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Type (06年5月号)

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Type (06年5月号)【記事抜粋】

Type (06年5月号)
4つの「営業脳力」の鍛錬がキャリアアップのキーワード

ビジネスにおいて営業力はつきものと言っても過言ではない。得意な営業力を把握することが、他業種へキャリアチェンジする第一歩になる。営業力にはどのような要素が含まれているのだろうか?「営業脳力」を分析した。

営業マンだけではなく、多くのビジネスパーソンならば、誰しもが気になる「営業力」。そのなかには、ライバルを圧倒する行動力や、経験を通じて培ってきた独自の人脈などの要素も含まれる。しかし、営業に必要な「脳力」に絞って要素を抽出してみると、大きく4つに分類できる。(1)顧客・市場知識、(2)プロセスマネジメント力、(3)提案能力・説得力、(4)対人関係のマネジメント力(EQ)である。

この4つの脳力は、営業として大成するために不可欠な要素だ。さらに、そのうちの何かを突出させることができれば、営業以外のキャリアも見えてくる。例えば、顧客や市場の知識に秀でていることによって商品企画に抜擢されたり、プロセスマネジメント力に秀でていることによって、プロジェクトマネージャーや新規事業の立ち上げメンバーへの道が開けたりという具合だ。

提案能力に優れていれば、営業のプロフェッショナルやコンサルタントとして、EQ力に優れていれば、ビジネスコーチやカウンセラー、キャリアアドバイザーとして、そして、4つの脳力がすべてライバルを凌駕するレベルに達していれば、経営者として活躍できる可能性を秘めている。

つまり、営業出身だからといって、ずっと会社が敷いた営業というレールを歩まなくてはならないわけではない。営業で培ってきたスキルと経験を活かし、ほかのフィールドで活躍することも十分に可能なのだ。

では、企業にとって、営業出身者の魅力とは何か?ヘッドハンティングを中心とした採用活動を手掛けているクライス&カンパニーの丸山貴宏氏によると、営業を経験してきたことによって培われてきた人格全体が魅力となるようだ。

「特に、外資系企業が日本法人の社長をスカウトする場合、営業出身者にこだわる傾向があります。持って生まれたベースに営業脳力が加わることで形成された人格全体を見て、採用を判断するのです。30歳前後の人の場合は、経験によって培われてきた部分と、新しいスキルを吸収する余白の部分とのバランスが取れている人の評価が高いですね」

先々どんなキャリアパスを描くにせよ、営業を経験してきたという事実は、大きなアドバンテージになりうるのだ。


仕事のコミットメントとエンゲージメントを認識する

では、キャリアパスが広がる営業「脳力」の鍛え方とは何だろう?

まず、営業経験2~4年レベルの人は、先に述べた4つの営業脳力のそれぞれをブラッシュアップし、少なくとも「オール3」のレベルにまで持っていかなければならない。日常的な営業活動での実践や研修などを利用して、苦手な部分をなくすのが先決だ。その上で、30歳代になる前にしておきたいことがある。「4つの脳力のレベルアップ」、そして「何かひとつの脳力の突出」の2点だ。

営業脳力全体の底上げは、第一線で働いていくことでのみ、身につけることができる。特にプロセスマネジメント力については、癖になるくらい営業のプロセスを繰り返すことによって、初めて自分のものにすることができる。一見、机上の勉強でも事足りそうな、顧客や市場に関する知識も同様だ。実践の場で知り得たものこそが、他人に差をつける知識力となって現れる。

一方、何かひとつの脳力を突出させるというのは、実践の繰り返しや、会社で用意されたスキルアップシステムだけに頼ってはいられない。どの脳力が自分にとってのアドバンテージとなるかは、自分で見つけて育てていかなければならない。

そもそも、自分はどの脳力に優れているかということは、営業シーンだけを考えてみても分からない。自分の人生や日常生活において、どういったことが得意で、人から頼りにされているのか?例えば、旅行の段取りを立てるのが好きならば、プロセスマネジメント力に秀でている友人の悩み相談に乗ることが多いのならば、EQ力に優れているといった仮説を立ててみよう。

こうして自分自身を振り返ってみたら、もう一度、自分の営業シーンに戻ってほしい。仕事には、「コミットメント」と「エンゲージメント」という側面がある。コミットメントは責任や目標といった約束事であり、克服した後には、成功体験につながる。一方のエンゲージメントは、やっていて楽しいこと、やっているうちにのめり込んでしまうことだ。例えば、市場分析をしているときが、一番楽しく、ついつい必要以上のことまでやってしまいがちだと感じるのなら、それが自分にとってのエンゲージメントである。人間はコミットメントだけでは燃え尽きてしまう。かといって、エンゲージメントだけでは、単なるオタクだ。営業脳力全体の底上げに努める一方で、自分にとってのエンゲージメントを意識的に伸ばすことにより、営業からのキャリアパスは飛躍的に広がっていくのだ