2018 May
30
Wed
セミナーレポート
最高のチームと自分を創るリーダーシップ
~Lead the self ! Lead the team !~
伊藤羊一氏 Yahoo!アカデミア 学長 株式会社ウェイウェイ 代表取締役
これまでの歩み ~ライフラインチャートで人生を振り返ろう~
- 伊藤
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私のライフラインチャートをもとに、これまでの人生を振り返ってみたいと思います。
皆さんもぜひメンバーと一緒にやってみるといいです。まず、学生時代。バイト、バンド、デートに明け暮れていましたね。バブル時代だったので、それでも何も考えずに銀行に入れましたが・・・、半年間の新人研修で落ちこぼれてしまいました。このチャートで最悪の状態になっているのは26才の頃、うつになって毎朝仕事に行こうとすると吐いてしまって。
その後、元々自分の担当企業であるプラスに転職しました。プラスは当時数十億の赤字を抱えていたのですが、自分なら何とかしてヒーローになれると思ったのです。実際、自分が入社してプラスは元気になりました(笑)。
私のキャリアで大きな転機となったのは2011年3月の東日本大震災の時、物流復旧リーダーとして会社を仕切った経験です。当時私は43、44才くらいでしたが、その時初めて自分で意思決定をしたわけです。プラスは文房具以外にも水・軍手・長靴なども取り扱っていたので、被災地に役立てることができました。その時私が学んだことは、
やらないことを決めること。
です。何をするか、何をしないか、を決めないといけない。例えば水などの輸送は九州などの東北以外の地域はストップして、東北だけに送る。
では、どうやって決めるか?ジャングルにいて生きるか死ぬかというときに、ホワイトボードにマトリックスを書いて決めますか?これはもう、直感で決めるしかないんです。
自分の譲れない主張を持つこと。
これが大事です。その後、プラスのメンバーにもコミュニケーションスキルが必要ということでトレーニングに携わるようになり、その流れでグロービスの講師も務めるようになったことが縁でヤフーの宮坂さんと知り合い、今に至ります。
ここまで長々と時間配分を無視して(「1分で話せ」という本を書いているのに、笑)自分の人生を話してきたのには理由がありまして、自分の人生を振り返ることが超重要だと思っているからです。
私が20代うつだった時は、世界が靄がかかったようにうっすら見えている状態だったけれど、今は楽しくて朝の5時前に起きてしまうんです。どちらの自分も紛れもなく自分なわけで、これはどういうことかというと、自分の譲れない思いは、
人は変われる。全てはフラットである。仲間に裏切られたくない。
ということです。人は変われるということを伝えたくて、ヤフーアカデミアの活動をしています。
最高のチーム、リーダーとは?~自身を知り、ひとりひとりの力を最大化する~
- 伊藤
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さて、時間が足りなくなってきて今絶望的な気分になっていますが(笑)、今日はマネジメントについて皆さんとちゃんと定義したいと思っています。
リーダーとは何をリードする人でしょうか?
Lead the society
Lead the people
Lead the selfデルフォイの神託で「汝自身を知れ」という言葉が有名ですが
内省と対話
が重要だと思っています。皆さんはドラマ「下町ロケット」をご覧になりましたか?阿部寛演じる社長が熱狂するから、社員も熱狂するんですよね。それから、経営者の皆さんはメンバーに未来を意識させることが多いと思うんですが、覚えておいていただきたいのは過去が現在につながるということです。
過去→現在→未来
花畑の未来を想像してもそうはなりません。未来は今日の蓄積でしかないのですから。未来を変えたいのであれば、Nowを変えることです。
最高のチームとはどのようなものでしょうか?
チーム→目的
チームの力を最大化にすることです。そのためには、順番があります。
① まず、チームの目的を共有する。
② ひとりひとりに寄り添い、信頼関係を築く。
③ ひとりひとりの力を最大化する。マネジメントは1:1でやります。ここが重要です。なぜか?例えば今日ここに30数名の経営者の方が私の話を聞いていますが、感じ方はそれぞれ違うでしょう。それは、各自価値観・コンディションが異なるからです。だから1:1のマネジメントが必要なんです。1:1のマネジメントはコーチングであり、ティーチングであり、フィードバックの場です。
最後に、私が今日皆さんにお伝えしたかったのは、日本の人口減少についてです。
今後5年で500万人減ると言われています。これは世界的な傾向だと思われるかもしれませんが、ここまで劇的に人口が減っているのは日本と韓国だけです。
人口はその国の発言力と比例しますから、日本の国際的な発言力は落ちていきます。2050年にはコンゴやその他アフリカ諸国が日本に取って代ることになると予測されています。もうこれは景気循環で語れる問題ではない。その中で今我々は何を目指すのか。未来は天から降ってくるものではありません。
未来を創るのは、ここにいる我々ひとりひとりです。つまり、今の我々ができることは、ひとりひとりの力を最大限引き出してチームの力を最大化することなんじゃないかと思います。
構成:神田 昭子
開催予定セミナー

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- 2025年6月10日
- time
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パートナー 村田 純一氏
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