キャリアアップコラム
キャリアアップコラムでは、実際に行われているカウンセリング風景や、候補者の方とのやり取りをご紹介いたします。
Vol.93 成果を生み出すプロセスを語れますか?イチロー選手が9年連続年間200本安打を達成し、大リーグの歴史にまた新たな名を刻んだことはもう皆さん周知のところだと思います。このイチロー選手の体にオリックス時代から最もふれた人物、現在マリナーズのトレーナーである森本貴義さんの書いた本にこのような件がありました。「大リーガーの選手は、みんなイチロー選手のトレーニング方法を教えてくれと言ってやってきます。でも同じようにやってもイチロー選手と同じような成果は出せないんです」と。この話しを転職活動に結びつけるとどういうことが見えてくるのか、少し皆さんと考えたいと思います。 |
Kさんは28歳。新興ベンチャーの経営企画職として活躍し、社長秘書、IR担当、社内業務改善、予実管理責任者と様々な役割をこなしてきましたが、会社は不況のあおりを受けて業績不振に陥り、止む無く退職となりました。
「転職活動の状況はどうですか?」
「書類選考は通過して面接には行くのですが、そこから先がなかなか進まないですね。やっぱり厳しいなと実感しています」
「面接の中でうまく答えられてない質問でもあるのですか?」
「成果について聞かれると結構厳しいですね。実際、経営不振になった会社の経営企画職ですし。もちろん成果のあがった仕事もありました。ただ実際のところ良いと思ったことは何でもやってきましたから、何でもやるタフさを強みとして話をしているのですが・・・」
「不景気になるとより即戦力を求めるという面が強くなってきますからね。タフであることは大切な要素ではありますが、成果をどのようにして出してきたか、再現性を持って自社でも成果を出してくれるかについては、大きなポイントになりそうですね。」
私はそう言ったあと、「いくら形だけを真似しても、同じようなパフォーマンスは発揮できない」という森本トレーナーの話を思い出してお伝えしました。これはまたビジネスの世界にも当てはまります。成果を出すためのノウハウや書籍は数多くありますし、目から鱗が落ちるような素晴らしいセミナーもたくさんあります。ですがそのどれもが素晴らしい成果を約束している訳ではありません。つまり、自分に合った方法を見つけて行なわない限りは成果にたどり着けないのです。
不況と言われる今、企業は即戦力となる人材を求めています。成果をあげるための仕事の仕方や具体的な行動について、自分に合ったやり方を確認できていれば、転職先でも即戦力として活躍できる確度は格段に高まりますし、面接においても説得力を持って伝えることができるのではないでしょうか。結局は今の仕事への取り組み方が大事ということになるのですが、転職活動に入る前に今一度、以下の確認をしてみては如何でしょうか。
・成果をあげるための仕事の仕方
・成果をあげるための具体的な行動
Kさん自身も、これまでの仕事をいくつか振り返りながら、成果を出すために行ってきた行動を整理することにしました。いくつかの共通するプロセスがあったことに気付いたKさんは、成果を出すためのポイントを3つにまとめ、面接では順序立てて説明することに努めました。「何でもやるタフさが強みです」と説明していた頃とは違い、具体的な行動や手法が見えたことで、面接官からより詳しい企業の実情なども聞けるようになったそうです。
Kさんはその後、意中の会社から内定をもらい、現在はコンサルタントとして新しいキャリアを歩み出しています。自分の強みや成果を出すための行動(プロセス)について明確にできたからこそ、コンサルという仕事でも活躍できる人材と評価されたようです。
今回の教訓&アドバイス
- 1.成果を出すための方法は自分で身につけないと再現性を持てない
- 2.今の仕事への取り組み方が重要。成果を出すための意図ある行動を積み重ねよう
- 3.成果を生み出すプロセスを語れるようになれば、結果は自然とついてくる

