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公開日:2025年12月11日

企業のDX推進やマルチプロダクト化を背景に、プロダクトマネージャーを求める企業は年々増加し、採用市場は拡大が続いています。シニアの即戦力採用が進む一方、育成前提の未経験・ジュニアポジションも増加しており、キャリアの入口と選択肢が広がりつつあります。
本レポートでは、弊社が保有するプロダクトマネージャーの求人データをもとに、採用動向・報酬トレンド・市場構造の変化を分析。さらに、実際に弊社が転職をご支援した決定者実績をふまえ、プロダクトマネージャーの転職市場の実態と、これからのキャリア形成の方向性を紐解きます。

プロダクトマネージャーの求人数は、
3年間で約1.6倍に増加

プロダクトマネージャーの求人数は、直近3年間で324件(2022年度)→ 381件(2023年度)→ 522件(2024年度)となり、約1.6倍に拡大しました。
この数年で、企業の経営・事業運営において「プロダクトを軸に事業を伸ばす」という考え方がますます浸透しています。SaaSやITベンチャーのみならず、流通・金融・製造といった領域の大企業でもDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める中でプロダクトマネージャーを採用する動きが増えています。

また、近年ではプロダクトマネージャーは経営と現場をつなぐ事業推進の要としての重要性が高まり、成長フェーズの企業を中心にプロダクトマネージャー採用の強化が進む一方、即戦力人材の争奪が激しく、経験が浅くてもポテンシャルのある人材を育成する動きも広がっています。プロダクト志向やユーザー中心設計といった志向特性を重視し、エンジニア・デザイナー・コンサルティングファーム出身者など、異職種からプロダクトマネージャーにキャリアチェンジするケースも増えています。

プロダクトマネージャーの求人数の推移
プロダクトマネージャーの求人数の推移図

※2022年度~2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

会社規模別にみたプロダクトマネージャーの求人数の推移

プロダクトマネージャーの求人が拡大する流れは、企業の規模や成長段階によってその背景が異なります。本データでも、社員数50名以下の小規模ベンチャーから1,000名超の大企業まで、幅広い層でプロダクトマネージャーの採用が増加しており、それぞれのステージで採用の目的と求めるプロダクトマネージャー像が異なる傾向が見られます。

1,000名以上の大企業では、DXの加速と新規事業創出を背景に、プロダクトマネージャーの採用が拡大しています。流通・小売、金融(保険)、消費財メーカーなど、エンドユーザー接点を持つ事業領域で新サービス開発を担うプロダクトマネージャーの募集の増加も特徴的な動きの一つです。また、既存の給与制度とは別に柔軟な報酬体系を設定できるデジタル子会社を設立し、プロダクトマネージャーを採用する動きも広がっています。こうした企業では、単なるプロダクト開発を超え、事業変革を主導できるプロダクトマネージャーが求められています。

数百名〜千名規模の成長ステージにある企業は成長スピードが速く、事業領域や顧客層の拡大にあわせてプロダクトが増え続けています。急拡大する市場や顧客基盤に対応し、戦略的にプロダクトを進化させるためのリソース配分と計画策定が必要になったことが、プロダクトマネージャーの需要を押し上げる要因となっています。また、マルチプロダクト戦略やコンパウンド戦略の推進に伴い、TechPMやデータ基盤PMなど、技術やデータ基盤に特化したポジションも増加しました。そして、育成前提での採用を積極的に進めているのもこのステージの企業です。シニアなプロダクトマネージャーが多く在籍しているため、他の成長ステージよりも比較的育成にリソースを割きやすいことや、プロダクトの数が多いため、未経験者のバックグラウンドに応じて能力を発揮しやすい配属先が検討できることなどが理由です。

50名以下〜100名規模の企業での採用背景は、PMFフェーズにおける顧客理解と事業拡大の要としてのプロダクトマネージャーの重要性、少人数組織ゆえの業務範囲の広さと裁量の大きさ、といった要因が挙げられます。このフェーズの企業では、プロダクトマネージャーがプロダクトと事業の両輪の牽引を担う存在であり、事業成長のスピードと方向性を決定づける中核人材としての重要度が一層高まっています。

