採用コラム

Column Vol. 18

「価値観競争時代」に発展するために何をすべきか?

会社で「フィロソフィー」を重視しその浸透に取り組んでいるというと、「そんなことをして儲かるの?」と聞かれることがあります。しかし、私はフィロソフィーの確立と浸透こそが今後、唯一の利益を上げる道であると確信しています。

ビジネスは弱肉強食の世界ですが、だからといって勝つために相手を騙したり、ワナにはめたりしていたら周囲の信用を失い、長期的に勝ち続けることはできません。勝ち続けるには顧客、取引先、社員を含めどれだけ周囲の支持を得られるかが重要になります。そのためには世の中の原理原則に立脚し、正しくきれいな心で事業に取り組まなければなりません。

需要が伸びていた時代であれば、フィロソフィーを確立しなくても市場全体の成長に乗ることで会社は成長できました。全体のパイの成長がいろいろな瑕疵を覆い隠してくれたのです。ところが供給が需要を上回る時代に入ったいま、成長時代の価値観のままでは会社も個人も立ち行かなくなってしまいます。それぞれの根源的な価値観が問われるようになったわけで、現在は「価値観競争の時代」に突入したといえます。

もちろん現在でも一部には目覚ましく伸びている分野や、アジア諸国など国によっては大いに成長しているところもあります。そうした世界ではまだ成長パラダイムが通用するかもしれません。しかしいつまでも成長が続くかどうかはわかりませんし、成長パラダイムが通用する世界においても価値観による競争力強化は有効です。

したがって、この点からも働く人や経営者はスキルを磨くだけでなく、心を磨く必要性が高まっています。ではどうすれば心を磨けるのか。それは仕事をおいて他にないと私は考えます。真剣に自分の役割と向き合い、成果にコミットメントして一生懸命頑張る。その行為を通じてのみ人格は磨かれるのです。もちろん本を読んだり人の話を聞いたりすることも大切ですが、仕事のなかで実践していかないとせっかく本で気付きを得ても身に付きません。

世の中の会社の大多数は経営理念を持っています。ある程度の規模があれば、ほぼ100%持っているでしょう。ところが、その内容を実践している企業はどれだけあるかといえば、残念ながらきわめて少数だと思います。しかし、前述したようにいまや価値観競争の時代に入り、3.11がその潮流を一気に加速させました。

このパラダイムの変化に気付き、考え方や仕事への取り組み方を変えられるかどうか。そこに低成長時代において、会社や個人が発展できるかどうかのカギがあると思います。

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経営者が「なんのためにこの事業に取り組んでいるのか?」「自分たちはどこへ向かっているのか?」といった根源的な問いに向き合い続けなければいけない理由について前回は触れましたが、社員の方も「何のためにこの仕事をしているのか?」「自分はどうありたいのか?」といった問いを考え続けることが必要です。

ただし、すぐに問いの答えが見つかって行動に移せる人はよいのですが、実際にはずっと考え続けてもなかなか答えが出せず、立ち止まっている人が多いと感じます。もし「自分のやるべきことは何だろうか」と一定期間考えてピンとくる答えが出てこなかった場合、いったん考えることをやめてまずは行動してみることをお勧めします。

たとえば転職相談会を開催すると今の会社で働き続けるのか、それとも転職すべきかで半年も一年も考え続けている人を見かけることがあります。「今のままの仕事でよいのだろうか……」と悩んでおられるのですが、現在置かれている状況をおうかがいするとすぐに転職する必要性はないものの、転職はやめたほうがいいと判断する理由もない。こうした「これ以上考えても結論は出ない」という人には、こんなアドバイスを私はします。

「期限を決めて、真剣に転職活動をしてみてはいかがですか。そのなかで今の仕事よりやりたいと確信の持てる仕事や会社に出会ったら転職し、出会わなかったら腹をくくっていまの仕事に没頭しましょう」

こうアドバイスすると、みなさんスッキリした顔をされます。

結局、実際に動かないことには何もわからないし、状況も変わりません。ここでいう「動く」とは転職することではなく、いろいろな会社を調べて話を聞きに行ったり、人のアドバイスを受けたりすることを指します。「計画された偶然」という概念が示すように、人のキャリアは偶発的な要素によって決定される部分が大きいので、よりよいキャリアを築くにはその偶然を計画的に起こしていかなければなりません。

動いてみなければわからない、何もはじまらないというのは事業や経営も同じです。当社では人材紹介事業のほかに高級家具やシステムキッチンの販売も手がけていますが、過去にこの事業が行き詰まったことがあります。そのとき、打開のカギになったのはとにかく行動してみることでした。

「このままではジリ貧になる」と危機感をもった私は一晩考え、打開策として商品をイタリアかドイツから輸入したらどうかと思い調べたところ、たまたまイタリアビジネスに詳しい人と知り合い意気投合。その翌月にはイタリアへ飛び、そこで知り合ったサプライヤーと契約することで、一気に経営危機から脱出できたのです。

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