キャリアアップコラム vol.158
転職活動で応募する企業数ってどれくらいが適正?

応募企業数は最低20社ってほんと?

求職者の方から、転職活動の中でどれくらいの企業を検討し、実際に応募したら良いか?という相談をいただくことがあります。答えはその方のご希望や状況によって変わってくるのですが、中には「20社ほど書類選考を進めています!」という方にお会いすることもあります。

私がびっくりして「どうしてそんなにたくさん応募されたのですか?」と聞くと、「他の人材紹介会社の書類選考通過率が大体20%なので、そこから逆算すると最低20社くらいは書類を出さないといけないと言われたので。」と回答されます。

皆さんはどのようにお感じになられますか?こんな話を真に受けて、たくさん応募する人なんているの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、様々な転職希望者の方にお会いしていると、結構こういったケースに遭遇します。

ちなみに弊社ではまずこういったご提案はいたしません。その方の今後のキャリアに対する想いやご希望をしっかりとお聞きし、時には一緒に議論をしながらこの転職で解決したいことや、叶えたいことをまず共有させていただきます。つまり目標を設定するということです。

この目標が不明確だと、転職活動の軸が定まらないので応募していく企業も曖昧になり、結果として軸のない転職活動が進むことになります。軸のないまま進めると当然ながら面接でもしっかりとした回答が出来ないケースが出てきますので上手くいきません。そうしてまた応募企業を増やしていく。負のスパイラルに入っていくことになります。

大事なのは応募数ではなく、優先順位です

目標設定が出来たら、そこに照らし合わせて応募企業を決めていきます。もちろんここで業界や職種を絞りすぎなくても大丈夫です。目標や転職活動の軸によってはそれが実現できる方法に複数のアプローチ方法があることも多いからです。
ただ、一度にたくさん応募するのではなく、その中で優先順位をつけてどのように進めるのかがポイントです。この時に複数の方向性で応募する企業を選定し、実際に受けながら本当に希望や求めている環境とマッチするのかを確かめていただきながら進めていくことになります。

私も面接後には必ず候補者の方とコミュニケーションをとり、実際に面接を受けてみてどうだったか?この方向性で良いかどうかをすり合わせながら、その他の企業を追加で応募していくかどうかを、都度確認していきます。

上記のような進め方をする前提であれば、応募企業は多くても6社~7社くらいが限界ではないでしょうか。弊社だと書類選考通過率が平均でも50%以上、企業によっては80%を超える企業もあります。

数撃てば当たるは間違い、丁寧な転職活動を!

5社程度選考が同時に進むと、お仕事をしながら活動をされている方にとっては、大きな負担となりますので、やはりこれくらいの数が限界になってくるのではないかと思います。もちろん、どうしてもチャレンジしたい業界があり、その業界の企業は全部可能性を探ってみたいというお気持ちがある方もいらっしゃいますので、そうした場合はご支援をさせていただきますが、その場合も優先順位のつけ方などについてはアドバイスをさせていただくことにしています。

面接になった企業に対してはしっかりと準備の時間を作ってもらい、有意義な時間にしてもらいたいという思いがあるので、最大限準備の為の情報提供などもさせていただいております。こうした丁寧な転職活動をしていくためには、やはり応募していく企業をどのように決めていくかというプロセスがとても大事になってきます。

結論になりますが、最終的に入社する企業は1社のみですので、数撃てば当たるというような転職活動はせず、しっかりと目標、軸を定めて丁寧な転職活動をしていくことがとても大事です。もちろんまだ目標が定まっていない方は、その部分からご相談に乗りますのでご安心ください。

 

(2015年3月20日)

今回の教訓&アドバイス

転職活動は目標・軸をしっかりと定めることが大切

「とにかく多くの企業に応募したほうが良い」という話をうのみにしない

1社1社しっかりと準備をして、丁寧な転職活動をしていく

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
工藤 直亮
経営幹部、事業責任者等、企業のキーマンとなるポジションへの転職支援が強み。スタートアップのCXOクラス、大手企業の役員クラスまで幅広く支援実績がある。テクノロジー領域のスタートアップ、プロダクトマネージャー、人事組織領域は得意分野。
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