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Type/(12月号2007年)【記事抜粋】

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Type/(12月号2007年)【記事抜粋】

Type/(12月号2007年)【記事抜粋】
冬のボーナス予測からひもとく「異業種転職」成功の秘訣
「業種変え」で年収は本当に上がるのか?

人材の流動化が進み、異業種への転職はもはや珍しくなくなった。だが、未経験の業種へのチャレンジはリスクや収入面での不安が伴う。異業種転職で年収を上げることは可能なのか、リスク回避するためには何が必要なのか ―― 成功の法則を探る。

【業界間の給与格差を利用し年収アップを実現する】

冬のボーナス支給を間近に控え、心の中で金額予想をしている人も多いだろう。今回実施した今冬のボーナス予測額ランキングでは、業界によって大きなバラつきが見られた。最高額となった電気機器メーカーと最低額の業界とでは、何と3倍近い差があるのだ。
「ボーナスに限らず、給与水準も業界ごとに差があります。人材が売り手市場の現在は、給与水準の低い業界から高い業界に移ることで、年収アップを実現する転職者が増えていますね」
こう話すのは『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー、酒井康弘氏だ。最近は異業種からの転職者に対して企業側が求める人材条件にも変化があるという。
「企業側が求める年齢条件が確実に緩和されています。30代後半でメーカーの経営企画から、未経験でコンサルタントへ転職という事例もそう珍しくない。この場合、コンサルティング業界は給与水準が高いため、当然大幅年収アップとなります。基本的に、30代なら異業種転職であっても、同職種など前職の経験が活かせる領域の仕事に就くことがマスト条件にはなるでしょう」

ヘッドハンティング会社、クライス&カンパニーの丸山貴宏氏も、異業種転職は年収アップの近道になると言う。
「実際のところ給料は個人が頑張った分だけすぐに上がるというものではありません。個人の頑張りが給与に反映されるのは、手当や査定というプラスαの部分によることが多い。ベースとなる基本給を上げたいのならば、そもそもの給与水準が高い業界に移ることが有効な手段です」
ただし、両氏ともに異業種への転職はリスクも大きいと語る。
「例えば、変化の激しいインターネット業界と長期的な成果を求めるメーカーとでは、仕事のスピード感が全く違います。また、異業種からの転職者は『自社に改革を起こしたい』という人事・経営側の意向を受けていることが多い。しかし、入社後に配属される現場が必ずしも改革を求めているとは限りません。お金だけでなく、こうした入社後のギャップを想定しておくことが大切です」(丸山氏)


【転身後に年収アップを実現できる! 異業種出身者を積極採用中の5業界】
この冬のボーナス予測ランキングの上位10業界のうち、異業種出身者を積極採用している5業界を紹介。各業界における狙い目職種や、異業種出身者が活かせる経験、年収の推移、評価方法の違いなどを徹底分析する。あなたのキャリアを高く買ってくれる業界はどこだ!?

◆各社リテール強化を競う

金融業界 (ボーナス予測ランキング5位)

金融業界が人材採用を活発化している背景にあるのは、景気回復と団塊世代の大量退職だ。その退職金をはじめとする個人の金融資産の獲得を目指し、各社とも、リテール(個人)向け営業の採用を強化。そのニーズは銀行・保険・証券ともに高く、営業未経験者も対象となる求人もある。
「とくに、シニア富裕層に対する資産運用の提案に特化した営業職の募集が増えています。前職で自動車や住宅など、高級消費財の営業を経験した人材のニーズが高いですね」(酒井氏)
最近では、日本のシニア富裕層向けマーケットに将来性を感じて参入した外資系金融機関の求人も多い。外資は営業成績が直結する給与システムであるため、活躍すれば日系よりも高い収入が期待できるだろう。
一方、メガバンクなどの日系企業でも、リテール部門に限ってはかつての年功序列が崩れつつある。
「リテールの給与はベースが低く設定され、インセンティブの占める割合が大きくなっています。ですから管理職に昇進するより、第一線で実績を上げていたほうが給与は高いケースもありますよ」(丸山氏)
なお、金融業界では法人営業のニーズも増えているが、業界内での経験が重視される傾向が強い。ただし、会計系コンサルティングファームでM&A関連の仕事をしていた人が、投資銀行や証券会社に転職するケースも少しずつながら増えている。
「外資系投資銀行などは、年収が非常に高水準なので、コンサルタントから転身を図る人が増えていますね」(酒井氏)

「異業種出身者」積極採用職種
 ● 富裕層向けリテール営業
 ● 法人営業

◆出身業界を顧客にできる

コンサルティング・シンクタンク業界 (ボーナス予測ランキング7位)

