面接官の本音 vol.96   株式会社 エル・ティー・エス

株式会社 エル・ティー・エス

公開日:2013.11.20

エル・ティー・エスは業務プロセス、IT、組織・人材の三つをスイッチとして、顧客サイドでプロジェクトを推進することで顧客の企業変革を支援するコンサルティングファームである。多くのファームが変革プロセスのどこかに特化して強みを出しているのに対し、エル・ティー・エスでは、戦略を描き仕組み造ることだけに留まらず、現場に入り込んでそれらの定着と成果の創出まで一気通貫で支援する点に強みがある。設立は2002年と若いベンチャーで、コンサルティングを主軸にしつつ新規事業開発へ積極的に取り組んでいるのも特徴だ。「世界で戦える日本発のプロフェッショナルサービス企業をつくりたい」と意気込む山本行道部長に話をうかがった。

株式会社 エル・ティー・エス 組織人材開発部長 山本行道氏

Contents

【インタビュアー】コンサルタント 永田 憲章

厳しい局面にどう向き合い、そしてそれをどう乗り越えたかでその人の資質は判断できる

Q

面接ではどんなポイントに注目していますか。

山本

もちろん業務に関する経験やスキルを見ないわけにはいきませんが、それ以上に大切なのが「仲間として一緒にやっていけるか?」という要素です。コンサルティングに限らず、どんな仕事でもつらい局面は多々あります。それを一緒に乗り越えられるか。逃げ出さずに最後まで一緒にやってくれるという信頼感を持てるか。それらを一言にまとめると、ガッツの持ち主かどうか。気持ちのありようとしては、単にサービスをハイレベルで提供する人ではなく、一緒にクライアントとの信頼関係を創っていく、一緒に事業や会社を創っていく、この共創活動に参加する当事者意識を持てる人であることが大切と思っています。

Q

どうやってガッツの有無や仲間と一緒にやっていけるかを見極めるのですか。

山本

結局のところ、ガッツの有無は実際にこれまで厳しい局面をどう乗り越えてきたかに現れます。新卒ではなく中途の方であれば、キャリアのハイライトとなるような経験をいくつか持っていると思います。そこで何を感じ、どう振る舞い、その経験が今どう生きているのかを丁寧に聞いていきます。また、一緒にやっていける仲間であるかどうかは、厳しい仕事に立ち向かう局面で、その困難の中に自分がどんな意義を見出して乗り越えたのか、また自分の人生の中でどんなミッションやビジョンを追い求めているのか、それらが私たちと響き合うかどうかで判断します。

Q

面接で必ず聞く質問はありますか。

山本

「いまの給料は?」といった事務的な話は確実に聞きますが(笑)、それ以外は特になく、事前に用意していないというのが正直なところですね。なぜかというと面接もお互いの対話であり、その場で生まれるストーリーなので、どう展開するか事前にはわからないからです。お互いの理解を深める取っかかりとして、まずは話したいことを話してもらえればいいと思っています。ただし、そこで私たちが知りたいエッセンスは二つあって、一つは一緒に困難を乗り越えていける人かどうか、もう一つは新しいものを一緒に創っていく仲間になれるかどうかです。面接ではそれをお互いに感じあえればいいと思っています。

欠かせないお客様への「共感力」

Q

面接でお互いに仲間になれると感じ、実際に入社した人たちにはどんな傾向がありますか。

山本

基本的には「このお客様のために頑張る!」、「この仕事を引き受けたからには最後までやり抜く!」という粘り強さのある人が当社には多いです。また、「お客様のおかげで自分は仕事ができている」という感謝の気持ちはみんなが持っていると思います。コンサルタントには当然、一定の論理的思考能力や分析力などは欠かせませんが、加えて相当の「共感力」が必要だと私は考えています。問題という事を相手にするスタイルもあるかとは思いますが、あくまでも私たちの相手はお客様という人です。相手の思いや悩みに対する理解や共感が原点であって、問題解決は一つの成果でしかありません。職人気質のコンサルタントはつい自分にとってのベストのソリューションをお客様に押しつけがちですが、そうではなくてお客様のなかにある「言葉にできていないがこれをやりたい」というものを感じ取って言語化し、共に企業変革という苦しい仕事を乗り越えていくことに価値を置いている人が当社には多いです。

Q

実際に活躍しているのはどんな人でしょうか。

山本

確かに言えるのは、途中で何かをあきらめてしまう人で活躍している人はいないということです。とくに転職直後は、ほとんどの人はそれなりに苦労しています。当社に転職してくるのは大手コンサル会社の出身者と異業種からのキャリアチェンジ組が多いのですが、前者は会社の規模や責任範囲の違いで、後者は仕事の内容やスピードの違いで最初はほぼ確実に何らかの不適合を起こします。そのときに踏みとどまって「私にはこの部分が足りないのか」と自分を客観視し、「ここを乗り越えればワンステップ上にいける」とポジティブになれるかどうか。なれた人は成長していきます。そう考えると、新しい環境を前向きに受け入れて学べる素直さの持ち主が多いとも言えます。

Q

最後に、候補者の方にメッセージをお願いします。

山本

「こんな仕事をしたい」と候補者の方がこだわっても、時代やマーケットが変化すれば会社はその事業をやめてしまうかもしれません。したがって転職活動ではやりたい仕事の内容だけでなく、「どんな会社でやるのか」という要素も重視したほうがよいと思います。転職は「転社」ということでもあって、新たにどんな仕事をするかと同時に、どんな会社というコミュニティで仕事をするかを選ぶわけです。会社の個性はその企業の価値観やビジョン、ミッション、カルチャーなどで決まり、そこに自分の個性が合うかどうか。当社も含め、転職活動ではその点を確かめて欲しいと思います。

インタビュアー / コンサルタント 永田 憲章

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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