キャリアアップコラム vol.196
2種類の頑張る

自分の枠の中でがんばるという頑張り方

日々面談で優秀な方々とお会いしてこれまでのご経歴や仕事内容などをお伺いしているとさまざまな気づきを頂けます。最近気づいたことが今回のタイトルにつながる「皆さん頑張っている。でも頑張りが成果に結びついている場合とそうじゃない場合がある」ということです。努力は必ず報われるものではありませんが、そんな一般論ではかたづけられない深い意味があるのです。

「がんばれ!」と言われればまずは自分なりに考えたり行動量を増やしたりします。またさまざまな打ち手を講じます。たとえば1 日100 件実施していたアポ取りを200 件に増やすとかですね。スタッフ職だと処理量を増やすだけではなくスピードをUP させるというのも考えられます。いわば自分の世界の「枠の中」で「がんばる」という頑張り方です。この頑張り方はインプットとアウトプットの確率がいいときは有効ですが、確率が一定レベル以下になるとなかなか頑張りが続かなくなります。最近の営業テレアポなどがいい例ではないでしょうか。

キャリアで成功している人の頑張り方

一方で、「枠の外」に出るために「がんばる」という頑張り方もあります。大きな成果を出したりキャリアで成功している人は経歴の中にそんな仕事ぶりが1つや2つあるものです。期待される成果を出すためには今の枠の中で努力しても難しそうだ、だからこのマーケットを攻めよう、という前例のないアプローチ方法を実行するなど、いずれも自分の今までの世界の枠の外にあるのでそのアクションを取るのは心理的なハードルが結構高いです。上司に叱られるのでは、非常識じゃないか、今までのやり方でもできないことはないなど、やらない理由は泉のごとく湧き出てきます。枠外に出るのは誰でも怖いものなのです。

頑張るところをまちがっていませんか?

しかし前述のとおり大きな成果を出した人は必ず枠外の一手を打っています。それは時にアイデア一発に見えたり、新市場開拓に見えたりイノベーションに見えたりしますが、大切なのは最初の一歩は努力を「枠内に向ける」のではなく、「枠を超える」ことに注ぐことです。 
人は放っておくと頑張りやすいことから頑張ります。でもそれは厳密に言うと「がんばる」ところをまちがっています。本当に大事なことはやりたくないことや到底できそうにないと思うようなところにあるものです。そのやりたくない、できそうにないという気持ちを超えることを頑張らないと、思うような成果は上げられないのです。個人も企業も国も、頑張りどころは常に考えないといけませんね。
 
(2018年6月20日)

今回の教訓&アドバイス

放っておくと枠内で頑張ってしまうことを自覚する

大事な一手は枠外にあることが多い

枠外の一手は怖いもの、億劫なものです

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
丸山 貴宏
大手就職情報会社の人事採用担当を約7年経験後、クライス&カンパニーを設立。前職からの候補者面談者数は10,000名を超え、その経験と実績に基づいたカウンセリングは業界でも注目されている。単に企業情報の提供に留まらず、「候補者の根っこのエネルギーを発掘する作業が我々の使命」がモットー。 プロフィールをみる
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