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Turning Point 転機をチャンスに変えた瞬間~ビジネスの現場から~

「やらない」理由は、時間が経てば増えていく。「やりたい」と思った瞬間に、行動を起こすべき。株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元里奈 「やらない」理由は、時間が経てば増えていく。「やりたい」と思った瞬間に、行動を起こすべき。株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元里奈

日本の農業の抱えるさまざまな課題を、IT技術を用いて解決を図っていくことをミッションに掲げ、2016年11月にビビッドガーデンを創業した秋元里奈氏。現在、オーガニック農作物を栽培している生産者と消費者をダイレクトに結ぶ「食べチョク」のサービスが好評を博している。秋元氏はなぜ「農業」の分野で起業を決意したのか。そのターニングポイントを振り返っていただいた。
株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元里奈

秋元里奈氏

神奈川県相模原市の農家に生まれる。慶應義塾大学理工学部を卒業した後、株式会社ディー・エヌ・エーへ入社。webサービスのディレクター、営業チームリーダー、新規事業の立ち上げを経験した後、スマートフォンアプリの宣伝プロデューサーに就任。2016年11月にvivid gardenを創業。

内向的、でも負けず嫌い。そんな自分に大学時代、大きな転機が訪れた。

秋元さんは、どのような幼少期をお過ごしになられたのですか。
幼い頃は病弱で、内向的な性格でした。人とコミュニケーションを取るのがあまり好きではなく、とにかく漫画が好きで、小学生の時は教室でずっと漫画を描いていました。一人でコツコツと物事に取り組むことが好きでしたが、でも負けず嫌いなところがあって、自分が周囲と比べて劣っていると思うと必死になって挽回しようとするタイプでしたね。いま思うと、自分より優れた人がいると「私も負けてられない!」と奮い立って自分を成長させるのに喜びを感じていたんでしょうね。あと実家が農業を営んでいたので、食べ物に関してはうるさく躾けられました。
生来「負けず嫌い」でいらっしゃるのですね。
中学に入学した時も、病弱な自分を変えたい、身体を鍛えたいと思って、それまでまったく縁がなかったスポーツを始めました。身長が低かったにもかかわらず、敢えてバスケットボール部に入部して……おかげで身長が伸びました(笑)。
秋元さんはご自身がやりたいと思うことに対して、思いきり振り切るタイプなんですね(笑)。高校や大学もご自身の意思でお決めになられたのですか。
ええ。私の親はどちらかと言えば放任主義で、「自分で考えて好きなことをやればいい」というスタンスでした。高校受験は比較的偏差値の高い学校にチャレンジしてギリギリで入学しましたが、勉強でも「他人に負けたくないという」という気持ちが湧いてきて、とにかく必死に勉強をし、最終的にはなんとか学年で上位になるところまでいきました。その頃から将来についても意識しはじめ、実家が農地などの不動産を保有していましたので、そうした資産を活用する知見をつけたいと金融系の仕事を志すようになりました。
秋元さんは高校卒業後、慶應義塾大学の理工学部に進学されています。金融を専攻するなら経済学部に進むのが一般的だと思うのですが、こちらを選ばれたのはどうしてですか。
高校時代はとにかく成績順位をひとつでも上げることに一生懸命でしたので(笑)、自分が得意だった物理の科目が履修できる理系のコースを選びました。そのうえ経済学部は理系だと勘違いしていて、いざ受験となると経済学部の試験科目に物理がないことが判明して……それで先生に相談したところ、慶應の理工学部なら金融工学が学べるところがあり、そこはいわば「理系の経済学部」だとうかがって志望したのです。
大学時代はどのように過ごされたのでしょう。
金融工学の研究に取り組みながら、学園祭の実行委員会に興味を覚えて参加したのですが、それが私にとって大きな転機になりました。それまで私はあまり人の前に出るのが好きではなかったのですが、同期のメンバーがみな委員会に来なくなってしまって、私がリーダーを務めざるを得ない事態になりました……本当に嫌で不安しかなかったのですが、自分がやるしかない状況に追い込まれたことで腹を括り、「どうせやるなら、これまでの学園祭よりも面白いことを企画してやろう」と決心しました。そこで、自分発信で企画を実現していく面白さを存分に味わって、その経験から自分の将来を見つめ直すようになったのです。
内向的な性格だった秋元さんが、学園祭実行委員のリーダーを務められたことに驚きですが、その経験が将来を見つめ直すきっかけになられらたのですね。
はい。社会に出てからも、自分のアイデアを自分で形にする醍醐味を堪能したいと強く思うようになりました。それは必ずしも「金融」でなくてもいい。よく就活の面接で「5年後どうなっていたいか」という質問を受けますよね。でも、5年後の自分なんてわからない。事実、大学時代の自分と5年前の高校時代の自分を比べると、性格や思想などまるで変わっていますし……ですから、金融のように特定の分野にとらわれず、将来自分がやりたいと思ったことを自分でできる力をまず身につけたいと思ったのです。