面接官の本音 vol.124   株式会社ネクストベース

株式会社ネクストベース

公開日:2018.10.04

「日本のスポーツを強くする」というスローガンを掲げ、スポーツ科学とIT技術を活用してスポーツの発展に貢献するための事業を展開している、株式会社ネクストベース。自らも六大学野球経験を持ち、NTT勤務やベンチャー起業を経て2014年に同社を設立した代表取締役社長の中尾信一氏にお話を伺った。

株式会社ネクストベース 代表取締役 中尾信一氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 佐野 慶樹

好きと仕事がつながっている環境。求めるのは、スポーツへの本気の想いと行動力。

Q

貴社の面接で必ず聞く質問はありますか?

中尾

スポーツへの興味や、スポーツを仕事にしていくことへの本気度については必ず聞くようにしています。「日本のスポーツを強くする」という理念を持ち、全員が同じ方向を向いていければ組織としての軸がブレないと考えていて、面接でもそのスタンスで候補者の方を見ています。

Q

「本気度」を面接で見極めるのはなかなか難しそうですね。

中尾

過去にスポーツを経験していた人はもちろんですが、スポーツをやったことがなくてもスポーツの数値分析が大好きな人も社内にいます。スポーツを通じて社会貢献したい、と思っているかどうかが大切ですね。また、最近はAIやロボットなどテクノロジーが進化していますが、テクノロジーを活用しながら自分は何ができるのか自己分析をしっかり行い、PDCAをきっちり回せるかどうかという「行動力」が重要と考えています。イチローも日々のトレーニングを苦にすることなく、面白い・楽しいと思って継続し続けてあれだけの偉業を達成することができたと聞きます。あとは、苦労や喜びをきちんと自分の言葉で語れるか、気持ちの部分も重要だと思っています。

Q

スポーツに対する想いや行動力を深く掘り下げて聞いていくということですね。過去にどのような方が入社されていますか?

中尾

元JISS(国立スポーツ科学センター)の研究員としてオリンピック選手をサポートしていた社員やベンチャー数社で開発リーダーをしていた社員など、何か専門性を持った社員が多いです。また、当社のHPから問合せをいただくケースも多く、現在学生のバイトやインターンも6名います。スポーツビジネスという軸で今後の就職につなげるために当社でバイトをしたいという人もいますし、明確に当社に入社してやりたいことが決まっている人もいます。

Q

やはり「スポーツが好き」という想いの深さが入社後の活躍にもつながっているのでしょうか。

中尾

その通りですね。我々はチケットを買って野球観戦に行かずとも、仕事で頻繁に球場やクラブハウスなどに行きますので、まさに「好き」と「仕事」がつながっていると言えます。例えば、データ解析を担当している球団が試合で負けると、自分のことのように落ち込んでいる社員も多いです(笑)。

Q

そうなのですね。ところで、貴社の面接では他の役員の方々の意見も大切にされているそうですが。

中尾

はい、取締役の木下・神事と出会えたことは私にとって非常にラッキーだったと思っています。木下のスポーツ界のネットワークと神事のスポーツ科学解析、そして私が経営やIT周りを担うというそれぞれの得意領域を活かした形で、当社は成り立っています。そのため、面接では必ず3人ともお会いするようにしています。

株式会社ネクストベース

ベンチャースピリッツ溢れる人と、ライフワークとしてスポーツを楽しめるような世界を創るべく、データ活用の推進を共に。

Q

その他に、面接で重視されているポイントはありますか?

中尾

当社はベンチャーですので、ベンチャースピリッツは欲しいですね。スポーツビジネスはマネタイズが難しいという現実がある中、自らビジネスを創っていくような行動力が求められます。

Q

それはどうやってジャッジするのですか?

中尾

課題を与えるようにしています。データ分析を希望する候補者の例を挙げると、「あなたなら広島東洋カープのバッターをどう抑えるか?」といった内容です。正解を求めたいわけではなく、課題への回答を見ることでどれだけ考えているかが分かりますし、どの程度本気でやりたいかを把握できます。上記の課題ですと、弊社のBASEBALL GEEKS等のサイトからある程度の情報は得られますので、そこにオリジナリティを加えられるかを見ています。

Q

その課題は面白いですね。貴社の場合、ITという観点も必要になってくると思うのですが、その点はいかがですか?

中尾

そうですね。確かに最低限のITスキルは必要です。スポーツ科学という領域でビジネスを展開していますので、その要素をプログラムに落とし込む力を持った方やITに強い方が入社してくれると嬉しいです。とはいえ、入社してから必死に勉強しているメンバーもいますので、それぞれがサポートしながら強い組織になれば良いと思っています。

Q

面接で、こういう方は合わないという例があれば教えてください。

中尾

とにかくスポーツが好きだということは分かるものの、それで何をしたいのか、何ができるのか?が無い人だと厳しいですね。また、面接の冒頭で福利厚生について質問されるというのも違和感があります。もちろん当社でも社会保険等のひと通りの制度は整備していますが、他に聞きたいことは無いのかと思ってしまいます。福利厚生が充実していることが重要なのであれば、大企業の方が明らかに良いわけですから。

Q

その通りですね。年収の考え方についてはいかがでしょうか。

中尾

当社の今のステージでは、まだ大企業のような年収は提示できていませんが、入社して欲しい方にはできる限り要望に添えるように調整しています。一番の優先項目がお金という方には、「自分で力をつけて起業すれば良いよ」と伝えています。確かにお金は大事ではありますが、一番貴重なのは「時間」です。限りがある人生で、やりがいや喜怒哀楽をどれだけ感じられるかを大事にしたいです。もちろん、業績が良ければ社員全員にその分を還元しますよ!

Q

ありがとうございます。最後に、この記事を読まれている候補者の方へメッセージをお願いします。

中尾

当社は5期目に入り、プロ野球3球団とプロ野球選手個人との契約も締結していて、ビジネスの基盤は確立できつつあります。また、2018年9月初旬には、いま進めている資金調達もすべて完了します。すでに、メジャーリーグや台湾、韓国へのビジネス展開を進めており、アマチュア向けサービスの開発にも着手しました。また、サッカーやラグビーなど野球以外のスポーツにも事業を拡げていきたいと考えていますし、ファンの皆さんが、ライフワークとしてもっとスポーツを楽しめるような世界を創っていきたいと思っています。 ぜひ我々の想いに共感し、一緒に推進していただける人と出会いたいですね。

インタビュアー / コンサルタント 佐野 慶樹

構成: 神田 昭子

撮影: 宇佐見 利明

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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