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キャリアアップコラム

キャリアアップコラムでは、実際に行われているカウンセリング風景や、候補者の方とのやり取りをご紹介いたします。

退職の努力
山田 栄太郎

Vol.21 退職の努力

希望の企業から内定をもらった後に残る大きな仕事、それが退職の努力です。新天地で良いスタートを切るためには、円満退職を実現する事も重要です。よく我々は企業に内定された方に対して、「今までは入社の努力でしたが、今度は退職の努力ですね。」というお話をさせて頂いております。一生懸命に仕事をしていればしているほど、また、会社への貢献度が高ければ高いほど、退職は一筋縄には行かないものなのです。



Aさんは28歳、新卒で現在の会社に入社、営業として数多くの実績を残してきました。現在の会社に大きな不満があるわけではなく、転職理由はとても前向きなものでした。

「今の会社にはとても感謝しています。まだ若いですが、責任と権限も与えられていますし、仕事にもやりがいを感じています。ただ・・・もう少し規模の大きい仕事をしてみたいと思うようになりました。」


希望業界、希望職種が明確なAさんの転職活動はスムーズで、転職活動を開始して3ヵ月後には見事に第一希望の企業に内定していました。あまりにとんとん拍子だったため、多少戸惑いもあったものの、第一希望という事もあり、Aさんはその企業への入社を迷う事なく決意しました。入社日も約1ヶ月半後の月初めと決まり、このまますべて順調に進んでいくものと思っていました。


ところが、約2週間後・・・

「とても退職できそうにありません。退職を認めてもらえないんです。後任者も決まりませんし、社長から直接慰留されています。何よりもこれまで育ててくれた会社に対して迷惑をかけてしまいそうで・・・、転職するべきか、しないべきか悩んでいます。」

Aさんは、かなり強い引きとめにあっている様子で、半ば転職をあきらめている印象すら受けました。

「転職を諦める事はもちろん自由です。ただ、転職活動をスタートさせたきっかけは、Aさんのやりたい仕事が今の会社では実現しないからでしたよね。まずは転職に対する思いを再確認してみてください。もし転職の意思が固まっているのでしたら、その思いを理解してもらう努力が必要になってくると思います。その上で、円満に退職できる方法を考えてみてはいかがでしょうか?」


実はAさんは、転職への意思は固まっているものの、「退職してもよいでしょうか?」という程度の曖昧な意思表示しかしていませんでした。ですので、上司の方にはAさんの本気度は全く伝わっておらず、実際はほとんど取り合ってもらえていないという状況だったのです。


自分のキャリアプランを実現するためには、退職の努力も大事なステップです。退職が決まってからも、事務手続きや、引継ぎ等でやる事は意外にたくさんあるものです。退職の意思も転職先も決まっている場合は、誠意を持って早めに切り出しましょう。すんなりと受け入れてもらえないとしても、転職への思いを理解してもらい、円満退職に向けた努力は続けていくことが必要です。会社はなぜ引きとめるのでしょうか?それが理解できれば、お互いに納得のいく退職方法を見出す事ができるかもしれません。それを見出すこと、そしてそれに対する対策を打つ事が最後の職務であり責任だと思います。


内定を出した会社は少しでも早く入社してほしいと考えており、現在の会社は少しでも長くいてほしいと考えているものです。新天地で良いスタートを切るためにも退職の努力が重要なのです。

今回の教訓&アドバイス
  • 退職を「相談」するのではなく、「報告」する。
  • 現在の会社が困る事を事前に予測し、その対策も同時に提案する。
  • 円満退職は新天地での良いスタートに繋がる。