さらに近年では、AI技術の実装やデータ利活用を軸にしたプロダクト開発が進む中で、AI×プロダクトマネージャーといった求人も生まれ始めています。特に2025年10月時点では、AI活用が積極的でかつAIに関連した発信も多い企業が採用市場で目立っており、求職者の関心も高い傾向にあります。今後もAI×プロダクトマネジメントの経験のある人材の獲得競争はさらに加速していくことが予想されます。

プロダクトマネージャーの求人数の推移
プロダクトマネージャーの求人数の推移図

※2022年度~2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

年収トレンドから見るプロダクトマネージャー市場の変化

年収帯別の推移を見ると、2022年度から2024年度にかけて、全体の求人数が約1.6倍に増加するとともに、年収1,000万円以上の求人比率が拡大しています。

・年収1,000〜1,499万円帯:181件 → 213件 → 312件と3年間で約1.7倍に増加
・年収1,500万円以上の求人も増加傾向で、2024年度には全体の約20%を占める水準に拡大

一方で、年収500〜999万円帯の求人は66件 → 63件 → 90件とやや増加傾向にありますが、市場全体としては高年収レンジのプロダクトマネージャー採用の増加が目立ちます。 この変化は、プロダクトマネージャーという職種が「事業成長のドライバー」として、より経営視点を持つ人材への投資が進んでいることを示唆しています。

次に、年度別の年収中央値を見ると、「2022年度:978万円」→「2023年度:1,006万円」→「2024年度:964万円」と推移しており、1,000万円前後で横ばいとなっています。2023年度に一時的な上昇が見られるものの、2024年度はやや落ち着き、プロダクトマネージャー職の年収レンジが安定的に形成されつつある状況です。

年収帯別に見た
プロダクトマネージャーの求人数の推移
年収帯別に見たプロダクトマネージャーの求人数の推移図

※2022年度~2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

高年収帯の求人増加は、プロダクトマネージャーに求められる事業成果の再現性を適正に評価する動きが広がっていることの表れです。
企業は、プロダクトを通じてどのように成果を生み出してきたか、その意思決定と実践のプロセスを重視しています。こうした傾向からも、プロダクトマネージャーに求められるのは「成果を再現できる力」であり、その力をどのように可視化・言語化するかが、今後のキャリアを左右するポイントになるといえます。
加えて、高い付加価値を生み出せるプロダクトマネージャーには、「しっかりと対価となる年収を提示する」という狙いが加速してきたことも高年収帯の求人が増加した要因として考えられます。

一方で、年収と期待値、キャリア形成に関し注意すべき点もあります。年収は入社後に期待される成果と責任の大きさを伴っている点を踏まえて考える必要があります。過度な年収アップは、入社時点で企業からの期待値を大きく引き上げるリスクがあります。その結果、「早期に成果を出さねば」というプレッシャーが強まり、環境に慣れる前に焦りを感じてしまうケース、早期にグレードや年収を下げざるを得ないケースもあります。

年収交渉においては、短期的な金額よりも、長期的に成果を出せる環境かどうかを重視することが推奨されます。自分のペースで成果を積み重ね、実績とともに報酬が上がっていく仕組みを選ぶことが、結果的に最も持続的なキャリア形成につながります。年収は成果の後からついてくることを意識することで、短期的な条件に左右されず、自身の市場価値を長期的に高めていくキャリアを描くことができるでしょう。

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ビジネスモデル別にみたプロダクトマネージャー求人の特徴

2024年度のプロダクトマネージャー求人をビジネスモデル別に見ると、BtoB領域が全体の72.4%を占め、プロダクトマネージャー採用の主戦場となっています。続いてBtoC領域が24.3%、BtoBtoC領域が3.3%と続き、BtoB中心の求人市場が形成されています。

