採用コラム

Column Vol. 55

1回の開催で10回飲みに行くより相互理解が深まる「木鶏会」とは?

社内コミュニケーションの活性化につながった当社の取組みとして、 前回はフィロソフィの共有活動についてお話しましたが、 今回はもう一つ別の取組みについてお伝えしたいと思います。

それは毎月1回開催している「木鶏会」という活動です。 これは『致知』という人間学の雑誌を読み、 感想文を書いて社員同士で発表し合う会で、 感想文の分量は一言でもよいしたくさん書いても構いません。

『致知』にはたとえば、まったくの素人から競技をはじめ それぞれ多くの世界記録を持つようになった 100歳の現役スイマー・長岡三重子さんと 91歳の現役スプリンター・守田満さんとの対談など、 人間のあり方に関する非常に濃い記事が毎号掲載されています。

要は非常な努力をして卓越した成果をあげたり、 理想を実現するために多大な困難と格闘したりしている人たちの 生々しい話を読み、 自分はどう感じたかを感想文にしてもらうのです。

すると、だいたいの人は自分の個人的なことと 重ね合わせた内容を書いてきます。

「実は、父は私が大学1年生のときに大病になって…。 だから、私もこんな思いで仕事に取り組んでいます」

そんな感想文が発表されて、 すすり泣く声が聞こえてくるようなときもあります。

あるいは仕事に関する不安を率直に書いたり、 会社に対する思いを書いてくる人もいます。

このように感想文は何を書いてもよいのですが、 話を聞くときは「美点凝視」がルールです。

つまり、他人の揚げ足をとったり批判的にコメントしたりするのではなく、 その人の良いところを見付けてフィードバックしていくのです。

美点凝視がルールなので、参加者はみんな安心して気持ちよく話ができ、 相互理解は一気に深まります。

木鶏会を1回開催すると、 おそらく部下と10回飲みにいくより効果があると思います。

新入社員のフィッティグという観点から見ると、 木鶏会は職場にどんな人がいるのを理解し、 同時に自分のことを前向きに理解してもらえる「安心の場」となり、 新人の早期デビューにつながります。

ただし、木鶏会のような取り組みが肌に合わないという人がいるのも確かです。

このミスマッチを防ぐには入社前、内定を出すときに 「当社ではこんなことをやっている」ときちんと説明しておくことです。

「木鶏会のような取り組みが嫌なら、当社に入社してはいけませんよ」と。 それは社風に合うかどうかのスクリーニングにもなるわけです。

次回は新人への対応についてお話します。

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これまでに新人をフィッティングする一つの方法として スーパービジョンを多くの方に直接お勧めしてきたところ、 大変ご好評をいただいています。

では具体的にどうやっているのかについて、今回はお話しましょう。

前回までにお話したように、新人を組織にフィッティングし 定着させるうえで重要なポイントは コミュニケーションを増やし、活性化する点にあります。

コミュニケーションが少ないと新人は孤立したり、 社内のルールや慣行を勝手に曲解したりして、 本来の力の発揮できない状態が続く恐れがあります。

スーパービジョンのように コミュニケーションを目的に始めたわけではありませんが、 結果として社内のコミュニケーションを増やし、 活性化することになった取り組みが当社にはいくつかあります。

その一つが会社のフィロソフィを社員で共有する活動です。

当社では仕事をしていく上での基本的な価値観や考え方を 38項目にまとめたフィロソフィにしています。

これを社員が理解し、自分の血肉としていくために 毎朝5~10分間、5~6人のチームに分かれ 38項目あるフィロソフィのなかから1つを選び、 それについての自分の意見、感想を自由に述べあう会を開いています。

仕事のなかで起きるいろいろな出来事を通じ、 社員からはフィロソフィに対するさまざまな意見や感想が出てきます。

たとえば「お客様のところに打ち合わせに行ったときに、 こんなお褒めの言葉をいただきました。 なぜ高い評価を頂けたかを考えると、 このフィロソフィに基づいて行動した結果だと思います」 といった具合です。

さらに、それに対して他の社員から 「その出来事はこのフィロソフィともひもづいているね」 といった意見や感想も寄せられます。

このようにしてフィロソフィに対する理解をみんなで深めていくのですが、 この活動を通じて自然に社内のコミュニケーション量が増え、 さらには「この人はこんな思いや価値観を持って仕事に取り組んでいるんだ」 と相互理解も深まっていきました。

この活動では社歴順に話をするので、 新人は真っ先に話をすることになります。

そこには自ずとその人の価値観や伝えたいことが入ってきますし、 基本的にみんな前向きに話を聞いてくれる場なので、 気持ちよく安心して話ができます。

加えて拡大版として週1回、ランチの時間に45分間、 全社員が集まってフィロソフィを共有する会を開催しています。

このときのチームは毎回くじ引きで決め、 部署に関係なくメンバーはシャッフルされるので、 普段接する機会のない社員同士がお互いを知る機会にもなっています。

次回は社内コミュニケーションの活性化につながった もう一つの取り組みをご紹介いたします。

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