キャリアアップコラム vol.58
自分を元気にする習慣

目標達成のために毎日遅くまで残業したり、スクールに通って新しいスキルを身に付けたりと、みなさんは日々努力されていることと思います。また勉強の秋ですので、「何を勉強しようかな」なんてお考えの方もたくさんいらっしゃるでしょう。でもどうでしょう。立てた目標をどれほどの方が達成されているか疑問の残るところです。目標達成と未達成。じつは意外なところにその運命の分かれ道があったのです。

仕事の成果=能力×仕事量×( )

( )の中には何が入ると思いますか?

と、その前に、仕事の成果を上げるために殆どの方が注力されるのが「能力」の向上。そのために勉強したり仕事を憶えたり。能力がその仕事が求めるレベルに達しない場合、仕事量で補います。また仕事量ばかり増やしても能力の向上につとめなければいつまでたっても残業地獄です。エクセルのマクロを憶えることで一気に業務量が減ったなんて経験をお持ちの方はたくさんいらっしゃるでしょう。

さて、( )。

正解は「情熱」です。

なーんだ、と当たり前の正解に落胆された方も多いかもしれませんが、実は実はとても大切で、他の2つより難しい、なおかつ厄介な要素なのです。

情熱はどうすれば高めることができるのでしょう。世の中の役に立つ、誰かが喜ぶ、この分野でプロフェッショナルになりたい。などなど使命感や夢の力によるところが大きいのではないでしょうか。そのためには自分の根っこに存在している本当の気持ち「内側の心」を見つめてみる必要があります。

普段の私たちはあまりにも色々な情報に晒され、色んな人の影響を受け、殆どの時間を反応的に過ごしてしまっています。都度考え行動しているのですが、それは現実社会と折り合いをつけていく心の部分、「外側の心」なのです。この「外側の心」で情熱をUPさせるとき、私たちは「〜しないといけない」「〜すべきだから」という言葉を遣います。一方、内側の心で情熱を持つときは、「〜したい」「〜でありたい」とい言葉を遣います。

殆どのビジネスマンにとって「内側の心」は普段は眠っています。この眠っている「内側の心」を呼び覚まし、そのメッセージを言葉にできれば本当の意味での情熱を手に入れることができるのです。

私の10年来の知り合いで、現在はコーチとして活躍されているHさんが、今年から「自分と向き合う」というテーマで研修をスタートされます。森の中に3日間滞在して森のエネルギーも受けながら自分の「内側の心」の声に耳を傾けるというものです。欧米では多忙なエグゼクティブが年に一度、3〜5日間森の中の研修に参加して、森のエネルギーを借りて「内側の心」の声を聞き、元気になって実社会に戻っていくのだそうです。

思えば、私たちは能力をUPさせるためには時間を割きますが、自分を元気にすることにはあまり時間を割いていないように思います。全てのエネルギーの源泉である情熱をブラシュアップさせるための時間こそ、スキル向上のための勉強時間よりも、まず優先すべきことなのかもしれませんね。

でも、なかなか時間が取れない。研修なんてコストもかかるし大変。なんていう方も多いでしょう。そんな方にお勧めなのは、毎日朝15分でもいいので、静かな環境に身をおいて前日の振り返りと今日の予定の確認をしてみる。日曜の夜に1週間を振り返り次の1週間を計画する。限られた時間の中で自分の意志で何を優先するのか、何に集中するのかを考えることで、自分が大切にしているものが浮き彫りになって、「内側の心」に近づくことができます。そうすると自然とメラメラと情熱が湧きあがってくるのです。「自分を元気にする習慣」みなさんも試してみていかがですか?

(2012年6月20日)

今回の教訓&アドバイス

能力向上よりまずは自分を元気にすることが大切。

毎日15分自分の日常を見つめる時間を作る。

日曜の夜、1週間を見つめる。

年に1、2回はしっかり「内側の心」の声を聞いてみる。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
丸山 貴宏
大手就職情報会社の人事採用担当を約7年経験後、クライス&カンパニーを設立。前職からの候補者面談者数は10,000名を超え、その経験と実績に基づいたカウンセリングは業界でも注目されている。単に企業情報の提供に留まらず、「候補者の根っこのエネルギーを発掘する作業が我々の使命」がモットー。 プロフィールをみる
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