたが、
自社サイトの求人ページの充実は有効であると再確認した出来事でした。
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本来、入社させるべきではない人を入社させてしまい、結果として短期間で退職していくという
採用の失敗を防ぐには、一つ有効な方法があります。
それは社長が内定を出す前の候補者に対し、「この仕事」について直接語りかけることです。
語る、といってもそんなに時間はいりません。5分もあれば十分です。
たとえば、私はこんな内容を語りかけています。
「キャリアコンサルタントの仕事は一人ひとりの候補者の人生を左右するもので
非常に奥深く、勉強することは山ほどあります。
かつ、人と企業とのご縁をつなぐことに真剣に取り組んでいると、そこで結びついた人たちと
自分とのご縁もずっと長期間に渡って続いていきます。
だからキャリアコンサルタントは最高の仕事だと私は思っています」
「当社に一生勤めるつもりはなくてよいしいずれ転職しても構いませんが、
キャリアコンサルタントが一生の仕事とするに足る職業であるのは私が保証します。
せっかく最高の仕事に出会った以上、キャリアコンサルタントを自分の一生の仕事にすべく
取り組んで欲しい。腹をくくって入社して下さい」
要するに、自社の仕事の意義や素晴らしさ、自分の思いと、一生の仕事にするという
覚悟を持って入社するよう語りかけるのです。
もちろん私としても、入社した社員とは一生お付き合いするつもりで関わっていきます。
非常に独りよがりな言い方だと感じる人もいるかもしれませんが、
私は本当にキャリアコンサルタントは最高の仕事だと思っていますし、
思っていることはきちんと伝えたほうがよい。
真剣にビジネスに取り組んでいる経営者であれば、分野は違っても
自身の仕事について同じような思いを持っているはずです。
それはきちんと伝えましょう。
こうした話をすると、「そこまで私は大げさに考えられません」と
辞退する人も出てくることがありますが、それは覚悟の甘い候補者です。
辞退してもらって構いませんし、採用の失敗の防止になります。
実はしばらく私は内定者に対しこの語りかけをやっていませんでしたが、
当社で採用の失敗が発生し、採用プロセスを検証した結果、そのことに気付きました。
いま当社で長く活躍している社員たちは私が語りかけ、そのように関わってきた人たちです。
やはり社長は「この仕事」に対する自分の思いを伝えなければなりません。
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