キャリアアップコラム vol.176
35歳以上の転職マーケットニーズの今

企業は35歳以上のミドルを必要としているのか?

先日、3年前からお世話になっているダイヤモンドオンラインの私のコラムの読者向けのセミナーを行いました。第一線で活躍されている30代~50代の方々にお集まりいただきました。
 
事前のアンケートで最も多かったのは「自身の年齢での転職が可能なのかどうか」、「35歳以上の転職が当たり前となったと聞くが実態はどうなのか」、そして「今は転職するのにいい時期なのかどうか」など、年齢マーケットニーズに関する関心が高いのが伺えました。
 
当社では35歳以上の求人が増え、実績も増えているのですが、実際人材紹介業界ではどうなのか、調べてみたところ、人材協が集計している大手3社の数字をもとにここ3年(2012年~2015年ですが)を比較してみると決定者シェアで18.8%→22.7%と4ポイント上昇しています。
 
ちなみに当社では47%→53%と6ポイントの上昇です。決定者平均年齢も34.4歳→35.8歳と1.4歳上昇、決定者平均年収は798万→936万、なんと140万近いUPです。人材紹介業界における実績だけでマーケットすべてを語れるわけではありませんが、年収のUPも含め35歳以上を企業が求めているという傾向が浮き彫りになります。

35歳以上に求められるものは?

ここからは数字ではなくて実感なのですが、それではなぜ企業が35歳以上を採用するようになったか。いくつか理由が浮かびます。
 
まず企業側の変化。
最近ベンチャー企業から組織の重しになるような管理部長が欲しいというオーダーがちらほらあります。今までにはあまりなかったことです。背景として経営陣が20代と、かなり若くなってきているのと、VCをはじめとした第三者から調達した豊富な資金があるということが要因としてあります。また経営陣にきちんとした組織で一定期間以上働いたことがある人がいなく、しっかり組織を作って安定させられる人が欲しいという思いもあるようです。
 
一方、候補者側の変化。
実はこれが一番大きいと思うのですが、一昔と違って最前線で働けるPlayingミドルが増えている。昔は現場から離れて位置エネルギーだけで仕事をする管理職専任の課長や部長が多かったのですが、今はそういうタイプの人材は少なくなりました。現職でもプレーヤーを求められ尚且つマネジメントもこなしているという人が増えています(それでも大手古典的企業には位置エネルギータイプは多いですが)。
 
また年下の上司も当たり前になっていて年齢の関係ないベンチャーでも容易になじめる。また見た目も若い人が多い。このようなことから35歳どころか40歳を超えても採用されるケースが増えているように思えますし、50代で引っ張りだこのスーパーオヤジは間違いなくスーパープレーヤーです。

ミドル/シニアになっても最前線を意識する

目の前の仕事を究め、信頼の人脈を積み重ね、最前線で仲間と共に常に戦っているミドル/シニアプレーヤーはこれから益々ニーズが高まってくるような気がしています。いくつになってもチャレンジして腕を磨き続けていきたいものです。みなさんがんばりましょう。
 
(2016年10月20日)

今回の教訓&アドバイス

35歳以上の採用実績は確実に増えている

採用される人はPlayingマネジャー

これから益々ミドルへの求人は増えてくる気がする

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
丸山 貴宏
大手就職情報会社の人事採用担当を約7年経験後、クライス&カンパニーを設立。前職からの候補者面談者数は10,000名を超え、その経験と実績に基づいたカウンセリングは業界でも注目されている。単に企業情報の提供に留まらず、「候補者の根っこのエネルギーを発掘する作業が我々の使命」がモットー。 プロフィールをみる
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