キャリアアップコラム vol.200
目的意識

転職が「GOAL」ではない

転職を考える理由は人によって様々です。会社の方針とご自身の志向とのギャップ、その時の家庭事情によるものもあれば、純粋に年収を上げたいという理由も大いにあるでしょう。当然ながら私たちはそういった個人の思いを最大限尊重し、その理由も踏まえてお勧めできる企業をご紹介しています。転職を希望する方や、転職せざるを得ない問題を抱えている方にとって、転職は問題解決手段とも言えます。ここで気を付けなくてはいけないのは、その問題解決=転職目的ではないということです。言い換えると、転職したことで転職理由が解消されて終わりではなく、新たなスタートラインに立ったという自覚を持って頂きたいのです。「そんな自覚を持たない人なんているの?」と思われるかもしれませんが、実際に起こり得ることですので、それをご紹介しながら話を続けます。

些末なことに意識を奪われたら目的意識が弱いサイン?

昨年転職相談でお会いしたA さん。礼儀正しく真面目な性格で、製造業でコツコツ経験を積んできたことがにじみ出ている方でした。当時A さんが在籍していた企業は業績悪化から回復の見通しがたたずに、先行き不安定な状況から脱したいというのがいわゆる転職理由でした。

そして、この先どんなキャリアを作っていきたいか、将来どうなりたいかというやり取りをしましたが、A さんからは、製造業での品質管理経験を活かして年収が維持できればいいということ以外、こうしていきたいといった意思が感じられませんでした。それでも何とか引き出そうと問いを投げかけましたが、やはり出てきません。

堂々巡りになっても仕方ないので、A さんのご経験を活かせるB 社をご紹介して、選考に進むことになりました。ある程度の規模の工場における品質管理経験が評価され、面接に合格し見事内定が出ました。A さんは他社からも内定が出ていましたが、規模はA さんの前職よりもかなり小さいものの売上、利益とも伸びていて上場も視野に入れている点でB 社が良いと判断して入社を決断されました。

入社して暫くした頃にA さんに様子を伺ったところ、今回の転職はあまり良いと思っていないとのことでした。どういうことなのか聞いてみると、思ったよりも体制が整っていなくて大変とか、オフィスが狭いとか、えっ、そこですか??というのが私の率直な感想でした。売上が伸びて利益も出ていて安全というところに寄り掛かろうとしているように見え、ちょっと残念な気持ちと同時にA さんのこの先が少々心配になりました。

目的意識の強弱が転職後の成否を分ける

転職した会社で何をしたいのかという目的意識の強さは転職後の成否を分ける重要な要素であると私は考えています。そして、その為にも転職後にまずやるべき重要なことは、新しい環境に全力で馴染む努力をして、自分の能力を高めつつ、成果を出して認めてもらうことです。目的意識を強く持っている方は、転職後にまずやるべき重要なことを自然に行っています。

そう考えると、A さんのようにまず先に表面的なことに心を奪われてしまい、大事なことへの意識が薄く見えると、やはり心配になります。ほぼ同時期に、某業界最大手企業からスタートアップのD社に転職したC さんにも転職後の様子を伺ったところ、C さんの口からは不満は一切出ず、これから自分はD 社でこういうことをやりたいという思いを熱く語っていたのを聞いて思わず口元が緩んでしまいました。

D さんの視界には目の前の些末な景色は一切映っておらず、ベンチャーに転職した以上は未整備なインフラも含めて全て自分事として腹をくくっているようにも見えました。

全てが自分次第とは言いませんが、自分次第で結果が変わることは多々あると思います。

(2018年10月22日)

今回の教訓&アドバイス

転職先でまずすべき事に集中することが大事

転職後、些末なことに心を奪われないこと

転職後の成功も失敗も自分次第による部分は大きい

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
奈良 元生
エグゼクティブポジション全般、オーナー系中堅成長企業。新規立ち上げ、事業企画系実績も多数あり。
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