BtoBのプロダクトマネージャー求人が増加している背景には、企業のDX推進と業務系SaaSの専門化があります。会計、人事労務、法務など、専門領域に精通したドメインエキスパートPMへの需要が拡大しており、業務フローの理解力やクライアントとの調整力が重視されています。また、BtoBではプロダクトマネージャー自身がユーザー体験をしづらく、その分、顧客理解・課題構造化・複雑なステークホルダー調整が求められる点が特徴です。

BtoCプロダクトでは、 膨大なデータ量を活かしたデータドリブンな意思決定が特徴です。プロダクトマネージャー自身がユーザーになれる環境で、行動データやA/Bテストを高速に回す能力が求められます。一方、UX/UIデザインや顧客体験設計の知見を磨ける環境として、BtoC領域は依然として魅力的なキャリア育成フィールドと言えます。

プロダクトマネージャー職の市場は拡大とともに、業界や事業モデルごとに求められる役割やスキルが明確に分かれつつあります。自身がどの領域で強みを発揮できるのかを見極めることが、今後のキャリア形成の鍵になります。

ビジネスモデル別にみた
プロダクトマネージャーの求人構成比
ビジネスモデル別にみたプロダクトマネージャーの求人構成比図

※2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

ビジネスモデル別・年収層別にみるプロダクトマネージャー求人の特徴

2024年度の求人データをビジネスモデル別に見ると、BtoB領域が求人数・報酬水準の両面で市場を牽引しています。BtoB領域では、年収1,000〜1,499万円帯が230件と最も多く、全体の中核を構成しています。さらに、1,500万円以上のレンジ(計84件)も一定数存在し、高年収層の採用が活発です。一方で、500〜999万円帯(64件)の求人も見られ、育成前提のプロダクトマネージャーやミドルクラス層も採用対象に含まれています。即戦力人材には高い報酬を提示しつつ、将来的な成長を見据えた育成層の採用も進むなど、「即戦力採用」と「育成採用」が並行して進む二層構造が形成されているのが特徴です。

BtoC領域でも、年収1,000〜1,499万円帯が73件と中心的なレンジを形成しています。続いて、1,500〜1,999万円帯が28件、2,000万円以上のレンジが5件と、上位レンジの求人も一定数見られます。一方で、500〜999万円帯(21件)の求人も存在し、経験層に応じた幅広い報酬設計が行われていることがうかがえます。特に、データ分析やグロース領域で成果を上げられるプロダクトマネージャーには、高い報酬水準が提示されています。

プロダクトマネージャー職の市場は拡大とともに、業界や事業モデルごとに求められる役割やスキルが明確に分かれつつあります。自身がどの領域で強みを発揮できるのかを見極めることが、今後のキャリア形成の鍵になります。

ビジネスモデル別・年収帯別の
プロダクトマネージャー求人数
ビジネスモデル別・年収帯別のプロダクトマネージャー求人数図

※2022年度~2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

経験要件別に見るプロダクトマネージャー採用の現状と変化

2022年度から2024年度にかけて、プロダクトマネージャー求人は拡大を続けています。経験別に見ると、「経験必須」の求人が2022年度289件 → 2023年度349件 → 2024年度478件と、3年間で約1.6倍に増加し、市場の中心を占めています。一方、「未経験者歓迎」の求人は35件 → 32件 → 44件と微増にとどまり、構成比では8〜11%前後で推移しています。「未経験者歓迎」の求人は全体比率としては小さいものの、プロダクトマネージャー組織が成熟したテック系企業やメガベンチャーでは、育成を前提とした採用が進み始めています。複数名のプロダクトマネージャーが在籍する環境では、エンジニア・デザイナー・プロジェクトマネージャー・ディレクター・コンサルタント出身者等を「プロダクトマネージャー候補」として採用し、CPOやシニアPM等が中心となりチームで育成を行う仕組みを整える企業も増えています。

