採用コラム

Column Vol. 53

「仕事について何を聞いても話してもいい」機会をつくる

これまでに新人をフィッティングする一つの方法として スーパービジョンを多くの方に直接お勧めしてきたところ、 大変ご好評をいただいています。

では具体的にどうやっているのかについて、今回はお話しましょう。

場のルールは1つだけで、「仕事に関することなら何を聞いても話してもいい」。 これをつくる前は家庭環境や個人的な相談を受けることがありました。 相手を理解する意味ではそれもよいのですが、 会社はそういう場でもないということでこのルールを設定しています。

ポイントはひたすら相手の話を聞くこと。 そして質問には面倒くさがらず、ていねいに答えてあげることです。 要はコーチングと同じで、それを社長や経営幹部が新人に対して やってあげるというイメージです。

アドバイスをしてやろうとか、自分の言うことを聞かせようとしてはいけません。 まして説教スタンスで臨むのはもってのほか。 普段よりも心を広くもってひたすら話を聞き、きちんと答えてあげることが大切です。

本当にどうしようもないことを言う人もいるし、 イラッとする質問をされることもありますが、 そこは堪忍袋の緒を強くして会話をしましょう。 すでに信頼関係のできている中堅社員とスーパービジョンを行う場合は ときに厳しく接してもよいと思いますが、 新人と行うときはあくまで相手をしっかり理解してあげる姿勢を持つことです。

9時30分始業の当社では、スーパービジョンは8時40分から9時までと、 9時から9時20分までの2回という始業前に時間を設定しています。 これはあくまでスーパービジョンは授業中ではなく寄宿舎で行うものと位置づけているからです。 実際、勤務時間中に行う面談とは私の心構えも違うし、その場の雰囲気もまったく異なります。 飲みに行ったときと同じようなカジュアルな感じです。

ひょっとすると昔なら、スーパービジョンで行うようなコミュニケーションは 飲みにいったり仕事中に四方山話をしたりするなかで行われていたのかもしれません。 思い返すと私が若かった頃は夜の7時、8時くらいになると 上司がいろいろな話をしてくれたものです。

しかし現在の会社にそんな余裕はありません。 その現実を踏まえれば新人とのコミュニケーションを増やし、 活性化する何らかの仕掛けが必要だと思います。

ちなみにスーパービジョンの発展形で「夜のスーパービジョン」も行っています。 これも私と飲みながらじっくり話をしたい社員が申し込むと実施されるものですが、 さすがに新人からの申し込みはめったにありません(笑)

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前回は中途採用者を自社にフィッティングさせる一つの方法として、 当社で実施している「スーパービジョン」を紹介しました。 改めてご説明すると、これは仕事に関することならなんでも社員が 社長と話をできる機会を設ける制度です。 基本的に社員からの申込み制ですが、新人に関しては週に1回、必須で行っています。

「新人の悩みを聞き、答えてあげるのはマネージャーの仕事ではないか」 と思われる方がいるかもしれません。確かにそうした側面はあるかもしれませんが、 とくに中小企業の場合、歴史的な背景も含めて社長や経営幹部が仕事のやり方や 考え方について話をしたほうが、新人は腹落ちしやすくなります。

普段、新人と密着して仕事をしていない社長の視点で見てあげることによって、 現場の視点だけでは見えない問題が見えてくるというメリットもあります。

マネージャーは新人が朝から晩まで頑張っている姿を傍らで見ています。
そのため往々にして新人とおなじもやがかかり、 本来なら見えるものも見えなくなったりしがちです。 しかし普段、新人と一緒に仕事をしていない社長や幹部は そういう事情は加味せず結果だけを見て話をしますから、 的を射たコメントをある意味、冷徹にできるわけです。

何より週に一回、社長と二人で話をする機会があると新人は 「何を話そうか」と一生懸命いろいろなことを考えるので、 スーパービジョンの時間は濃密で有益なものになります。
当社のような中小企業でさえ、新人から見た社長との距離は非常に遠く感じるので、 その離れた距離を縮めるよい機会にもなります。

スーパービジョンで話した内容で気になることがあればマネージャーにフィードバックし、 連携していけばますます戦力化のスピードも上がっていきます。

スーパービジョンという仕組みを使うかどうかはともかく、 新人が疑問や不安、あるいは言いたいことを抱えているなら、 こちらからなるべく早くコミュニケーションをとって解消してあげるべきです。
コミュニケーションが少ないと新人が職場で孤立したり、 勝手に組織のルールを解釈してつまずいてしまったりする恐れが高まります。

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