経験者不足から異業種出身者の採用が活発なのが、コンサルティング業界だ。
「最近では30代でもコンサル未経験者が採用されることも多い。2~3年前まではあり得なかったことです」(酒井氏)
ただし対象となるのは、事業開発や経営企画など、事業会社で経営に近い仕事をしていた人だ。中でもニーズが高いのが、製造業出身者。これは業績が好調な電機・機械のコンサルティング案件が増えているためで、出身者にはチャンスが多い。加えて増えているのが、消費財、流通系の求人だ。
「流通系のライン経験者の求人が増えています。また、会計系の経験者なら出身業界を問わず、コンサルタントへは転職しやすいですね」(丸山氏)
そもそもコンサルティング業界は給与水準の高い業界なので、事業会社からの転職は年収アップが実現する可能性が高い。しかし、プロジェクトごとの徹底した業績評価なので、実績を残せないと入社後に年収が下がってしまうこともある。30歳前後でプロジェクトマネジャーに昇格できるか否かが、大幅年収アップの分岐点となる。個人の稼働率も評価の対象となるので、プロジェクトにアサインされていない期間が長いと、当然評価は下がってしまう。
また、人材流動が激しい業界なので、退職金はないものと考えよう。実績を積めば、コンサルタント経験後に事業会社の経営企画ポストに就くことも可能だ。徹底した成果主義の業界風土に馴染めるかどうかが、キャリアの分かれ道となる。

「異業種出身者」積極採用職種
 ● 戦略系コンサルタント
 ● 会計系コンサルタント

◆業績好調で攻めに転じた

電気機器メーカー (ボーナス予測ランキング1位)

少し前までは求人があまり表面化していなかったが、今は大手電気メーカーも積極的に採用活動を行っている。今後は、新卒採用で人材枠が埋まらなかった企業がそれを中途採用で補う動きも出てきそうだ。
「若手の増加に伴い、30代以上のニーズも増えてきています。ほんの数年前まで過酷なリストラを行っていた業界のため、マネジメント層が不足気味という事情もありますね。かつては大手電機メーカーを途中退職する人などいませんでしたが、今は35~45歳くらいの管理職層が辞めるケースも少なくありません。自分より上の世代が血も涙もないリストラにさらされる姿を見てきたため、チャンスがあれば転職するようになったんです。優秀な人材が流出してしまうことも増えてきました」(丸山氏)
特にニーズが多い職種は技術者だが、人事・経理・財務・経営企画など、スタッフ系の職種なら異業種からでも転職しやすい。ほかの製造業と同様に、評価はある程度、長期的視点で行われる。そのため、年収も年齢とともに順調に上がっていく。新しい業界や短期決戦型の業界から転職すると、時間軸が全く違うので戸惑うが、うまく順応できれば安定が得られそうだ。

「異業種出身者」積極採用職種
 ● エンジニア
 ● スタッフ系職種

◆異業種転職者の宝庫

人材ビジネス業界 (ボーナス予測ランキング6位)

ここの業界も伸び盛りで人手が足りない状況だ。
「転職者と面談をし、希望に沿った求人を紹介するキャリアアドバイザー(CA)志望の人が圧倒的に多いのですが、企業側のニーズとしては営業も同じくらいの高さがありますね」(丸山氏)
人気のCA職種は業界知識がすぐに活かせるため、異業種転職に最適だ。さらに、前職の職種もあまり問われない。
「前職は事務職、販売職、ヘルパーなど、さまざまな人が活躍しています。特に採用されやすいのは営業経験者。CA志望者はホスピタリティを重視しがちですが、営業的な感覚とホスピタリティのバランスが求められる仕事です」(酒井氏)
人材関連業界には、人材紹介会社のほかに求人広告会社や派遣会社などがあるが、業界内における給与水準は人材紹介会社や広告会社が比較的高めだ。また、若手が多く活躍する業界なので、30歳前後でマネジャーに昇進すれば年収は一段階アップする。
そのほか、企業が設備投資から人材投資へとシフトした背景を受けて、教育研修会社の営業職やコンサルタントの募集も増加中だ。これからの職種は、人事や法人向け営業の経験者ならば異業種出身者でも採用されやすい。

「異業種出身者」積極採用職種
 ● キャリアコンサルタント
 ● 教育研修会社の営業職

◆狙い目は大手や勝ち組

商社・流通業界 (ボーナス予測ランキング10位)

年収アップを狙うなら、流通よりもやはり商社だ。今は大手総合商社の人材募集が活発化している。その背景にあるのは投資事業の拡大。経営企画や事業開発の経験者であれば、異業種出身者でも応募可能だ。
「特にニーズが高いのは、機械、電機、エネルギーなどの業界出身者です。銀行の投資部門などから転職する人も増えていますね」(酒井氏)
また、大手総合商社では第二新卒のニーズも高い。出身業界は問われないが、学歴や新卒で就職した会社のランクが重視されるのが特徴だ。一方、30代でも前職の仕事内容が活かせれば、異業種から大手総合商社へ転職できる可能性も。
「扱う商品と海外経験がリンクして、35歳でメーカーから大手商社に転職した例もありますよ」(酒井氏)
商社はボーナスも高いため、大手なら35歳で年収1000万円程度になる人も。年収アップの構図はメーカーに近く、最初は穏やかだが、長く在職するほどに上がるのが特徴だ。
「最近では成果主義を導入する商社も増え始め、年収で100万~200万円の個人差はアッという間に出ますね。もちろん個人の成績だけでなく、事業部の業績もボーナスには影響します」(丸山氏)

「異業種出身者」積極採用職種
 ● 投資関連事業に携わる人材
 ● 電気・機械事業に携わる人材