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キャリアアップコラム

キャリアアップコラムでは、実際に行われているカウンセリング風景や、候補者の方とのやり取りをご紹介いたします。

面接対策
山田 栄太郎

Vol.26 面接対策

面接は何度受けても緊張するものだと思います。今回は等身大の自分で面接に望み良い結果を勝ち得た方のお話です。



Aさんは38歳、社内教育研修のスペシャリストです。これまで培ったスキルを他の業界でも試してみたいという事が転職を考える最大のきっかけになっていました。そんなAさんに管理職研修などをメインに行っているB社を紹介したところ即応募、書類選考も見事に通過、1次面接も難なくクリアし2次面接に進むことになりました。


2次面接は4対1、社長、取締役まで同席し、そこで営業戦略をプレゼンテーションするという緊張感の高い内容でした。Aさんは新入社員の教育研修から管理職クラスの教育研修など、社内のあらゆる立場の方々の話を聞きながら解決策を提案してきた実績を持っています。開始当初こそ緊張した様子でしたがすぐに本来の切れを発揮し、約25分間のプレゼンテーションは盛況のうちに終わりました。


プレゼンテーション内容に関する一通りの質疑が終わった後、いくつか印象深いやり取りがありました。

給与ダウンに関して:

「ところでAさん、もし弊社にご入社いただくことになりますと、給与が大きく下がってしまうことになると思いますが、ご家族含め抵抗はありませんか?」と社長。

「はい、抵抗はあります!!!」

と明るく自信を持って答えたAさん。一瞬ドキッとしましたが、その後にAさんは付け加えました。

「ただ、現在の仕事を続けながらやりたい事を夢見ているよりも、給与が下がってもやりたい事にチャレンジしているほうが家族も喜ぶと思っています。勝手にそう信じているだけと言った方が適切かもしれませんが・・・(笑)。幸いローンも終わっており、後は子供の学費と老後に妻と二人で安心して生活できる収入があれば良いなんて考えているので、なんとかなると思います。」

内定を取りたいけれども本音を言ったら断られるのではないかという不安もある中、Aさんはまずは素直に抵抗があることを認め、正直な気持ちを答えたのです。質問をした社長も歯切れの良い答えに好感を持っていたようでした。


壁にぶつかった場合:

「もし大きいスランプに陥った場合はどうなさいますか?何か秘策はお持ちですか?」

「秘策は全くありません!!! たぶん辞めたくなると思います。」

とAさん。

「ただ転職してすぐに辞めたのでは逃げと同じなので、やれるところまでやってみると思います。とは言いましても、やはり大きなスランプの場合は、そんな余裕はないかもしれませんね。その時は・・・、今の自分の言葉を思い出します。面接の場で、社長を前にして発言しちゃいましたからね。有言実行目指してがんばります。」

不安を認めたうえでどうするのかという点を明確にした点が好感を呼んだようです。が、彼女はたった一人の存在ですから!」結局、この結論は変わらず、残念ながら今回のお話はご辞退という結果となりました。


面接の最後に:

「それでは最後に、これまでの面接を振り返ってみて、あのときはああ答えておけば良かったなどのご感想はありますか?」

しばらく考えた後にAさんは、

「全体を通して緊張しました。そして疲れました。実は想定問答のような準備もしてきたのですがすっかり忘れてしまいました。余裕がなく一つ一つの質問を覚えているわけではありませんが、質問にはまっすぐに答えてきたつもりです。とにかく今は早くこの面接から解放してくれ〜っていう気持ちで一杯です。」

この答えで面接は笑いに包まれて終了しました。


AさんはB社に対する志望度合いが高く企業研究も十分にしていました。Aさんは将来の目標とB社の事業との接点を自分なりに見出していたので面接がお互いの理解の場として進んだようです。もちろんAさんのにじみ出る人柄がなければ、Aさんのような受け答えは必ずしもプラスに働くとは限らなかったと思います。Aさんの率直で素直な人柄、相手を理解しようとする態度、相手の話に全力で耳を傾け正直な気持ちを飾らずに答えるという姿勢が結果として高評価を生んだのではないかと感じる、そんな面接でした。

今回の教訓&アドバイス
  • 究極の面接対策は素直な態度
  • 自分らしい受け答えを
  • 等身大の自分で勝負するためには入念な準備は欠かせない