面接官の本音 vol.55   株式会社フォーリンクシステムズ

株式会社フォーリンクシステムズ

公開日:2012.09.23

株式会社フォーリンクシステムズ 人事・総務課 課長 佐藤聡氏

Contents

Q

面接で重視されるポイントをおしえていただけますか?

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ひとことで言えばコミュニケーション能力です。こちらから投げかけた質問に対して、如何に的確な答えが返ってくるかというところは大きなポイントとして見ています。営業部門に関してはもちろんそうですが、技術部門にしても、管理部門でも仕事で成果を上げるためにはコミュニケーション能力は不可欠ですから、相手の意図しているところを正しく理解して的確に返答する能力があるか、基本的なヒューマンスキルという点で大事にしています。

また質問の返答としては大きく外れてないものの、そこから話が広がり過ぎて枝葉の部分が多くなったり、ご自身の話したいこと中心のプレゼンテーションが始まってしまう方にも少し疑問符がつきますね。内容から、頭の良さやその人の持っている哲学みたいなものを感じることはありますが、双方向のコミュニケーションが基本ですので、面接につける評価としてはマイナスをつけてしまうこともあります。魅力を感じるのは、こちらからの質問に対して的確にかつ丁寧に(プラスアルファ程度のトピックス含めて)お答えいただけたときは、こちらも興味の度合いが上がってきますし、とてもいい印象を持ちますね。

Q

必ずお聞きする質問はどんな質問ですか?

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短期的なビジョン(目的・目標)と中長期的なビジョンについてお聞きします。このご質問をすると、「御社のビジョンと私のキャリアの方向性を考えると・・・」とまるで模範解答のように弊社のビジネスに合わせてご返答頂くことがあります。有難いことですが、ここでは、ご自身の中でこういうことがしたい、将来はこうなっていたいということをお伺いしたいと思っています。こうしたビジョンをしっかりとお持ちでない方は、短期的な目標でさえもかなり抽象的な答えになってしまうことが多いですね。

将来に対して具体的なイメージを持てている方は、仕事においても同じようなアプローチで短期の目標と将来のビジョンを描いて仕事を進めることができると思っています。また困難な場面であっても乗り越えていける強さをお持ちだとも思います。一方で、ご自身の将来のイメージが描けていない方は、ハードワークに耐えていくという点で、なかなか難しいと感じてしまいます。企業体としてはまだまだ足りないところの多いベンチャーですので、常に全力で立ち向かっていくという厳しさが求められますが、ただ単に厳しさに耐えるといってもそれはできないんじゃないかと思うんですね。そういった点からも上記のような質問を通して、厳しい中でも仕事を力強く進めていけるだけの軸がある方かどうか、また何事にもテーマを持って取り組める方かどうかを確かめさせて頂いてます。

Q

今までの面接で印象に残っていることはどんなことですか?

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正直に言うと、印象に残らない方が多いことが残念です。たぶん面接においてコミュニケーションがしっかり取れなかったため、結果として印象に残らなかったということが多いのだと思います。教科書通りの面談をなされる方や、短期・長期のビジョンはなんですか?という質問に対して、抽象論で固めたような「思い」や「リアリティ」のないお話をなされる方の多くは印象に残っていきません。例えばエンジニアの採用の場面では、「エンジニアとしてキャリアアップがしたいです」という理由ではなくて、エンジニアとして将来こういうものが作りたい、この技術を高めたいなど本人が意欲を持って話す具体的なものがあったほうが印象に残ります。抽象的な話で終わってしまう方は、よくわからないまま終わってしまいますので、結果一次面談以降にお進みいただくことはほぼ難しくなりますね。

一方で面接時の受け答えが的を射ていて、将来ビジョンもはっきりしている人は、2次面接、最終面接までいくことが多いです。もちろん最終的には、当社の期待する役割を果たしていただける方かどうかという判断はありますが、何がやりたいか、そのために何をやってきたかがはっきりしている方は、最終的に難しい場合でも、お互いに納得できる理由を見つけることができているように思います。

Q

御社が求める人物像を教えてください。

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キーワードでいうと、「能動的」「調整力」です。弊社は先ほども申し上げたようにベンチャー企業ですので、マーケットにおいても仕掛けていく側ですし、能動的に動かないと何も生み出せませんから、自らが考え・行動し、主体的・能動的に動ける方を求めています。

もうひとつは「調整力」です。これは人間関係をうまく取り持てるかという視点もありますが、もう少し仕事よりの話で、問題解決力という表現のほうが近いかもしれません。例えば、10の枠に10スケジュールが入っていたとして、そこに2~3の仕事が入ってしまった場合、自分の仕事を入れ替えて対応するだけなら簡単ですが、どうしても顧客や社内の人に仕事を振ったり、任せたりする必要のある場合、調整力はとても大切な力となります。周りの方を巻き込んで急なトラブルや多くの仕事を取り仕切る調整力のある方を求めています。

面接では、これまでの仕事において能動的に仕事に向き合ってきたか、また困難な状況に陥ったときどのように調整力を発揮して問題を解決してきたか、そういったポイントを重要視してお話をお聞きしています。

Q

転職者へのアドバイスをお願いします。

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最終的にご縁がある方の面接はほとんどそうですが、面接が面談になっています。こちらからの質問に対して、ある程度用意されている答えだけで終わるのではなく、コミュニケーション力を発揮していただいていろんなすり合わせが出来ていくと、お互いに興味が高まっていきます。面接に対しても能動的に関わっていただき、その中でより具体的な考えを表現していただくことができると、そういうかたちが創れてきます。

ご転職をお考えの方にお伝えしたいこととしては、コミュニケーション能力や能動性、また将来のビジョンに関する話などについては、面談のときだけ発揮しようとしてもなかなか難しいと思います。普段から、つまりいまの仕事の中から、上記のような姿勢で仕事に取り組むことが重要なのではないでしょうか。

インタビュアー / クライス&カンパニー

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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