採用コラム

Column Vol. 70

社長が知らない候補者の上手な口説き方

この連載ではここまで、過熱する人材採用市場において人材と
「出会う場面」の増やし方について述べてきました。
 
採用したいと思う人材に出会えたら、次に自社への入社を意思決定してもらう
「口説く場面」が生じます。
 
ところが、この「口説く」という行為を上手にできていない
企業や経営者をたくさん見かけます。
 
口説きの基本は「鉄は熱いうちに打て」。
 
もちろん自社のスケジュールもありますが、基本的に候補者本位で
口説くタイミングを設定しなければいけません。
しかし人事の動きが鈍いとこのタイミングを逃してしまいます。
 
我々は状況を見て「候補者がこういう状況なので、
出張から帰ったらすぐお時間をいただけないでしょうか」
といったお願いをすることがありますが、
人事の方を通しているとなかなか社長に情報が上がらず
口説きのタイミングを逸してしまうことがあります。
 
中には社長が出張先から候補者へ電話を一本入れてくれれば
気持ちが固まるであろう場面で、
なぜか人事担当者が「やめてください」とガードしてしまうようなこともあります。
 
人事担当者に悪気はないと思いますが、物理的にコミュニケーションラインが増えると
それだけ時間がかかってしまうので、こうした事態を防ぐには社長や人事責任者と
人材紹介会社のコンサルタントがダイレクトに連絡できるようにしておくのがよいと思います。
 
また「候補者を口説いて下さい」というと
「口説くって具体的に何をすればよいのか」と聞かれることがありますが、
これは採用プロセスの段階やその時々の目的によって変わります。
別の言い方をすれば、候補者の志望度やその時々の状況などに応じて目的を設定し、
どんなコミュニケーションをとるのか考える必要がある、ということです。
 
たとえば、社長や人事責任者とお酒の席を設けて
候補者との距離を縮めることはよく行われていますが、
その酒席においてどんな情報を伝え、どんな気持ちになってもらうのか。
たとえばその場で入社の約束までもっていくのか、その手前までにしておくのか。
こうしたゴールを事前に考えておく。
行き当たりばったりでいくと、あまりうまくいかないほうが多いです。
 
ある会社では酒席を終えた後、候補者から「今日は本当に楽しかったです。
もし御社へ入社しなかったとしても、お付き合いをよろしくお願いします」
と言われたケースがありました。
 
これは候補者がズレていることもありますが、酒席が単なる楽しい飲み会になってしまい、
候補者に舐められてしまったわけです。
 
せっかく大切な時間とお金をかけて、候補者と愉快な友人になるだけでは意味がありません。
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激化する人材の獲得競争を制するには、社長が採用に情熱を注ぎ、
採用活動の最前線に立つことが大切です。
 
前回、人材紹介会社の上手な使い方についてお話しましたが、
その点でも社長が直接、紹介会社のコンサルタントに自分たちのビジョンや現況、
理想の人物像について語り、「こんな人に会って採用したい」と伝えることは極めて有効です。
 
理由は大きく2つあります。
 
1つは人事を通じて紹介会社に伝わっている採用したい人物像と、
社長の頭のなかにある人物像には必ずといっていいほどズレがあるからです。
 
紹介会社の立場からすると、社長から直接オーダーを受けることによっていろいろな発見があり、
「人事部長はあんな風に言っていたが、こういうタイプでなければダメなのか」と
求める人物像の理解度も上がります。
 
もう1つは、紹介会社のコンサルタントのモチベーションが高まることです。
サラリーマンは不思議なもので、他社の社長であっても、やはり社長から物事を頼まれると
「これはやらなければいけない」と思う傾向があります。
 
要は言葉の重みが違うのです。
 
人間は“期待”の動物であり、なかでも社長から期待されると
大きくモチベーションに作用します。
 
これは当社のコンサルタントを見ていてよく感じるところです。
年末のある日、突然有名な外資系企業の社長が当社を訪れ、
挨拶がてらその場にいたコンサルタントを集めて自社の採用説明を行っていったことがあります。この社長は機会を見付けてはそうやってコンサルタントたちに働きかけていて、その結果、当社から紹介する候補者の数が増えていきました。私が注力の指示を出していないのに、です。
 
また、一次面接から社長が出てジャッジを行い、「これは」と思う人がいれば
その時点から口説き始める会社もあります。相手の候補者は驚きますし、
入社意欲の高い人ならモチベーションの向上につながるわけです。
 
これも社長が採用活動の最前線に立つ一例です。
 
面接に限らず、社長なら顧客や取引先、業界団体などさまざまなお付き合いがあるでしょう。
その出会いのなかで「この人はいい」と思う人がいれば、やはり声をかけていくべきです。
 
私は以前、かかってきた営業電話のトークが素晴らしかった人がいたので、
生命保険に入る気はまったくないのにアポに応じたことがあります。
実際に会ってジャッジして、よい人だったら入社を口説こうと目論んだのです。
 
このように社長と経営幹部は接する人すべてが自社に必要な人材かどうかを考え、
必要だと判断すればすぐ行動したほうがよいです。
もともと創業したばかりのときはどんな会社でも人が足りず、
社長はあらゆる伝手をたどって声をかけていたはず。
 
いまはそんな採用の原点に回帰すべき時です。
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