全体として、プロダクトマネージャー市場は、即戦力採用を軸にしながら、未経験者のポテンシャル採用も並行して進む構造が定着しています。

経験別にみた
プロダクトマネージャーの求人数
経験別にみたプロダクトマネージャーの求人数図

※2022年度~2024年度に企業より新規でお預かりした求人実績を基に作成

弊社の転職支援実績から紐解くプロダクトマネージャー転職の実態

2024年度に弊社を通じてプロダクトマネージャーとして転職が決定した方々をキャリアステージ別に見ると、ジュニア層が42.9%、ミドル層が31.2%を占め、両者で全体の約7割を構成しています。決定者の中心は、実務経験を有しながらも次のステージでの成長を志向する層であり、企業側ではこのレンジを中心に採用が進んでいます。

シニア層は13.0%となっており、前職の多くは、SaaS、インターネット、教育などのプロダクトを軸に事業を展開する企業であり、転職先も上場企業や大手企業、メガベンチャーなどプロダクト組織が成熟した企業群が中心です。一方、企業からのニーズとしてはシニアクラスの需要が非常に高く、現状ではシニア人材の供給が圧倒的に不足している状況です。

また、未経験層も13.0%を占めており、エンジニア・デザイナー・コンサルタントなどの他職種からプロダクトマネージャーへキャリアを移す動きも見られます。これは、プロダクトマネージャー育成を前提とした採用を進める企業が増えていることも背景の一つです。

プロダクトマネージャーの
キャリアステージ別にみた
決定者の構成比
プロダクトマネージャーのキャリアステージ別にみた決定者の構成比図

※2024年度の決定者実績を基に作成

次に、年収トレンドから見るプロダクトマネージャー決定者の変化をみると、2022年度から2024年度にかけて、転職時の理論年収はすべてのキャリアステージで上昇傾向を示しています。

プロダクトマネージャーの
キャリアステージ別にみた
決定者の理論年収の推移
プロダクトマネージャーのキャリアステージ別にみた決定者の理論年収の推移図

※2024年度の決定者実績を基に作成

特にシニア層では、3年間で約317万円の上昇が見られ、この層の人材への年収水準が一段と高まっています。ミドル層も同様に約885万円から約962万円まで上昇しており、即戦力性が特に高いプロダクトマネージャーの提示年収が上昇している状況です。
また、2024年度の決定者を対象に年収の変動を分析すると、全てのキャリアステージで年収アップが多数を占める結果となりました。 特にミドル層では90%近くが年収アップとなっており、市場価値が安定的に評価されています。

プロダクトマネージャーの
キャリアステージ別にみた
転職による年収の変化
プロダクトマネージャーのキャリアステージ別にみた転職による年収の変化図

※2024年度の決定者実績を基に作成

なお、2024年度における転職決定者の平均アップ額を見ると、いずれのレベルでもプラスの変化が見られ、特にシニア層では150万円超の上昇が確認されています。ミドル層でも平均100万円を超える水準で推移しており、即戦力としての評価が報酬面にも反映されています。

2024年度における転職決定者の平均アップ額図

※2024年度の決定者実績を基に作成

プロダクトマネージャー転職市場の変化をふまえた、これからのキャリア戦略

プロダクトマネージャーの採用市場が変化するなかで重要なのは、目先のポジションや報酬だけでなく、自分が成果を再現できる環境をどう選び、どのようにキャリアを設計していくかです。事業ステージや組織構造によって、プロダクトマネージャーに求められる役割や期待値は大きく変わります。自分がどのフェーズで力を発揮できるのか、あるいはどんな経験を積めば次のステージに進めるのかを見極めることがキャリアの質を高めます。

私たちクライス&カンパニーは、短期的な転職支援にとどまらず、プロダクトマネージャー一人ひとりの中長期的なキャリアの軸を共に描くパートナーとして伴走します。実際、ミドルの方は全体の約20%、シニアの方に至っては約40%の方が中長期でのご相談となっています。市場の変化をチャンスに変え、あなたの強みを言語化するところから始めてみませんか。

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