キャリアアップコラム
キャリアアップコラムでは、実際に行われているカウンセリング風景や、候補者の方とのやり取りをご紹介いたします。
Vol.49 質問の重要性以前「質問力」という本がベストセラーとなりました。質問の仕方・内容によってコミュニケーションの深まりに大きな違いがあり、本質的な質問とはどういうものかについて書かれた本です。転職活動における面接では以外に重視されていない事が多いですが、「何か質問はございますか?」という面接最後の何気ない問いかけにはとても大きな意味があることを皆さんは意識していますでしょうか。 |
私の候補者Kさんは、現在ベンチャー企業で情報系システム営業に従事。現在よりも大規模な基幹系システム営業にチャレンジしたいと考え転職活動中。とても誠実で顧客に信頼の厚いタイプ、いわゆる面接ウケするタイプです。初めてお会いした際にKさんは少し悩んでいました。
「書類選考はほとんど通過するのですが、面接で良い結果が出ないことが多くて」
「何か思い当たることはあるのですか?」
「正直NGの原因がわからなくて、面接もそこそこ盛り上がっていると自分では感じているのですが・・・」
過去に受けたポジションとKさんの経歴を見るに、そんなに大きなギャップがあるわけではありません。私が面談をした印象も、コミュニケーションも良好で、志望動機なども大変しっかりしており懸念点が見当たりませんでした。念のため面接模擬トレーニングも行いましたが、そこでも思い当たるような懸念点はありません。面接官との相性が悪いことが続いたのかも知れないとも考え、今までと同じスタンスで弊社よりご紹介した企業の面接に挑むことになりました。
数日後、Kさんが1次面接をしたクライアントより「今回は見送りでお願いします」という返事を頂きました。そこでNG理由を聞いてみると。
「KさんのNG理由に関して教えていただけますか?」
「そうですね、人物としては悪くないですし・・。いやむしろ良かったほうですね。ご経験も悪くないと思っています。今回のポジションに対するKさんの興味や今までの経験から今後やりたいことなどの話にはとても共感しました。私も面接の途中までは結構期待していたのですが・・・。最後の最後に大きな疑問符がついてしまいました」
「疑問符ですか?」
「そうです、最後に質問はありますか?と聞いたところ、Kさんからでた質問は弊社の待遇や手当に関する内容が大半でした。それまで今回の営業ポジションに関してとても建設的な話をしていたのですが、それを踏まえた上で質問をしたつもりが・・・。率直なところがっかりしたというのが正直な気持です。仕事内容よりも待遇や手当への関心が高い印象を受けました」
実はKさんに聞いたところ、現在在職するベンチャー企業は業績が悪く、実績と関係なく一律の賃金カットや手当廃止などがありました。もちろん今後、より大規模なシステムにチャレンジしたいというのが本当に転職の理由なのですが、最近結婚したことなどもあり待遇面や手当に関して事前に出来る限り確認したいという気持が強くなり、そういった質問をしてしまったとのこと。
面接官はKさんの仕事に対してチャレンジする姿勢や、今までのがんばりなどに共感し、途中からはKさんをモチベートすることも考えながら面接を行っていたのです。そして最後に、この話の流れを受けて彼の仕事に対する疑問があればそれらを解くために「何か質問はありますでしょうか?」と質問をしたのです。
この意図をしっかり理解していれば、Kさんも決してこんな質問をして面接官から誤解を受けることは無かったはずです。事実このことに気づいたKさんは、その後の面接では見事に内定を勝ち取り現在もその会社で活躍中です。
もちろん待遇や手当等に関して確認することは重要です。但し、タイミングや話の流れによって「ふさわしい質問」となっているかは別の話です。面接もコミュニケーションの場に違いありません、しっかりと本質を見据えたやり取りが重要ではないでしょうか。
今回の教訓&アドバイス
- 面接官の投げかけには必ず意味がある。
- 面接での質問は、内容に沿った〝ふさわしい質問〟を心掛ける。
- 質問の内容はその人の志向の現れと判断されることがある。




