採用コラム

Column Vol. 52

社長自身が新人のフィッティングに取り組むべき理由

前回は中途採用者を自社にフィッティングさせる一つの方法として、 当社で実施している「スーパービジョン」を紹介しました。 改めてご説明すると、これは仕事に関することならなんでも社員が 社長と話をできる機会を設ける制度です。 基本的に社員からの申込み制ですが、新人に関しては週に1回、必須で行っています。

「新人の悩みを聞き、答えてあげるのはマネージャーの仕事ではないか」 と思われる方がいるかもしれません。確かにそうした側面はあるかもしれませんが、 とくに中小企業の場合、歴史的な背景も含めて社長や経営幹部が仕事のやり方や 考え方について話をしたほうが、新人は腹落ちしやすくなります。

普段、新人と密着して仕事をしていない社長の視点で見てあげることによって、 現場の視点だけでは見えない問題が見えてくるというメリットもあります。

マネージャーは新人が朝から晩まで頑張っている姿を傍らで見ています。
そのため往々にして新人とおなじもやがかかり、 本来なら見えるものも見えなくなったりしがちです。 しかし普段、新人と一緒に仕事をしていない社長や幹部は そういう事情は加味せず結果だけを見て話をしますから、 的を射たコメントをある意味、冷徹にできるわけです。

何より週に一回、社長と二人で話をする機会があると新人は 「何を話そうか」と一生懸命いろいろなことを考えるので、 スーパービジョンの時間は濃密で有益なものになります。
当社のような中小企業でさえ、新人から見た社長との距離は非常に遠く感じるので、 その離れた距離を縮めるよい機会にもなります。

スーパービジョンで話した内容で気になることがあればマネージャーにフィードバックし、 連携していけばますます戦力化のスピードも上がっていきます。

スーパービジョンという仕組みを使うかどうかはともかく、 新人が疑問や不安、あるいは言いたいことを抱えているなら、 こちらからなるべく早くコミュニケーションをとって解消してあげるべきです。
コミュニケーションが少ないと新人が職場で孤立したり、 勝手に組織のルールを解釈してつまずいてしまったりする恐れが高まります。

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中途採用を久しぶりに再開した会社でよく起こりがちなことに、「採用プロセスを進めるスピードが遅い」があります。昔、採用を担当していた方が再び担当者になると、以前の感覚で仕事を進めるため、現在の採用環境においては相対的に遅いという事態が発生するのです。「遅い」が採用活動の大きなマイナスになることは、以前、このメルマガでも触れた通りです。

そんなとき、私たちは失礼にならないように「もう少し速くしていただいたほうが、よい採用ができる可能性が高まります」とお伝えしますが、「そうしたいのは山々ですが、いろいろ社内の事情が……」と言われることがあります。そうなると、結果としてよい人材の採用は困難になってしまいます。

この「社内の事情が」というフレーズが出てきたら要注意です。ビジネスの根本はライバルと競争してお客様を獲得することで、そのためには当然、自分たちよりお客様の都合を優先しなければなりません。採用もこれと同じで競争ですから、候補者をメインの位置に置かないとライバル企業にさらわれてしまいます。

ただ難しいのは「社内の事情」を優先している事実に、自分たちではなかなか気付けないことです。実をいうと弊社でもそんなことがありました。

少し前まで弊社では土曜日の候補者面談を実施していませんでした。月曜日から金曜日まで思い切り働いて、週末はしっかり休もうと考えていたからです。ところがある時期から「弊社は土曜日休業です!」というと、同業の人から「本当ですか!」驚かれるようになりました。

気になっていろいろ聞いてみると、外資系コンサルティング会社で働く多忙なコンサルタントなどはどうしても土曜日しか動けないので、土曜日に面談を行っているとのことでした。また、メーカーのエンジニアは都心から外れた場所にある研究開発施設で働いている人が多いので、やはり土曜日しか面談ができない。

というわけで、遅ればせながら弊社も土曜日も面談することにしました。さきに偉そうなことを言いましたが、自分たち自身が自社の都合を優先し、マーケットを無視していたのです。もし気付いていなかったらと考えると、非常に恐ろしい。

やらない理由もできない理由も探せば山のようにあるので、社内事情を優先させていることを自覚するのはとても難しいのです。したがって「社内事情を優先させていないか?」と自社を常に見直す視点を持っておかないと、人材獲得競争に負けてしまいます。

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